鈴木誠也選手も含め、ルーキーが活躍したカブス
現地2022年5月17日にリグレーで行われたパイレーツ@カブス戦はルーキーが目立ったゲームでした。
特にこの日、デビュー戦となった2人をまず見て行きます。
左腕ブランドン・ヒューズがデビュー
まずは左腕のブランドン・ヒューズ。ヒューズは6回1アウトで急遽、ブルペンから呼ばれました。
ちなみにブランドン・ヒューズのデビュー年齡は26才と決して若くないです。そうなったのはマイナーでの最初の2年間を打者として過ごしたため。詳細は後述します。
カブス先発のキーガン・トンプソンが5回までパイレーツ打線を被安打4、スコアレス、奪三振5に抑える好投を見せた後、2番手にはダニエル・ノリスが登板。
そのダニエル・ノリスは直近3試合でようやく本来の力を発揮し始めたのですが、1球目を投げた後に足がおかしい仕草を見せました。そして2球目。ジャック・スウィンスキーを3Bゴロに仕留めた後、明らかに様子がおかしいことからトレーナーなどもマウンドに集まり、足の状態を確認。結局降板という判断となりました。ダニエル・ノリスは右アキレス腱を傷めた模様。おそらく10Day ILに入るのではないかと思われます。
そこで緊急で呼ばれたのが、この日がデビュー戦となったブランドン・ヒューズ。
最初の5アウトが全て三振=MLB史上初
26才のルーキーはとても大きなことをやってのけました。5月17日(火)にトリプルAのアイオワ・カブスからメジャーに上がったブランドン・ヒューズは、さすがにメジャー初登板で緊張したのか、最初のバッターのジョシュ・バンミーターには3球連続でボール。4球目に初ストライクを奪うも5球目のシンカーが外れ、フォアボールで歩かせます。
しかし、ここから大きなことをやってのけます。まず、ブライアン・レイノルズを3球三振に。ウィニングショットはスライダーでした。つづくベン・ギャメルにも勝負が早く、3球で追い込み、最後は80mphのスライダーで三振。トラブルによる緊急事態を最高の形で沈めました。
7回表、左打者のダニエル・ボーゲルバックをスライダーで三振に。同じく左打者の筒香選手もスライダーで三振。つづく、マイケル・チャビスにはチェンジアップが枠を外れ、ボールが先行したことで結果、四球を与えます。
最後は、ロドルフォ・カストロもスライダーで三振を奪い、前のイニングから5つのアウトを全て三振で仕留めました。
デビューして最初の5アウトを全て三振で奪ったのは、近代野球ではブランドン・ヒューズが初めて。
大きなことを成し遂げた26才ルーキー
ブランドン・ヒューズは1995年12月1日生まれ。ドラフトは2017年でカブスの16巡目指名。
最初の2年は打者として
ミシガン大学では打者兼リリーフ投手だったブランドン・ヒューズ。ポジションはLFかCFを守っていました。打席はスイッチ・ヒッティングです。
2017年のドラフト後はクラスAマイナスで打者として出場。打率.248でOPSは.669、HR1。そしてフルシーズンとなった2018年も打者ONLYとして出場。レベルはクラスA。HR4本をマークしたものの、打率は.233、OPSは.610。とにかく三振が多く、375ABで111SO。
この成績があったため、2019年は投手としてルーキー、クラスAマイナス、クラスAのゲームに出場。3つのレベルを合わせて21試合、32.2イニングでERAは3.31。BB9は3.0でしたが、SO9は11.6をマーク。
2020年はマイナーがキャンセルでレコードはなし。
2021年は、ほぼ投手として出場。打者としては2打数0安打。投手ではクラスAプラスとダブルAで登板。42.0イニングでERAは2.14。SO9は12.9。
ERA0.00でメジャーへ
2022年はダブルAでスタート。5試合をスコアレスに抑え、トリプルAに。トリプルAでも5試合をスコアレス。つまり今季はERA0.00でメジャーに上がったのでした。ちなみに今季のマイナーでのSO9は11.9、BB9は1.6と四球の数も減った上での昇格でした。
この日はスタンドに家族も呼び、いいところを見せることが出来ました。
ファストボールは93-95mphというところ。スライダーが80-83mph、チェンジアップ、シンカーと横幅と前後を使う投球。右打者は外のバックドアから枠へ入ってくるスライダー、フロントドアのシンカー、チェンジアップが有効。そして膝下へのスライダーですね。左打者にはもちろん逃げるように遠くなるアウトコースへのスライダーが抜群です。
いいリリーバーが上がって来ました。
クリストファー・モレルもデビュー
この日、もうひとり、デビューとなったのがクリストファー・モレル。
ドミニカ共和国出身で1999年6月24日生まれの22才(現地2022年5月17日時点)。右投げ右打ちの3Bです。
クリストファー・モレルとは?
クリストファー・モレルは2015年にカブスとマイナー契約。プロデビューは2017年、18才の時です。2020年のマイナー・キャンセルの影響は受けました。しかし、2021年はダブルAからスタートし、トリプルAにまで昇格。両レベルを合わせて打率.223、OBP .303、SLG .427、OPS.729。HR18、RBI 66、二塁打18、盗塁18。403ABで134SOを喫しているものの、BB45といういい数字をマーク。
オフにはドミニカ・ウィンター・リーグに参加。
2022年はダブルAでスタート。打率.306、OBP .380、SLG .565、OPS.945という素晴らしい数字を残していました。HRは7、RBIは20、二塁打は5、盗塁3。108ABで30SO。
そしてダブルAからいきなりメジャーへ。
いい雰囲気の中、初ABでHR
野手プロスペクトでごぼう抜きをして上がってきたクリストファー・モレルは、そもそもニック・マドリガルとニコ・ホーナーの2人が10Day ILに入ったことが招集されたきっかけでもありました。
ちなみにこの間のカブスのSSは、元Dバックスのイルデマロ・バルガスが担っております。そしてアンドレルトン・シモンズも控えで入っています。
クリストファー・モレルは8回裏、2アウトからパトリック・ウィズダムの代打として登場。
この時、カブス・ベンチがリードしてスタンドを大いに盛り上げ、ルーキーの初打席を後押し。
モレルはフルカウント後の6球目、甘いコースに来たボールを見逃さす、強振。これがLFスタンドに入るHRとなり、メジャー初打席が初HRとなりました。いい雰囲気を作って上げた先輩達に感謝ですね。
いい素材の選手だと思います。ロスター次第ではまたマイナーへオプションされるかもしれませんが、いいチャンスなのでアピールしてもらいたいですね。
ルーキー、鈴木誠也選手も攻守に活躍
なお、このゲームは鈴木誠也選手が4回表に強肩を披露。
これはダニエル・ボーゲルバックが三塁打で出塁。フェンスのいいところに当たってボールが転がるラッキーな当たりでした。
筒香選手がRFへ犠牲フライを放ったのですが、それを鈴木誠也選手が本塁でアウトにしました。
この後、ウィルソン・コントレラスとダニエル・ボーゲルバックが揉めてベンチクリアーにはなったのですが、大事には至らず。
直後の4回裏、鈴木誠也選手はランナーを2人置いて、左中間へタイムリー二塁打。この日はいい一本を放ちました。
調子を落としていた鈴木誠也選手でしたが、直近7試合ではHRは出ていないものの、打率.261、OBP .320、SLG .391と調子を戻しつつあります!
パイレーツ、守乱でJ.T. ブルベイカーを見殺し
このゲームはスコアだけを見ると、7-0でカブスの圧勝でしたが、そもそもパイレーツ側から見れば、守備の乱れが敗因。4回は先頭のウィルソン・コントレラスの打球をSSのロドルフォ・カストロが悪送球を投げ出塁を許し、さらに直後、三遊間に上がったポップフライをマイケル・チャビスとカストロがお見合いをするというエラー。これは投手はがっくりくるエラーでした。
さらに2アウトからは筒香選手が1塁ゴロをファンブル。
イニングに3つもエラーがあっては投手はかわいそうですね。
以上、色々なことがあったリグレーでのパイレーツ@カブス戦でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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