アスレチックス、アストロズに大勝してしまう!
現地2021年9月24日、もう息も絶え絶えで、このまま崩れるかと思われたアスレチックスがアストロズに大勝しました!これには勝負に対して真摯なスポーツマン精神を感じました。
アスレチックスは、現地9月19日の大谷選手の登板日に延長10回で3−2で勝利。この日の打者大谷への四球は申告敬遠も含めて2つでした。キーマンを封じ、負けられない戦いを制したアスレチックス。スケジュールはわずかな確率ながら、地区優勝の可能性も示唆していました。
現地2021年9月19日終了時点でアスレチックスの残りカードは、マリナーズ→アストロズ→マリナーズ→アストロズと2回ずつ計12試合だったのです。
がっかりだったマリナーズ戦4連敗
ところがです。重要カードと目されていたマリナーズとの4連戦は、4ゲームともに素晴らしい戦いぶりを見せながらも、よもやの4連敗!
HOUとの直接対決は叶わず
これにより、マリナーズに2位の座を明け渡すこととなり(現地9月22日)、せっかくのアストロズとの対戦も1位、3位の戦いとなり、直接対決とはならず。
そして9月23日終了時点では、アスレチックスの地区優勝へのエリミネーション・ナンバーは「1」に。
もともと地区優勝は相当高いハードルではありました。1度目の直接対決で最低でも6ゲーム差で迎え、尚且つ6つすべてに勝つこと。そして直接対決以外の負けゲームはアストロズも負けているなど、他力の要素が必要でした。
このエリミネーション・ナンバー「1」はそれよりもさらに強い他力の要素が発動しない限り、あり得ないものに。
残すところはワイルドカード2枠目の争い。ただ、これも他力の要素が発動しないと扉をこじ開けるのは難しい状況。
しかし、アスレチックスはその名の通り、スポーツマンらしい戦いぶりを発揮しました。
モンタスが200K!
まず、この日素晴らしかったのは先発のフランキー・モンタス。
ただ、立ち上がりはマット・チャップマンのスローイング・エラー、アレックス・ブレグマンへのデッドボールとバタバタし、犠牲フライで先制点を献上するなど、雲行きは怪しかったです。3回表にはホセ・アルトゥーベに30号HRを浴び、2失点。
しかし、4回から6回までは無失点。7回にはスコアリング・ポジションまで進められるも、粘りを見せて無失点。結局、フランキー・モンタスは7回を被安打2、失点2、与四球3、奪三振8をマーク。シーズン200奪三振のキャリアハイを達成しました。またこの日でシーズン181.0イニング。200イニング達成はちょっと難しそうですが、一目置かれる仕事ぶりですね。
ザック・グレインキが登板回避
アストロズですが、先発予定のザック・グレインキが首痛のため急遽、登板を回避。10 Day ILに入りました。先発はブランドン・ビーラック(Brandon Bielak) で、1、2回は無失点に抑えたものの、3回にスターリン・マルテなどからタイムリーを浴び、3失点。
チャド・ピンダーがグランドスラム
ゲームは3−2とアスレチックスが1点をリード。迎えた7回裏、アスレチックスの打線が爆発。2本のシングルと四球で満塁とした後、スターリン・マルテが2点タイムリーダブルを放ち、5-2に。
さらに四球で満塁のチャンスを作ったあと、代打のチャド・ピンダーがグランドスラム。アスレチックスはこれで9-2とリード。
チャド・ピンダーは今季、代打で11-6。打率は、.545に!
アスレチックスは8回裏にも打線がつながり、5得点。結局、14-2でアストロズに大勝しました。
ALワイルドカード争い
現地2021年9月24日を終えた時点でのア・リーグのワイルドカード争いはご覧の通り。
- レッドソックス: 88-66
- ヤンキース: 87-67
- マリナーズ:85-69 (WL枠までゲーム差 2.0)
- ブルージェイズ:85-69 (WL枠までゲーム差2.0)
- アスレチックス: 83-71 (WL枠までゲーム差4.0)
ブルージェイズが3連敗で、マリナーズが6連勝。マリナーズが3位につけました。アスレチックスは自軍が勝ち、尚且つヤンキース、マリナーズ、ブルージェイズが同日に敗戦するようなことが2連続で続けば面白い状況になりますが、この辺が他力の発動を必要とする要素です。
追記1:A’s、連勝!
現地2021年9月25日、アスレチックスはショーン・マナエアが7回1失点と好投。アストロズはフランバー・バルデスが先発で、こちらも実力通りに6.2イニングで被安打3、失点1と好投。
1-1のタイスコアで迎えた9回裏、アスレチックスはシングルで出たエルビス・アンドラスをスターリン・マルテのタイムリー2塁打で還し、2-1とサヨナラ勝ち!アストロズに連勝となりました。
ただ、サヨナラでホームを踏んだエルビス・アンドラスが左足を傷めました。詳細はまだ不明です。
現地2021年9月25日を終えた時点でのALWCの状況。
- 1. レッドソックス: 88-67
- 1. ヤンキース: 88-67
- 3. ブルージェイズ:85-69 (WL枠までゲーム差2.0)
- 4. マリナーズ:85-69 (WL枠までゲーム差 3.0)
- 5. アスレチックス: 83-71 (WL枠までゲーム差 4.0)
レッドソックスがヤンキースに連敗したため、WC1枠目が並びました。また、ブルージェイズが勝利し、マリナーズが敗れたため、再びブルージェイズが3枠目に。マリナーズとアスレチックス間は1.0ゲーム縮まりましたが、2枠目までのゲーム差は3.0と前日と変わらず。
追記2:地区優勝からエリミネート
現地2021年9月26日のアストロズとのGame3に4-3でサヨナラ勝利を納めたアスレチックス。なんとアストロズをスイープしました。
しかし!現地2021年9月27日から行われたマリナーズとの決戦シリーズ、このシリーズはまさにエリミネーション・シリーズで、敗れるとALWC争いから敗退。
そのGame1でアスレチックスは途中までリードしていたものの、後半にブルペンが打ち込まれて4-13と大敗。これにより、アスレチックスは、まずは地区優勝から数字上も敗退することになりました。残るはワイルドカード枠2位へ入れるかどうか。かなり高いハードルですが、これを決する残り2戦ということになりそうです。
現地2021年9月27日を終えた時点でのALWCの状況。
- 1. ヤンキース: 89-67
- 2. レッドソックス: 88-68
- 3. ブルージェイズ:87-69 (WL枠までゲーム差1.0)
- 4. マリナーズ:87-70 (WL枠までゲーム差 1.0)
- 5. アスレチックス: 85-72 (WL枠までゲーム差 3.5)
追記3:A’s、終焉
ここまで盛り上げてくれたアスレチックスですが、現地2021年9月29日、3ゲームシリーズのGame3で2-4で惜敗。非常に可能性を孕んだスケジュールだったのですが、結局、マリナーズに4連敗、アストロズに3連勝、マリナーズに3連敗と、マリナーズ戦は打撃で押し切られ、2度ともスイープされる結果に。これで、残念ながらアスレチックスはワイルドカード争いからも敗退。今季のポストシーズン進出はなりませんでした。
思えば、資金をかき集めるようにして獲得したFAのトレバー・ローゼンタールを怪我で投入できず、苦戦する要素が頻発する中、よくぞここまで勝ち残ったと思います。称賛の拍手を贈りたいです。
お疲れ様でした!とりあえず、ビリー・ビーンをメッツに奪われないようにしてもらわないといけませんね。
PSを賭けた争いに煽りをくらう大谷選手
さて、エンゼルスは20日からアストロズ4連戦をこなし、24日からマリナーズとの3連戦。28日からレンジャーズとの3連戦がつづき、最終カードがマリナーズとの3連戦。
19日のアスレチックス戦から大谷選手への四球攻めが加速しているわけですが、首位のアストロズはエンゼルスとの4連戦に勝っておかないと、アスレチックスがマリナーズに4連勝してしまうと危なかったため、どうしても得点力のある大谷選手との勝負を避けたかったというところでしょう。
また、マリナーズもワイルドカード枠がかかっているため、負けるわけには行かない状況から、大谷選手との対戦を大きなリスクと考え、枠の外近辺のボールを多投しています。
この辺はメジャー・リーグと言えども、かなり内向きになるケースですね。近隣のクラブ同士の戦いが盛り上がるということから、シーズン後半に同地区とのゲームが組まれるケースが多いですが、そのスケジュールだとこのようなことも起こりうるわけですね。
もっとも、下記の記事にも書かせていただきましたが、トラウトとレンドンのいないエンゼルスには大谷選手への集中を分散する力がないのがとにかく残念なところ。一層のこと、ゲームへの取り組み方が変わったジョー・アデルを大谷選手の後ろに!とも思いますが、ジョー・アデルは腹斜筋を傷め、今季はもう出ないかもしれません。
レンジャーズとの3連戦以外は失投の機会もなく、きわどいボールしか来ない状況が続きそうです。
しかし、今季は幾度となく、厳しい状況をクリアーしてきた大谷選手に、今の風向きが変わる時がくるかもしれません。とにかく、最後まで怪我なく。
お読みいただき、ありがとうございました。
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