ツインズとのダブルヘッダーに連勝
ドジャースとパドレスの対戦が大いに注目されている今季の西地区。ナ・リーグに注目が行きがちですが、実はとても素晴らしい野球をしているクラブがあります。それがア・リーグ西地区のオークランド・アスレチックスです。
現地2021年4月20日、オークランド・コロシアム(Oakland Coliseum)で行われたツインズとのダブルヘッダーでは、Game1に7-0で勝利して9連勝、そしてGame2でもなんと1−0という渋い勝ち方で勝利。ダブルヘッダーをともにシャットアウトで連勝し、ついに10連勝を達成しました。
ヘスス・ルザルドが好投
Game2では先発のヘスス・ルザルドがツインズ打線を5.1イニングで被安打2のスコアレス投球でねじ伏せました。その後を継いだルー・トリビーノ、クローザーを任されているジェイク・ディークマンもナイスリレー。4回にセス・ブラウンのタイムリーで上げた1点を守りきりました。実にしぶい勝ち方です。
照明トラブルも乗り越え
なおGame2では5回表のツインズの攻撃中にLFの照明がつかないという施設トラブルが発生。ゲームは25分間中断しました。ヘスス・ルザルドはその難しい状況の中、ブルペンで調整しコンディションを維持。残り2アウトを三振、フライアウトで乗り越えました。
戦力ダウン、クローザー不在も大健闘
アスレチックスの今季の戦力ダウンぶりは下記の移籍のまとめをご覧になっていただければ一目瞭然です。エルビス・アンドラスは入りましたが、クリス・デービスが抜け、そしてマーカス・セミエンも、トミー・ラステラも抜けました。
T・ローゼンタールはシーズン後半に復帰
そして苦心して資金繰りをして獲得したクローザーのトレバー・ローゼンタールがシーズン開幕前に右肩を故障。編成のプランが大崩れになるほどのショッキングな出来事となりました。
トレバー・ローゼンタールのその後ですが、現地2021年4月8日(木)に手術を行いました。これにより復帰のタイムテーブルも明らかとなり、8週間の離脱へ。2ヶ月ということですが、その後、リハビリ調整もありますから、復帰にはやはり3ヶ月と見た方がよく、早ければ8月、遅くともシーズン終盤には間に合うことがわかりました。なんとか投げられる目安がついただけでも朗報ですね。
開幕6連敗
そのような状況でしたから、シーズンインは最悪の状態に。またよりによって、開幕カードはアストロズと4連戦、その後はドジャースとの3連戦と相手にも恵まれませんでした。
アスレチックスの成績
開幕から現地2021年4月20日までの戦績はご覧の通り。開幕から泥沼の6連敗。
- 4/1 vs HOU 1-8(負け)
- 4/2 vs HOU 5-9 (負け)
- 4/3 vs HOU 1-9 (負け)
- 4/4 vs HOU 2-9 (負け)
- 4/5 vs LAD 3-10 (負け)
- 4/6 vs LAD 1-5 (負け)
- 4/7 vs LAD 4-3 (サヨナラ勝利)
- 4/8 @ HOU 2-6 (負け)
- 4/9 @ HOU 6-2 (勝利)
- 4/10 @ HOU 7-3 (勝利)
- 4/12 @ ARI 9-5 (勝利)
- 4/13 @ ARI 7-5 (勝利)
- 4/15 vs DET 8-4 (勝利)
- 4/16 vs DET 3-0 (勝利)
- 4/17 vs DET 7-0 (勝利)
- 4/18 vs DET 3-2 (サヨナラ勝利)
- 4/20 vs MIN 7-0 (勝利)ダブルヘッダー
- 4/20 vs MIN 1-0 (勝利)ダブルヘッダー
ドジャース戦で1度サヨナラ勝利し、今季初勝利を上げた翌日も敗戦と現地4月8日まではどうなることか、先が見えない状態でした。
しかし、そのドジャース戦でのサヨナラ勝利で自信を深めたのか、4月9日以降は破竹の10連勝となっています。
首位へ
この10連勝で11勝7敗としたアスレチックスは、同じく今季、好調のマリナーズと勝利数で並び、道立首位にまで上がってきました。
効率的な勝利
この急遽強くなった好調の要因はなにか?を探りましたが、ゲームの流れをことごとく抑えるがごとく、適時打、ここというときのディフェンスが良いというしか言えません。
チーム打率23位
ここからの数字は現地2021年4月20日までの成績です。
アスレチックスは目立つ指標ではとにかく低いのです。例えば、チーム打率は.215で両リーグ通じて23位。HR数は22本で8位に入っているものの、チームOPSも.700で13位と上位どころか低い部類に入ります。
チームERA 20位
ではピッチングがいいのかと言えば、チームERAは4.44で20位。
これらは得失点差にも現れていて、77得点に対して失点は80で、その差は-3。ア・リーグの得点トップはレッドソックスの100で、ワーストはタイガースの55。
ア・リーグで最少失点はシェーン・ビーバーのいるインディアンスで60。最多失点はレイズの89。すべて中間より下というランキング。
唯一のNO.1は盗塁
ただ、わかりやすい指標でどこにも負けていないのが盗塁(Stolen Bases)です。盗塁16はパドレスと並んでMLB1位。パドレスの場合は盗塁死が6もあるのに対して、アスレチックスはたったの2しかありません。足を使った攻撃でスモールベースボールを展開しているとも言えます。
マット・オルソンが牽引
上記のように投打に特別素晴らしい数字がなく、唯一輝いているのが盗塁という状況ですが、ここまで走塁の意識が高いと、指標に現れにくい得点を呼ぶ走塁も多く実施していることがわかります。
とは言え、誰かが打たないと、点は入りませんが、非常に頑張っているのがマット・オルソン。アスレチックスの長距離砲は、HRがすでに4本。三振も多い選手だったのですが、今季はまだ11個。確率性が上がり、打率は.288。
ラウリー、カナも
そして今季アスレチックスに復帰したジェド・ラウリーが頑張っています。マット・オルソンより5打数多い中、打率は.316。
また、マーク・カナも打率.250と頑張っています。
打線はここというときにしっかりと仕事をしていると言っていいと思います。それは投手も同じで、開幕6連敗時のERAが数字を悪化させているのですが、20日のダブルヘッダー、シャットアウト・スイープのように投手力も上がってきています。
Game3は前田投手
10連勝のアスレチックスですが、現地2021年4月21日のGame3は前田投手と対戦。この試合でも勝つことができるでしょうか?楽しみですね。
アスレチックス、やはり進化していましたね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント