終わってみればアストロズの圧勝
現地2021年10月12日、雨で1日流れたアストロズ@ホワイトソックスのALDS Game4。Game3では、序盤の劣勢を中盤に一気にひっくり返し、息を吹き返したホワイトソックスでしたが、このゲームでは、成熟期と成長期のチームの違いが出たような戦いぶりとなりました。
キューバ対決だったこのシリーズ
さて、蛇足ではありますが、このシリーズは実にキューバ出身の選手が多いシリーズでもありました。
ホワイトソックスは、ヨアン・モンカダ、ルイス・ロバート、ヤズマニ・グランダール、ホセ・アブレイユがそうです。アストロズは、ヨルダン・アルバレス、ユリ・グリエル、アレドミス・ディアスがそう。
ちなみに、アストロズのアルトゥーベはベネズエラ、カルロス・コレアはプエルトリコ、フランバー・バルデス、クリスチャン・ハビエルはドミニカ共和国。
ホワイトソックスのレウリー・ガルシア、エロイ・ヒメネスはドミニカ共和国です。
ゲームの流れ
ホワイトソックスの先発はカルロス・ロドン。シーズン後半からさらにボールの勢いが増し、ホワイトソックスとしてはどうしても勝っておきたい一戦。
一方のアストロズはここでGame1に先発したランス・マッカラーズ・Jr.を起用。勝負をかけてきましたね。借りに敗れたとしても、こちらもショート・レストにはなるものの、フランバー・バルデスがいますから、保険もかかっているという状態でもありました。
- 2回裏【CHICAGO】1-0
ルーキーのギャビン・シーツ(2017ドラウト2巡目)が先制のソロHR
この時、アストロズのルーキーでCFのジェイク・マイヤーズが左肩をフェンスに強打し、負傷して退場しました。代わりにはチャズ・マコーミック。
- 3回表【HOUSTON】2-1
カルロス・ロドンが3つの四死球。2アウトフルベースで、カルロス・コレアが2点タイムリー・ダブルで逆転。
ホワイトソックスのマウンドはマイケル・コペックに。
アストロズはさらにチャンスを広げるも、併殺打で2点どまり。
- 4回表【HOUSTON】5-1
先頭のカイル・タッカーがシングルで出塁。しかも、2盗、3盗。
1アウト後、当たっていないマルドナードがコペックから目の覚めるようなCF前クリーンヒットを放ち、まず1得点(3-1)。
アルトゥーベがシングルを放った後、ホワイトソックスのマウンドにはギャレット・クロシェ。ブレントリーが倒れた後、ブレグマンが2点タイムリーダブル(5-1)。
- 6回表【HOUSTON】6-1
シングルで出たマコーミックをマルドナードがバントで送り、チャンスメイク。アルトゥーベが倒れた後、ホワイトソックスはアーロン・バマーにスイッチ。
しかし、マイケル・ブラントリーがタイムリー・シングルを放ち、アストロズが追加点(6-1)。
- 8回表【HOUSTON】7-1
マウンドにはキンブレル。エラーで2塁へ進塁したアルトゥーベは、ワイルドピッチで3塁に進塁。またしてもマイケル・ブラントリーがタイムリーで還し、リードが拡大(7-1)。
- 9回表【HOUSTON】10-1
マウンドにはリアム・ヘンドリクス。タッカー、マコーミックを類に置いて、アルトゥーベが甘いファストボールをフルスイング。3ランHRとなり、アストロズがついに二桁得点。
最後はプレスリーが締め、10-1のスコアで勝利。アストロズがALCSへと駒を進めました。
ホワイトソックス、若さが出る
Game4で登板したホワイトソックスの投手陣は綺羅星のようにキラキラ光った素晴らしい投手ばかり。名前だけを見ると、黄金リレーです。ところが点差は開く一方でした。
それこそ、プレーオフ前は、メンバーから見てホワイトソックスをWSチャンプに置きたくなるような選手ばかりでした。
ところが、2年連続でポストシーズンの最初のシリーズで敗退。1勝したと言っても、自力で勝ったというよりは、アストロズが投手リレーのタイミングを誤ってしまった要素が大きかったように思います。
粘りが出ず
このシリーズは、先発が総崩れしたと言っても過言ではありません。ランス・リンが3.2イニングで自責点が5、ルーカス・ジオリトは4.1イニングで自責点は4、ディラン・シーズは1.2イニングで自責点が3、カルロス・ロドンが2.2イニングで自責点が2。
もう少し投げさせてもと思うシーンは何度もあったものの、Game4が象徴的で、打線に粘りがありませんでした。
このあっさりと負けた経験を活かせるかどうか。この経験値はいきれば、2022年はいよいよ手がつけられなくなるかもしれませんね。
また、ライアン・テペラがアストロズがまたイカサマをしているという余計なことを言ったのも、コテンパンにやられた要因になってしまいました。今このときの相手の力を可能な限り、正確に見抜けるかどうかも勝負士には必要なことかと思います。
アストロズ、静かにALCSへ
オールスターには全選手欠場、敵地に行っては「Cheater」と罵られたアストロズは地区優勝時はとても静かでした。この日もグランドでは静か。クラブハウスではシャンパンファイトを行いましたが、とにかく雑音に耐え忍んで「勝つこと」にこだわり続けたアストロズ。
やはり相当強いです。5年連続でALCSに出場。チームは今、成熟期です。アルトゥーベ、コレア、ブレグマンに加えて、ブラントリー(2017はCLE)、ヨルダン・アルバレス、カイル・タッカーと世代がきれいにずれて揃っています。投手もマッカラーズ・Jr.、フランバー・バルデス、そしてベテランのザック・グレインキ、今はトミー・ジョンリハビリ中のジャスティン・バーランダーと先発が充実。
ブルペンもシーズン途中に移籍してきたケンダール・グレイブマンの存在が大きく、クローザーのライアン・プレスリーの負担を軽減させています。中盤にはクリスチャン・ハビエルもいますし、層が厚いです。
BOSTONとのALCS
そして2018年の再現となったレッドソックスとのALCSは非常に見応えがありますね。一部のファンしか見ない対決かもしれませんが、これはかなり面白い対戦となりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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