やっと動く
CBAの交渉が現地2022年1月13日(木)に再開されることが決まりました。MLBとMLBPA双方がようやくテーブルに就くことになりました。現地12月2日から約1ヶ月半に亘り、交渉の動きが止まておりましたが、まずはやれやれというところですね。
キー・エコノミクスの再開へ
肝心要のお金の問題にようやく本腰を入れることになったわけですが、重要トピックとして挙げられるのは以下の点です。
- MLSサービス・タイムの構造の見直し
- これはFAを29.5才とするか6年とするか、あるいは調停資格選手の扱いについて
- リーグ・ミニマム・サラリーの見直し
- 噂では$0.6M という数字も
- CB TAX (贅沢税)
- 段階的に閾値を$260Mくらいまでにアップしたい組合側と、$180M超えの数字を出しているMLB側の交渉
- 拡大プレーオフ
- 現行はAL、NL併せて10クラブですが、枠を少しでも増やしたいMLB側に対してユニオンが同反応するのか
- レベニュー・シェアリング
- MLB側は上記の贅沢税が$180Mを超えた場合、その超過分をレベニュー・シェアリングにしたいという提案をしていました
- ユニーバサルDH
- ナ・リーグにもDHを導入するかどうか
ボブ・ナイチンゲールさんの情報では今回のセッションではサービスタイムの構造の見直しは避けられる見込みです。確かにあまりに重たいトピックではあります。重たいがゆえに回数は重ねた方が良いと思うのですが、駆け引きですから双方ベターなタイミングで出し合うというところでしょうか。
スプリング・トレーニング・ゲームまでに
やはり避けてもらいたいのは、スプリング・トレーニングのゲームが始まる2月終盤までにロックアウトを解除してもらうことですね。イベントがキャンセルになるのはあまりに打撃が大きすぎ、またしてもMLBの人気低迷に拍車がかかります。
ベストは1月中に終わり、2月半ばのスプリング・トレーニングのワークアウトまでの2週間で滞っているディールを決めて行くことですが、トピックがそれぞれヘビーゆえにどこまで出来るか、最悪でもスプリング・トレーニングのゲームまでに決めてもらいたいところではあります。
NLにもDHは導入されそう
さて、キーエコノミクスではなく、フィールド上の設定であるユニバーサルDHも近い将来、導入の方向で決まりそうな雰囲気となっています。
筆者は投手の打席が見たい派なので、NLに投手の打席は残してもらいたいと考えるタイプなのですが、アメリカのファンなどからすればそのような考えは少数派。
MLBTR(トレード・ルーモア)さんが実施したアンケートでは62%がNLDHへの支持を表明し、 26%が反対、12%は特に無関心というシェアでした。
ユニオンもNLDH歓迎
ファンだけでなく、ユニオン(MLBPA)もNLにユニバーサルDHを敷くのは賛成というスタンスです。というのも、1リーグ分の15名の雇用が増えますから。特に打撃に特化せざるを得ないベテランの職場を確保するという視点はたしかに大事ではあります。
投手の打撃成績が壊滅的
ユニバーサルDH推進派の根拠として投手の打席が壊滅的であるという数字が出ています。2021年、投手が打席に立って三振したのは、全三振の44.2%。投手全体の打撃成績は、4,830打席で.打率110 、OBP .150 、SLG .142。確かにチャンスで投手が打席に入ると、がっかりする場面は多いです。特に浅いイニングでのチャンスは白けさせる点があるのは拭い切れません。これはナ・リーグのプレーオフにおいても言えたことですね。
だからこそ、打った時の面白みもあることはあるのですが。
残念ですが、この流れは大きなうねりになりそうです。
実際、2021シーズンの両リーグを併せたERAのトップ6は全てナ・リーグの投手。DHのあるア・リーグのERA1位のロビー・レイは、双方併せて7位まで数えないと出てこないという数字に。
よって、投手の打席が見たい派は二刀流の選手が増えることを期待する方向になるのかもしれません。
二刀流とDH
DH自体を考え直すとしたら、二刀流とDHの扱いも見直した方がいいと筆者は思います。
2021年、大谷投手が先発Pで打席に立ちました。エンゼルスの対戦相手がALの場合、エンゼルスはDHを解除。9名で戦った訳ですね。
先発の大谷選手が早い回で降板した後も、当然DHは使えずマッドン監督はやりくりに苦心しました。
先発Pが打席に立ったら、9名で戦うのはこれはむしろそうしないといけないと思います。ただ、降板後はDHを復帰させてもよいのではないか?と思います。
そんな話し合いが出るのかどうかまではわかりませんが、二刀流の挑戦を宣言する選手が出ている以上、そのような柔軟性も野球の魅力回復につながるかもしれません。
柔軟性のあるパイオニア・リーグ
パイオニア・リーグくらいの柔軟性も考えてもよいかもしれません。パイオニア・リーグは2021年、延長は無しでHRダービーで決着。DHならぬ、DPH、DPRも実施。DPHとはDesignated Pinch Hitterの略で、代打で出た選手はその打席で終了ですが、代打を送られた選手がふたたび守備や打席につくことが出来る制度。DPRも代走で出場する選手はアウトやチェンジで終了ですが、代走を送られた選手が再び守備や打席につくことが出来る制度で、それぞれ1ゲームで1度使うことが出来るというなかなかおもしろい制度。調べると、DPRはありました。やはり捕手がランナーに出た時にDPRを使い、捕手は次の回にまたマスクをかぶりました。
早くロックアウトが解除になることを祈りつつ。
追記:速報
速報ベースです。当然のことながら大きな進展はなかった模様。MLBは以下を提案した模様。まだ概要だけしか掴んでいないので、のちほど精査したいと思います。
- MLS2年以上のプレーヤーの報酬アップ。(現行は、FA前のMLS1-5年のプレーヤーが大いに活躍していますから、旧CBAのスーパー2を補完するような仕組みかと思います。)
- 活躍しているトッププロスペクトのMLSを操作しなかったクラブにドラフトPICK権の付与(クリス・ブライアントらが悔しい思いをした件についても対策は打つようです)
- ドラフト・ロッタリー。(これはどうやらドラフトのくじのようですね)
Plenty more coming in a story at ESPN but the broad strokes of MLB's proposal, per sources:
— Jeff Passan (@JeffPassan) January 13, 2022
– Funnel additional money to all players with 2+ years service
– Award draft picks to teams that don't manipulate service of successful top prospects
– Tweaks to proposed draft lottery
取り急ぎ、速報ベースの情報でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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