ATL、4年連続ポストシーズンに向け動く
現地2021年7月15日、トレード・デッドラインまであと半月。オールスター・ブレイクのこの日、アトランタ・ブレーブスが早速動きました。
売りモードとなったシカゴ・カブスからジョク・ピダーソンをトレードで獲得しました。
トレード詳細
今回は1:1のトレード。
ブレーブスGet
- ジョク・ピダーソン(Joc Pederson/ 29才):OF/左投げ左打ち
カブスGet
- ブライス・ボール(Bryce Ball/23才)1B/右投げ左打ち
アクーニャのシーズンエンディングから5日後
今回、ブレーブスがジョク・ピダーソンを獲得した背景はもちろん、ロナルド・アクーニャ・Jr.の怪我にによる離脱に対する戦力補強。ロナルド・アクーニャ・Jr.がACL断裂のシーズン・エンディングの怪我を負ったのは現地2021年7月10日のこと。
上記の記事にも書きましたが、ウォール激突を防ぐ危機回避能力があったがゆえに、右膝に大きな負担がかかってしまった痛々しい怪我でした。
そのわずか5日後、ブレーブスは即座に動きました。
十分に挽回できる位置
前半戦を終えて44勝45敗で5割を切ったブレーブスですが、ナ・リーグ東地区首位のメッツは47勝40敗、2位フィリーズは44勝44敗。まだ十分に首位を狙える位置です。
WCは厳しい
ナ・リーグ東地区は上記のように星の潰し合いの様相を呈しており、そのせいで、前半戦終了時点でのナ・リーグのワイルド・カード争いは、56勝35敗のドジャースと53勝40敗のパドレスが2枠に収まっています。3枠目でようやく中地区のレッズが48勝42敗が入り、フィリーズ、ブレーブスという流れに。
ということはこの流れで行くと、ナ・リーグ東地区のクラブでポストシーズンに行くにはワイルドカードでは厳しく、地区優勝しかないという状況。
起爆剤として
フィリーズとともに5割近辺から抜け出せないブレーブスは、ロナルド・アクーニャ・Jr.の怪我により、さらにそこにとどまる要素が多くなった訳ですが、ジョク・ピダーソンの獲得はロナルド・アクーニャ・Jr.そのもののリプレイスは不可能なものの、ピダーソンのもつ爆発力、そしてクラブハウスでの良い雰囲気作りなど、彼独特の味がチームによい起爆剤を与える可能性が大です。
デグロムがいるゆえに大負けしないメッツに対抗
そして強く意識しているメッツは、異次元の投球を見せ続けるジェイコブ・デグロムがいるゆえに、大きな連敗は見込めません。メッツに対抗するためにもパワー・レフティーが必要でした。
強力な右腕で言えば、デグロムの影に隠れてしまっていますが、フィリーズのザック・ウィーラーも今季は素晴らしい投球を見せ続けています。この強力な右腕に対抗する意味もあります。
今季のピダーソン
ジョク・ピダーソンのキャリアについてはカブスに移籍した際の記事に詳細を記載しています。ぜひご覧ください。
なんと言っても、2019年の36HRが光ります。
今季の成績は、73試合で256-59、打率.230、OBP .300、SLG .418で、OPSは.718。HR 11、RBIは39(前半戦終了時点)。
2019年時においても打率.249であったことからもともと打率は高くありません。
実は左投手の方がよく打っている
さきほど、ナ・リーグ東地区のデグロムとウィーラーのことを書きましたが、実は2021年は左投手の方がよく打っています。
右投手の打率が.218なのに対して、左投手は.271。ファストボールには強いものの、オフスピードには弱く、打率は.152。この辺が打率が上がらない原因でもあり、右投手のフロント・ドア系の変化で泳がされるという傾向も。
速いボールを引っ張るというスタイルがそもそものピダーソンの良さでもあるのですが、今季はLF方向にもヒットを散らしており、むしろ本来の良さが戻ればとも思っています。どうしてもファストボールしか選択肢が失くなるという状況において、ピダーソンは恐ろしいバッターです。
ブライス・ボールとは
カブスが獲得したブライス・ボールですが、2019年ドラフトのブレーブスの24巡目指名でプロ入りした選手。身長が6フィート6インチで、198cmもあります。
2019年ドラフトの選手なので、本格的なマイナー参戦は2021年から。2020年がマイナー・リーグがキャンセルとなりましたし、2019年は実質7月、8月の2ヶ月間しか稼働していないので。
ちなみに2019年のルーキーとクラスAレベルでは62試合で17HRをマーク。2021年はクラスAプラスで53試合、169-35で、HRは6。
下記は2020年2月のスプリング・トレーニングでの一コマ。非常に可能性を感じるバッティングを見せました。
この大器がカブスで花開くのか、ちょっとおもしろいところですね。
カブス、流出が加速しそう
ずっと言われてきたカブスの2021年問題。
カブスの2021年オフ問題(2022FA問題)
カブスは今後、2021シーズンが終了後、ハビアー・バイエス、クリス・ブライアント、カイル・シュワーバーがFA(2022年FA)。アンソニー・リッゾも今オフに2回目のクラブオプションを行使。2021年終了後にFAとなります(2022年FA)。
この記事は2020年11月18日に書いたものです。この後、カイル・シュワーバーがノンテンダーFAとなり、ナショナルズに入ったのはご承知のとおりです。
カブスはこのトレードデッドラインで、上記のハビアー・バイエス、クリス・ブライアント、アンソニー・リッゾを出す可能性があり。
次にトレード決定で名前が上がるのは、クリス・ブライアントかもという噂もあります。
ピダーソンはFAで加入したので、外様ではありますが、今後生え抜きの上記の選手たちが相次いで抜けるかもしれません。カブス・ファンにとっては辛すぎる内容ではあります。
様子を見たいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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