あとアウト2つでHBP
現地2021年4月15日、ギャランティード・レイト・フィールドで行われたインディアンス@ホワイトソックス戦でホワイトソックス先発のカルロス・ロドンが、NO-NO(ノーヒットノーラン)を達成!メジャーリーグでは、現地2021年4月9日にパドレスのジョー・マスグローブが達成して以来、今季2度めのことです。
Hats off to you, 5️⃣5️⃣. 👏 pic.twitter.com/cTADViDRAy
— Chicago White Sox (@whitesox) April 15, 2021
ニア・パーフェクト
本当に惜しいピッチングでした。8.1イニング、9回表1アウトまでパーフェクト。バッター、ロベルト・ペレスという場面で、0ボール2ストライクという最高の追い込み方までしていたのですが、4球目に投じたスライダーがロベルト・ペレスのつま先にヒット。死球となり、惜しくもパーフェクトはなりませんでした。
しかし、後続のユー・チャン(Yu Chang)を空振り三振、最後はジョーダン・ルプロー(Luplow)を3Bゴロに仕留めてゲームセット。見事にノーヒットノーランを達成しました!
8-0の完勝ゲーム
1回表を三者凡退に抑えたカルロス・ロドンには、いきなりのプレゼントが待っていました。インディアンス先発はザック・プレサック。筆者的にはかなり好きな投球フォームで投げる投手なのですが、この日は慎重な立ち上がりを粉砕されるようにホワイトソックス打線に捕まりました。
ヤーミン・メルセデスが3ランHR
ヨアン・モンカダに先制のタイムリーシングルを打たれた後、ランナーを二人残して迎えたのはヤーミン・メルセデス。ザック・プレサックはこの日のファストボールが90-92mph程度。しかもシュート回転でボールに伸びがありませんでした。やられるなと思った通り、ヤーミン・メルセデスにはLFスタンドに大きな一発を浴び、これが3ランHRに。
その後も、レウリー・ガルシア、ニック・マドリガルにタイムリーを許し、降板。ザック・プレサックは0.2イニングで、被安打7、失点6、被本塁打1とゲームを壊してしまいました。
ホワイトソックスは1回に6点を先制。
さらにホワイトソックスは3回裏にもルイス・ロバートのタイムリーなどで2点を奪い、序盤3回を終えて8−0とリード。カルロス・ロドンを後押ししました。
三遊間が再三の好プレー
大記録の影には好プレーがつきものですが、カルロス・ロドンはかなり危なげはなかったものの、インディアンス打線には芯で捕らえられた当たりも多かったです。それを防いだのは3Bのヨアン・モンカダとSSのレウリー・ガルシア。
この二人は強い当たりも普通に処理し続けました。簡単に処理するように見せてしまうプロの守備。素晴らしかったです。
9回にホセ・アブレイユも奮起
カルロス・ロドンは9回表1アウトまでパーフェクトを継続していたわけですが、その9回表の1アウト目にかなりギリギリのプレーがありました。1Bへのバウンドの大きなゴロをホセ・アブレイユがベースから離れて処理。必死のジョシュ・ネイラーのヘッドスライディングにわずかに勝利し、まるでベースをキックするかのように足を伸ばし、見事にアウトに仕留めるという場面も。さすがにチームリーダーですね。
このようなゲーム展開でカルロス・ロドンのノーヒットノーランは達成されました。
かつての100mph左腕
カルロス・ロドンは1992年12月10日生まれの28才。ドラフトは2014年ホワイトソックス1巡目で全体順位は3位。ノース・キャロライナ・ステートの出身です。
アマチュア時代の実力は日米野球や国際大会などでは折り紙つきで、2014年は当然ルーキーリーグからスタートしたのですが、その年にシングルAプラス、ダブルAを飛ばしてトリプルAまで上がりました。
プロスペクトとしてはかなり評価が高く、筆者も旧ブロクでは100mph左腕として紹介させていただいた覚えがあります。
苦難の末のノーヒッター
しかし実力とは裏腹にプロ入り後は相次ぐ怪我に悩まされました。
- 2015MLBデビュー
2015年は9勝6敗、2016年は9勝10敗
- 2017左肩手術
2017年は2勝5敗、2018年は6勝8敗
- 2019トミージョン手術
- 2020ノンテンダーFA
トミージョン手術から復帰するも、2020年は0勝2敗でノンテンダーFA
- 2021ノーヒッター
キャリア99試合目の登板で見事にノーヒッター
ベロシティーがアップ
今季のカルロス・ロドンはこのノーヒッターの勝利も入れて2勝0敗、ERAは未だ0.00。この好調の要因としてベロシティーが戻ってきたというのがあります。
トミージョン手術前は4シーム、シンカーが92-94mphまで下がっていたのが、今季は平均で95mphまでアップ。しかもこのゲームでは99mphも出しており、かつての豪腕が復活したとも言えそうですね。
MLBキャリア7シーズン目、ルーカス・ジオリトはエースとして活躍してもらうとして、カルロス・ロドンがこのまま好調を継続するかどうかでホワイトソックスの投手のやりくりは非常に楽になります。彼がキーマンになるかもしれませんね。
ホワイトソックスはNO-NOが多い
2020シーズン、ホワイトソックスはルーカス・ジオリトがノーヒットノーランを達成。2012年にはフィリップ・ハンバー、2009年にはマーク・バーリーの2度め、2007年にはマーク・バーリーの1度目と2000年以降だけでもこれだけのノーヒットノーランを生み出しています。
それ以前もカウントすると20回の達成で、これは計27回を達成しているドジャースの次に多いということに。
ホワイトソックスの伝統もなかなか素晴らしいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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