NL Central Division Champs.
A franchise-record 102 wins.
Over 3 million fans through the gates.
One incredible journey…a magical run. #ThisIsMyCrew pic.twitter.com/d0efqeeQjQ— Milwaukee Brewers (@Brewers) October 21, 2018
2018年のNLCSは非常に面白かったです。
ブルワーズの戦いぶりにしびれました。筆者は今回ばかりはブルワーズを応援してしまいました。それはなぜか?
彼らが雑草集団とも言える人たちだったからです。MLBでプレーしていること自体が相当なエリートな訳ですが、しかし彼らはどう見てもアンフェアな戦いに挑んでおりました。まさに”Money Ball”を見せてもらっていたと思っております。
アンフェアとも言える戦力差
どこがアンフェアだったかと言うとそれは金銭面。そもそも選手の魅力はプレーそのもので、年俸が低いからといってプレーヤーとして劣っている訳ではありません。年俸はそのときの市場の動向(需給のバランス)や選手の怪我のタイミングで左右されたりするものなので、それによって選手の価値がすべて決める訳ではありません。
しかし、Professionalゆえに彼らの魅力を計る指標の一つにどうしても年俸というのがついてまわるのは致し方ないことです。
今回はその視点から、ブルワーズがアンフェアとも言えるNLCSでいかに健闘したかを見てみたいと思います。
先に結論から見ていただきましょう。
MILの年俸総額はLADの半分
Money Ballというアンフェアな戦いを見る時、選手の頑張りもさることながら、やはり指揮官がいかに知恵を絞ったかということになると思います。
今回、ブルワーズのカウンセル監督は頭を使いに使って3勝した訳ですが、カウンセル監督がいかに知恵を絞らざるを得なかったのかは以下のグラフで一目瞭然かと思います。
グラフの数字はNLCS のアクティブ・ロスター25人の総額を比較しています。ブルワーズがジオ・ゴンザレスの怪我でザック・デイビーズと入れ替わった経緯があったので、Game7のメンバーで比較するとこのようになりました。
仮にジオの年俸1200万ドルを加えればブルワーズも少し桁が変わってきますが、大勢は大きく影響しませんので、デイビーズの年俸で計算してます。
ご覧の通り、ブルワーズはドジャースの選手の半分の年俸の選手たちが、頑張っていたことになります。
ブルペンも酷使してしまいしまいましたが、それでもヘイダーに休養を与えたりと選手を大事に使っておりました。
LADの筆頭はカーショウの39億円
90年代に経営が悪化して創業家から手が離れ、今ではグッゲンハイムという投資グループによって運営されているドジャース。NBAのマジック・ジョンソンも経営者の一人であります。
新しい経営者によってドジャースのサラリーはヤンキースに並ぼうかというほどの金持ち球団になりました。
NLCSのアクティブロスターにはチェイス・アトリーや怪我のコーリー・シーガーなどは入っていなかったのですが、ほぼ主要メンバーが揃っております。
年俸の高い順に並べて見ました。カーショウの3,500万ドル(約35億円)を筆頭に、1,000万ドル(約11億円)を超える選手が6人もおります。MVPのベリンジャーはまだ2年めなので100万ドル(約1.1億円)には届いておりません。ビューラーやマンシーも同様です。
- C・カーショウ = $ 35 M →39.13億円
- M・ケンプ = 21.5 M→23.65
- R・ヒル = 16.6 M→ 18.33
- M・マチャード=16 M→17.60
- J・ターナー=12 M→13.20
- K・ジャンセン=11.3 M→12.47
- Y・プイーグ= 9.2 M → 10.14
- B・ドージャー = 9.0 M →9.90
- R・マッドソン= 7.9M → 8.71
- Y・グランダール=7.9M→8.69
- Hyun-Jin Ryu = 7.8 M→8.62
- 前田投手 = 6.1 M →6.74
- A・ウッド=6.0 M →6.60
- D・フリース=4.2M →4.68
- J・ピダーソン = 2.6M →2.86
- E・ヘルナンデス= 1.6M→1.76
- P・バイエス =1.5M →1.65
- C・ベリンジャー=0.58M→0.64
- C・テイラー=0.57M →0.63
- A・バーンズ=0.55M→0.61
- J・ユーリアス=0.55M→0.61
- M・マンシー=0.54M→0.60
- C・ファーガソン=0.54M→0.60
- D・フローロ=0.54M→0.60
- W・ビューラー=0.54→0.60
合計 $181.455M →199.60億円
MILのJ・ヘイダーは6千万円ほど
一方のブルワーズはライアン・ブラウンの2千万ドル(約22億円)というのが最も高く、1000万ドル(約11億円)超えはブラウンとケインの2人だけ。
ソリアが結構もらっていたのには驚き、クネーブルが360万ドルを超えていてホッとしております。彼が100万ドル以下なら悲惨と言わざるを得ないのですが、悲惨な選手が一人おりました。
ブルワーズのブルペンのキーマン、ジョシュ・ヘイダーです。確かに今季から名を上げたという面が大きいのですが、100万ドルを切った55万ドル。
年俸の低い選手で行きますと、J・アギラルやドミンゴ・サンタナもヘイダーとほぼ同額。ベテランCのクラッツもそうです。オーランド・アルシアやトラビス・ショーでさえもほぼ同額です。正捕手のピーニャもそうです。まさか正捕手が100万ドルを下回っているとは!
- R・ブラウン=$20M →22.00億円
- L・ケイン=14.3M→15.73
- J・ソリア= 9M →9.90
- J・チャシーン=8.75M→9.63
- J・スコープ=8.5M→9.35
- M・ムスターカス=7.7M →8.47
- C・イェリッチ=7M→7.70
- C・グランダーソン=5M→5.50
- C・クネーブル=3.65M→4.02
- W・マイリー=2.5M →2.75
- J・ジェフレス=2.3M→2.53
- H・ペレス(IF)=1.975M→2.17
- X・セデーノ=1.05M→1.16
- D・ サンタナ=0.572→0.63
- Z・デイビーズ=0.572→0.63
- T・ショー=0.567M →0.62
- M・ピーニャ=0.560M→0.62
- O・アルシア=0.559M→0.62
- J・アギラル=0.55M→0.61
- J・ヘイダー=0.556M→0.61
- B・ウッドラフ=0.550M→0.61
- E・クラッツ=0.545M→0.60
- C・バーンズ=0.545M→0.60
- F・ペラルタ=0.545M→0.60
- J・ゲラ=0.545M→0.60
Total $98.4M → 108.24億円
ではブルワーズのブルペンで集計してみますと、
- ヘイダー:55万ドル
- クネーブル:365万ドル
- ジェフレス:230万ドル
- バーンズ:54万ドル
- ウッドラフ:55万ドル
- セデーノ:105万ドル
- ソリア:900万ドル
計1764万ドル。
ではドジャースのブルペンはと言いますと、
- ジャンセン:1,133万ドル
- マッドソン:791万ドル
- 前田投手:612万ドル
- A・ウッド:600万ドル
- P・バエス:150万ドル
- J・ユーリアス:55万ドル
- ファーガソン:54.5万ドル
- フローロ:54.5万ドル
こちらは8名おりますが、ブルペンの陣営がどうだったかが大事なので8人で計算すると3,450万ドル。
ブルワーズ1,764万ドル:ドジャース3,450万ドル。きれいに倍になりました。打者陣やスターター陣も同じ比率で開きます。
サラリーでこれだけ差がある中、あと一歩まで追い詰めたブルワーズの野球はやっぱり面白かったと思いませんか?
私はカウンセルさんは名将だと思います。
またこんどはALのWCについてやりたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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