レッドソックス期待の大砲
レッドソックス・ファンに9月も野球を見る理由を与えてくれたルーキーのボビー・ダルベック(Bobby Dalbec)。
1Bのミッチ・モアランドがトレードデッドラインでパドレスに移籍したことで、メジャーに上がるチャンスが巡ってきました。8月30日のことです。
そのボビー・ダルベックが持ち前の長打力をいかんなく発揮しています。
開幕10試合で6HR
ボビー・ダルベックはメジャーに上がったその日のナショナルズ戦に8番1Bで先発出場。第2打席で、いきなりHRを放ち、まずはメジャー初ヒットがHR。
その後は4戦連続で無安打が続き、ちょっと心配させましたが、それからがダルベックの本領の発揮でした。
5試合連続HR
メジャー通算6試合目となったブルージェイズ戦で1HRを放ったダルベックはそこから怒涛の5試合連続HRを達成
ボビー・ダルベックのHRログ
ダルベックのHRログです。現地2020年9月11日の通算11試合目までの数字です。
Game | Date | Opp | AB | H | HR | RBI | SO |
1 | Aug 30 | WSN | 4 | 2 | 1 | 2 | 2 |
2 | Aug 31 | ATL | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 |
3 | Sep 2 | ATL | 4 | 0 | 0 | 0 | 2 |
4 | Sep 3 | TOR | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 |
5 | Sep 4 (2) | TOR | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 |
6 | Sep 5 | TOR | 4 | 2 | 1 | 1 | 1 |
7 | Sep 6 | TOR | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 |
8 | Sep 8 (1) | @PHI | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 |
9 | Sep 8 (2) | @PHI | 4 | 2 | 1 | 3 | 2 |
10 | Sep 10 | @TBR | 4 | 1 | 1 | 1 | 3 |
11 | Sep 11 | @TBR | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 |
Total | 20 | 11 | 6 | 10 | 20 |
5試合連続HRをデビュー10試合以内に達成
この5試合連続HRは、色々と条件がつく中でMLB初の記録となりました。
それは近代野球になってからの1900年以降で、5試合連続HRをデビュー10試合以内に達成したのはMLB史上ボビー・ダルベックがただ一人という事実です。
それまではリース・ホスキンスの18試合
それまではフィリーズのリース・ホスキンスが、2017年に達成したデビューから18試合。リース・ホスキンスは14試合目から18試合目の5試合で達成しています。
ちなみにホスキンスはデビューイヤーに50試合で18HRを放っています。
トレバー・ストーリーの場合
またデビュー時のホームラン記録としては、2016年のトレバー・ストーリーが際立っています。
【トレバー・ストーリーの2016デビュー時】
- デビュー1試合目:2HR
- デビュー2試合目:1HR
- デビュー3試合目:1HR
- デビュー4試合目:2HR
- デビュー6試合目:1HR
- デビュー13試合目:1HR
- デビュー20試合目:1HR
- デビュー21試合目:1HR
トレバー・ストーリーの場合、デビューから4試合連続HRを達成。しかも、4試合で6HRです。今回、ダルベックが達成した5試合連続ではありませんでしたが、1試合空けて6試合目に7号HR。そしてデビュー13試合目で8号HR、デビュー21試合で10号HRを放ちました。
トレバー・ストーリーはデビュー・イヤーで27HRを放ちました。これもすごいですね。
ダルベック、NCAAでは二刀流
ボビー・ダルベックは2016年アマチュア・ドラフトのレッドソックス4巡目指名でプロ入り。アリゾナ大学出身で、NCAA(大学リーグ)では3B、1B、リリーフピッチャーを兼任。
投手としては最終学年で先発とリリーフを含め、11勝5敗、ERA2.65を記録。
マイナー通算79HR
プロに入ってからは野手に専念。2016年のドラフト後から2019年までの4年間で、マイナーのすべてのレベルの合算で79HRも放ちました。
2018年はクラスAプラスとダブルAの2つのレベルで32HR、109RBI。2019年はダブルAとトリプルAで27HR。
これだけの逸材がどうしてもっと早くデビューしなかったのか!?
Tos of Strike Out
それは、スラッガーの運命で、ダルベックの場合、”Tos of Strikeout” と呼ばれるほど三振が多いのです。”Tos of Strikeout”は三振が多い選手に対して使うスラングで、1トン、2トンと数えるほどにたくさんの三振をするという意味で、ダルベック固有の愛称ではありません。念の為。
マイナーで32HRを放った2018年は455打数で三振が176。2019年は472打数で139三振。
メジャーに上がってからもこの傾向は続いており、現地2020年9月11日までの出場11試合で、39打数中、三振は20。ほぼ2打席に1度三振を喫しているという具合です。
この個性をどう活かすか?
改善の方向性として三振を減らし、確実性を増やそうとするとおそらくせっかくの個性が無くなり、ついにはHRも出なくなってしまうでしょう。
この素晴らしくダイナミックな個性をどう活かすか?これは現場の腕の見せ所ですね。
ボストンの場合、ファンがきついですからチャンスで打てなかったときに、さらにプレッシャーがかかります。それは本人が苦しむことなので、2021年以降、ファンがスタンドに現れたときに特にチャンスに何かしらの抵抗を試みれるようにしておきたいところですね。
ボビー・ダルベック、非常に楽しみです。
なお、ポジションは今後も1B、もしくはDHということになりそうです。少なくとも2020年の残りはそれで行くでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
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