オーナーが発表
現地2019年9月28日、レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリーが記者会見に臨みました。
ジョン・ヘンリーとはこのようなお顔の人です。
上記のYOUTUBEの埋め込みはこの話題とはまったく別物で、お顔だけを知っていただくためにつけました。
ちなみに動画は、2005年にフェンウェイパークのロイヤルシートのガラスが割れて怪我した裁判で安全対策を問われているものです(2018年6月の裁判)。
前GM職を総括中
記者たちの興味は9月に解任となったデーブ・ドンブロウスキGM(役割が他のクラブで言うGMで、クラブ内のポジションはベースボール・オペレーション社長です)の後任が決まったかどうかというところでしたが、ジョン・ヘンリー氏からは明言はなし。
今現在、総括をしている最中であることだけはわかる内容でした。
ドンブロウスキGMの3年連続のペナント、2018年のワールドシリーズチャンプの実績は評価しつつも、オーナーの求めるフューチャー・プランとは異なった動きになったことが解任の理由であることをあらためて発表した形となりました。オーナー側は向こう5年戦えるクラブというのを希望。
これは筆者の推測ですが、ジョン・ヘンリー氏は記者会見ではこのような曖昧な定義で解任理由を説明していますが、要はプロスペクトの枯渇と30Mの選手が機能しなかったことへの苛立ちと特定してよいのではないでしょうか?
ペイロールプラン(方向性)は決定
総括において現状の把握は不可欠。特にドンブロウスキGMが結んだ契約のチェックはマストですね。その呪文のように仕掛けられた契約年数などの縛りを1つ1つほどきつつも早急にオフのトレードに備えなければなりません。
その準備をする上でも必要なのが方向性。それだけは決まっているようです。
2020年は贅沢税基準額 8M以内へ
その方向性とは2020年のペイロールはカットの方向で行き、具体的には2020年の贅沢税の基準額である$208Mを下回ること。これが命題になってくるようです。
2019年の贅沢税の状況
レッドソックスの予測される今季の贅沢税上のサラリーは約239M。今季の基準額が$206Mなので、約33Mほどオーバーする見通しです。
2019 | 2020 | |
贅沢税 Threshold | $206M | $208M |
贅沢税金額(見込み) – 40人枠の合計 – | $239,201,667 ↑まだ確定ではない (約$239M) +約33Mオーバー | —————- |
超過額によるさらなるペナルティー
- 基準額の超過が$20M-$40Mだった場合:12% 追加
- 基準額を40M以上超えた場合(税率アップ):
- 1年目:42.5%追加
- 翌年に再び$40M超えとなった場合:45%追加
- 基準額を40M以上超えた場合(アマチュア・ドラフトの指名権):
- クラブの一番高い指名順が10個下がる
- もしそのクラブが上位6番目までに指名できる場合は2番めに高い指名順が10個下がる 。(成績の悪かったチームほどドラフトで上位指名できるのでそのチームの指名が全体6位までに入っている場合はそこはプロテクトして、2番めの指名できる順位が10個下がるということ)
贅沢税超過によるレッドソックスの実害
- 税率適用の考え: 1年目の税率 20% 、さらに$40Mを超えているので42.5%追加で計62.5%
- 税額: $40.85M x 62.5% = 約$25.53M (28億円ほど)
- ドラフト:33番目だったものが10番下がる
とくに2019ドラフトは痛かったです。33位が初ピックだったにもかかわらず、これのおかげで10位下がって43位(2巡目)がファースト・ピックとなりました。
主なプレーヤーの契約状況
主なプレーヤーというか、ほぼ40manのリストですが、このような契約状況です。
- ※1 : MLS(メジャーリーグサービスタイム)は2019年1月時点の数字
- ※2: CBT (the Competitive Balance Tax)で贅沢税と同義とお考えください。なお、贅沢税は年平均でフラットで割った金額ですので、実支払額とは異なってきます。
- ※2: 契約上2020年も決まっている選手の贅沢上の金額を出しています。ブランクは2020年の契約が今のところない選手。なお、1年めの選手はひきつづきとお考えください。
Player | MLS @1/19 ※1 | 契約年数 /総額 | 2019CBT ※2 | 2020CBT ※3 |
D・プライス | 9.164 | 7 y/$217M (16-22) | $31M | $31M |
J.D.マルチネス | 7.036 | 5 y/$110M (18-22) | $22M | $22M |
R・ポーセロ | 9.170 | 4 y/$82.5M (16-19) | $20.625M | |
M・ベッツ | 4.070 | 1 y/$20M (19) | $20M | |
N・イオバルディ | 7.013 | 4 y/$68M (19-22) | $17M | $17M |
D・ペドロイア | 12.041 | 8 y/$110M (14-21) | $13.75M | $13.75M |
C・セール | 8.061 | 記事>> (20-24) | $15M | $25.6M |
X・ボガーツ | 5.042 | 1 y/$12M (19) | $12M | |
JBJ | 4.150 | 1 y/$8.55M (19) | $8.5M | |
M・モアランド | 8.067 | 2 y/$13M (18-19) | $6.5M | |
S・ピアース | 9.116 | 1 y/$6.25M (19) | $6.25M | |
E・ロドリゲス | 3.130 | 1 y/$4.3M (19) | $4.3M | |
B・ホルト | 5.052 | 1 y/$3.575M (19) | $3.575M | |
C・バスケス | 4.031 | 3 y/$13.55M (19-21)+ 22 opt | $2.85M | 4.517M |
M・バーンズ | 3.110 | 1 y/$1.6M (19) | $1.6M | |
S・ライト | 4.088 | 1 y/$1.375M (19) | ||
H・ハンブリー | 3.106 | 1 y/$1.3125M (19) | $1.31M | |
B・ワークマン | 4.051 | 1 y/$1.15M (19) | $1.15M | |
B・スワイハート | 2.164 | 1 y/$910,000 (19) | $0.91M | |
A・ベニンテンディ | 2.062 | 1 y/$717,500 (19) | $0.71M | |
R・デバース | 1.070 | 1 y/$614,500 (19) | $0.61M | |
R・ブレイジャー | 1.126 | 1 y/$577,500 (19) | $0.57M | |
B・ジョンソン | 1.043 | 1 y/$575,000 (19) | $0.575M | |
H・ベラスケス | 1.048 | 1 y/$568,500 (19) | $0.568M | |
M・ヘルナンデス | 2.105 | 1 y/$564,000 (19) | 0.564M | |
S・トラビス | 0.119 | 1 yr/$558,500 (19) | 0.558M | |
C・ブルーワー | 0.064 | 1 yr/$557,000 (19) | 0.557M | |
M・チャビス | 0.000 | 1 yr (19) | 0.557M | |
D・ヘルナンデス | 0.000 | 1 yr (19) | 0.557M | |
T・ラーキンス | 0.000 | 1 yr (19) | 0.557M | |
リン・ウェイツー | 0.135 | 1 yr (19) | 0.557M | |
B・ポイナー | 0.077 | 1 yr (19) | 0.557M | |
D・レイエス | 0.000 | 1 yr (19) | 0.557M | |
C・シェパード | 0.000 | 1 yr (19) | 0.557M | |
J・テイラー | 0.000 | 1 yr (19) | 0.557M | |
M・ウォルデン | 0.025 | 1 yr (19) | 0.557M | |
S・レオン | 一旦、3Aへ | $2.475M | ||
E・ヌネス 退団 | 7.090 | 1 yr/$6M (18) +19 plyr opt | ||
T・ソーンバーグ 退団 | 5.057 | 1 yr/$1.75M (19) | ||
P・サンドバル 退団 | $19M – $0.545M fr SF | $18.455M |
ポーセロ、ピアースはもうなさそう
2019年が最後となるリック・ポーセロと1年契約だったスティーブ・ピアースはもう更新がないと思われます。
ポーセロ分で$20Mが浮いたとしても調停資格選手の年俸アップがありますので、この範囲内で調整されることを考えれば、かなりドラスティックにほかの選手にも手を入れないといけなくなります。
J.D.は更新か??
J.D.マルチネスは今季オプトアウトなのですが、それが本当に実行できるでしょうか?打撃のコアのような存在なので、更新すると考えた方がいいかもしれません。
投手は動かせず
デービッド・プライスとクリス・セールは出来ることならなんとか整理したいところでしょうが、契約の縛りでここは手をつけられないと思われます。
ベッツがどうなるか?
そうなるとやはりムーキー・ベッツですね。彼をこのオフ放出して資金枠を空ける決断をするか?
ただ、ベッツは今がピークと見られる可能性もあり、そうなると市場では高い金額での合意は難しくなるかもしれません。
この難題にどう取り組むのか注目です。
最悪なのは2022年まで何もせず待つという選択かと。
お読みいただき、ありがとうございました。
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