勝利をもたらす好投
期待の右腕がついにメジャーデビューしました。
現地2020年7月25日、カンザスシティ・ロイヤルズのNO.2プロスペクトで、Pre-2020のトッププロスペクト・ランク59位の右腕、ブレイディー・シンガーがついにメジャーデビューしました!
2018年ロイヤルズ1巡目指名
ブレイディー・シンガーは1996年8月4日生まれの23才。まもなく24才の誕生日を迎えます。
2018年ロイヤルズの1巡目指名、全体順位18位でプロ入り。下記の記事にも書きましたが、フロリダ州立大学時代はオーバーン大学のケイシー・マイズ(デトロイト・タイガース)と大学NO.1を争っていたほどの逸材。
マイナーでの1年間の登板を経て、ついにメジャーデビューです。
ソレアとサルディーが連続HRで援護
デビュー戦となったブレイディー・シンガーをロイヤルズ打線が後押し。マイク・クレビンジャーを相手に、1回表、2アウトから2019年AL HRタイトル(48本)のホルヘ・ソレアーが、まずはLFへ先制のソロHR。
つづく4番に入ったサルディーこと、サルバドール・ペレスもBack to BackのソロHRを左中間深くに放り込み、ロイヤルズ打線がブレイディー・シンガーの緊張をほぐすべく2点をプレゼント。
ロイヤルズが2−0でリードします。
3回に3連打とWPで2失点
立ち上がり2回を四球1つのみで抑えたブレイディー・シンガー。3回裏、下位から2巡目に入るところで、ブラッドリー・ジマー、シーザー・ヘルナンデス、ホゼ・ラミレスに3連打を浴び、1失点。さらに、ワイルド・ピッチでも1点を許し、このイニングで2−2のタイに持ち込まれました。
しかし、その後、4回裏と5回裏を四球1つのみでしのぎ、2-2のタイスコアのままマウンドを降りました。
上々のデビュー戦
ブレイディー・シンガーは5回、80球で、1イニングあたり16球というかなり理想的なペース配分を見せました。被安打3、失点2、自責点2、与四球2、奪三振7と上々の数字でしたね。
ホゼ・ラミレス、フランシスコ・リンドーア、カルロス・サンタナ、フランミス・レイエスと続く怖い中核に対してホゼ・ラミレスの1安打のみで抑えたという度胸も素晴らしいですね。
懐かしいメンバーのリレーで勝利したロイヤルズ
その後、両チームとも無得点が続き、延長10回のタイブレーカーに突入したのですが、ロイヤルズは2番手以降、なかなか良いメンツがリレーしました。
ローゼンタール、復活か?
2番手はイアン・ケネディー。メジャー13年目のベテランで2019シーズンからリリーバー・ロールとなっています。そのケネディーは2イニング(6回、7回)をパーフェクトに抑える好投。
そして3番手に登板したのは、元カージナルスのクローザーのトレバー・ローゼンタール。2019シーズンはナショナルズに所属。トミージョン手術明けだったこともあり調子が上がらず、シーズン・デビューから4試合連続、打者9人と対してアウトが1つも取れず、ERAの計測が出来ないという珍しい事態に陥りました。しかし、今シーズンは初登板のこのゲームを1イニング(8回)をパーフェクト。ファストボールも97.8mphまで戻ってきました。
4番手、9回裏を任されたのはスコット・バーロー。2018年デビューのリリーバーで、被安打1、与四球2とあぶなかったのですが、なんとか無失点に抑えました。
グレッグ・ホランドが復活!
そしてロイヤルズが勝ち越しに成功した直後の延長10回裏、タイブレークでランナー2塁の状況から始まる厳しいシチュエーションでマウンドに上がったのはグレッグ・ホランド。
ロイヤルズがワールドシリーズ・チャンプとなった2015年、シーズン途中の9月18日を最後に、肘痛のためサイドラインに下がった元クローザーです。あれだけ貢献しながら、2015年のポストシーズンに出られませんでした。2015年12月にトミージョン手術。
そのグレッグ・ホランドですが、さすがに緊張したのか、先頭のブラッドリー・ジマーに死球を与え、ノーアウト1・2塁の大ピンチに。これでインディアンスがサヨナラだなと思ったのですが、そこからがすごかったです。
ホランドはシーザー・ヘルナンデスを3球三振。つづくホゼ・ラミレスも空振り三振。そして最後はフランシスコ・リンドーアにフルカウントまで粘られながらも空振り三振に仕留め、ゲームセット。ロイヤルズが3−2で勝利しました。
まさかの三者連続三振でした。これはさすがに震えましたね。
ロイヤルズ、バントを使う
前後しますが、ロイヤルズは延長10回表のタイブレーカーで、先頭打者にバントをさせました。1アウト3塁で、マイケル・フランコが犠牲フライを放ち、1点を勝ち越し。アウトカウントは増やしましたが、高校野球のような塁の進め方で1点をもぎ取りました。
相手投手の緊張などを見る必要がありますが、先頭打者が四球をもらえそうにないとわかった時は、メジャーと言えども先頭打者はバントで三塁に進ませるのが有効な方法だと改めて思いました。
もちろん、バントが失敗するリスクもあるですが。どこかのメディアがタイブレーク導入でバントが消えると書いていましたが、それは違うということがメジャーでも証明されました。
ロイヤルズ、新オーナーの下での1勝、おめでとうございます。そして初勝利はならなかったものの、ブレイディー・シンガーの好投ぶりに拍手を贈りたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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