2020野球殿堂
現地2019年11月18日、2020年のHOF(野球殿堂)の候補者が発表されました。今季はなんと言ってもデレク・ジーターの投票があります。
投票の結果は現地2020年1月26日に明らかとなります。
投票のルール
リストアップされているがHOFになるには以下の得票を得ることが必要になります。
- 得票率が75%以上を得た選手が晴れて殿堂入りとなる
- この際、得票率5%未満だった選手はその年限りで殿堂入りの機会は無くなる(^_^;)
- 得票率が5%から74%の間で、その年に選ばれなかった候補者は次年度の審査・選考に持ち越される。
- 持ち越しは最大10年(2014年にルール改正。それまでは15年だった)。11年目からはリストに名前がなくなる。
候補者
2020年の資格者は計32名。
新規の資格者と前年から持ち越しとなった資格者を分けて記載しておきます。
New-Comer
新規(New-Comer)は18名。原則「MLBで10年以上プレーし、そのうち引退後5年以上経過した選手」です。
皆、2014年を最後に引退した選手ばかりです。懐かしい名前も出ています。イチローさんとともにマリナーズの中継によく出ていたフィギンスも入っています。プッツも懐かしいです。
- ボビー・アブレイユ(Bobby Abreu) :
- 2xASG/ GG/ SS
- ジョシュ・ベケット(Josh Beckett):
- 3xASG/ 2xWS/WS MVP / ALCS MVP
- ヒース・ベル(Heath Bell):
- 3xASG/168SV
- エリック・チャベス(Eric Chávez):
- 6xGG/ SS
- アダム・ダン(Adam Dunn):
- 2xASG/ 462 HR/ 2,379 SO
- ショーン・フィギンズ(Chone Figgins):
- ASG/ WS
- ラファエル・ファーカル(Rafael Furcal):
- 3xASG/ ROY
- ジェイソン・ジアンビ(Jason Giambi):
- 5xASG/ 2xSS/ MVP
- ラウル・イバニエス(Raúl Ibañez): ASG
- デレク・ジーター (後述)
- ポール・コナーコ(Paul Konerko):
- 6xASG/ WS/ ALCS MVP/ 439 HR
- クリフ・リー(Cliff Lee):
- 4xASG/ Cy/ ERA/ 143勝
- カルロス・ペーニャ(Carlos Peña):
- ASG/ GG/ SS
- ブラッド・ペニー(Brad Penny):
- 2xASG/ WS(2003: marlins)/ 121勝
- J.J. プッツ(J.J. Putz):
- ASG/ 189 SV
- ブライアン・ロバーツ(Brian Roberts):
- 2xASG/BALのSS/ 367 Double/ 285 SB
- アルフォンソ・ソリアーノ(Alfonso Soriano):
- 7xASG/ 4xSS/ AS MVP/ 2,095Hits/ 412 HR
- ホセ・バルベルデ(José Valverde):
- 3xASG/ 288SV/ 3x SV title
クリフ・リーがHOFに入りそうに思ったのですが、スタッツを改めて見ると、ちょっと厳しいかもしれませんね。ファーカルも厳しいかもしれません。
この中ではジーター、ソリアーノ、ジアンビといったところが将来のHOFになりそうな成績でしょうか。
持ち越し(2019年に投票率74%〜5%)
以下は2019年1月に行われた投票結果で、2020年の投票に持ち越された選手のリストです。X度目の数字は2020年での投票回数。
- カート・シリング: 259票 (60.9%) — 7度目
- ロジャー・クレメンス: 253票 (59.5%) — 8度目
- バリー・ボンズ: 251票 (59.1%) — 8度目
- ラリー・ウォーカー: 232票 (54.6%) — 10度目(ラスト)
- オマール・ビスケル: 182票 (42.8%) — 3度目
- マニー・ラミレス: 97票 (22.8%) — 4度目
- ジェフ・ケント: 77票 (18.1%) — 7度目
- ビリー・ワグナー: 71票 (16.7%) — 5度目
- トッド・ヘルトン: 70票 (16.5%) — 2度目
- スコット・ローレン: 73票 (17.2%) — 3度目
- ゲイリー・シェフィールド: 58票 (13.6%) — 6度目
- アンディー・ペティット: 42票 (9.9%) — 2度目
- サミー・ソーサ: 36票 (8.5%) — 8度目
- アンドリュー・ジョーンズ: 32票 (7.5%) — 3度目
※フレッド・マグリフ: 169票 (39.8%) — 2019年が10度目で叶わず。
注目点
2020年投票の注目点を挙げると以下の点かと思います。
1. デレク・ジーターが満票を取るか
なんと言っても初投票となるデレク・ジーターです。ジーターは今回の投票で野球殿堂入りは間違いないところ。注目点は満票を取るかどうか。
もしそうなれば、2019年に満票を取ったマリアーノ・リベラに続き、史上2人目となります。
満票は難しい
ちなみに満票を取るのは非常に難しく、2016年のケン・グリフィー・ジュニアが99.3%、ランディー・ジョンソンが97.3%(2015)、グレッグ・マダックスが97.2%(2014)、カル・リプケン・ジュニアが98.5%(2007)、ノーラン・ライアンが98.8%(1999)、トム・シーバーが98.8%(1992)、ハンク・アーロンが97.8%(1982)、サイ・ヤングでさえ76.1%(1937)。投票の時代要素もあるとは思いますが、直近でグリフィー、マダックスでさえ取れていないのですから、リベラの100%は驚異的な得票でした。
2. ラリー・ウォーカーがラストで通るか
今回の投票で最後となるのがラリー・ウォーカー。1997年MVP、オールスター5度、GG賞7度、SS賞3度、打率タイトル3度、HR タイトル1度の実績があるにも関わらず、10年目の投票です。HOFがいかに厳しいかがわかる例ですね。
3. シリング、ビスケルは?
持ち越しの選手の中でHOF入りの可能性が高いのがカート・シリング、オマール・ビスケルの二人。二人は2019年にそれぞれ60.9%、42.8%の得票率を得ました。2020投票で決まるかどうかですね。
4. ボンズとクレメンスは?
2019年にそれぞれ59%の得票率を得たボンズとクレメンスが果たして殿堂入りとなるかも注目点です。成績からいえばこの二人が入らないのはおかしいところですが、やはり薬物の点が引っかかっています。
なお、二人の名前は不適格者リストには入っていません。
おそらくですが、10年目に重大な結論がくだされるのではないでしょうか。投票は記者が個別に判断で記入し、申し合わせなどしないのですが、今季も75%に達することはないと予想します。
もし彼らの薬物使用が冤罪なら大変なことですが、なんらかのクリアーな要素が出ないとHOF入りは難しいでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
>満票の可能性
2016の記者整理がもう少しはやく行われていればマダックスはいけたかも知れませんね
一発確定クラスになるとパフォーマンスの突出度より瑕疵がどれだけ少ないかが重要な気がします
あと、サイ・ヤングはバロット入り後2回目の投票での通過なのでおなじ並びではないような気がします
殿堂投票開催自体が2回目の超渋滞だから特殊ではあるのですが
irolyn様
いつもコメントありがとうございます。
>あと、サイ・ヤングはバロット入り後2回目の投票での通過なのでおなじ並びではないような気がします
なるほど。
コメント、ありがとうございました。