今オフFAの注目先発Pはアストロズへ
今オフのFAマーケットで当初から注目されていた先発右腕のジェイク・オドリッジ(Jake Odorizzi)のディールがなかなか決まりませんでしたが、現地2021年3月6日、ついに決定。ヒューストン・アストロズに決まりました。
現時点ではまだ速報ベースでオフィシャルの情報ではありませんが、フィジカルチェックを経て公式発表となる予定です。
契約内容
契約内容もまだはっきりとはしていませんが、以下の条件で合意に至った模様です。
- 2年(2021-22) + 2023 プレーヤー・オプション
Right-hander Jake Odorizzi and the Houston Astros are in agreement on a two-year deal with a player option, a source familiar with the deal tells ESPN. The last big free agent is off the board.
— Jeff Passan (@JeffPassan) March 6, 2021
追記:契約内容が判明しました。
現地2021年3月8日、ジェイク・オドリッジとアストロズは正式契約となり、その内容が明らかになりました。
求めていた額とは違い、やはりグンと下がっていましたね。その代わり、ボーナスが非常にいいです。
- 2年/$20.25M (2021-22) + 2023年 $6.5M プレーヤーオプション($3.25M バイアウト)
【内訳】
- $6M サイニング・ボーナス
- 支払い:2021:$6M、2022:$5M
- 2021-22のパフォーマンス次第で、2023年のオプションが最大 $12.5Mまでアップ。また、バイアウトなった場合の金額は $6.25Mに
- 2022 パフォーマンス・ボーナス(これが2023年に反映)
- 100 IPで$0.5M
- 110、120、 130、 140、 150 IP でそれぞれ$1Mプラス、160 IPで$1.25Mプラス
- 金額の一部は繰延払に
強気で待っていたオドリッジ
おそらく金額の大筋は合意出来ているはずですが、期間とプレーヤーオプションが決定した時点で速報が出たというところでしょう。
ちなみに彼が求めていたのは3年/ $45M。
契約終了の翌年の更新を選手側が選択できるプレーヤーオプションが出たのは驚きですね。これはなかなか得られる条件ではありません。アストロズとしては年俸の交渉に使ったのでしょうか?公式発表までお待ちいただければと思います。
2019年15勝
ジェイク・オドリッジが今オフ、なかなかディールが決まらなかった原因でもあるのですが、どうも強気で交渉していたようですね。
強気ででていた根拠は2019年に30スタートで15勝7敗、ERA 3.51という安定感を誇ったところ。また、それだけではなく、2014年から2019年まで6年連続でローテーションをほぼ回してきたところかと思います。
2014−19で62勝
そして同期間は182試合、991.2 IPを投げ、62勝53敗、勝率.539、奪三振が957、ERAは 3.88。HR9は1.2、BB9は3.1、SO9は8.7。投球回数の平均は165.0と結果を出しました。
2020シーズンは不本意な成績に
また、これもディールがなかなか決まらなかった要因ですが、2020シーズンの出来が本人にとっても不本意なものだったことです。
4先発、13.2イニングで0勝1敗、ERA 6.59。奪三振は12、BB は3。
この成績が足を引っ張り、本人の思惑とは逆にマーケットの評価が下がりました。やはりFAで良い条件でサインしようとするとなら、オフにFAイヤーとなるそのシーズンによい成績を出さないと往々にして評価が下がってしまう傾向があります。
オフにFAとなるそのシーズンにサイヤング賞を獲得したトレバー・バウアーはその逆で、とても良い評価を下してもらえた好例。
これはこれでハロー効果がむしろ真実を見逃すことにもつながることにもなりかねないのですが、頑張った分は評価というという点ではその傾向はまだ続きそうです。
カムバッカーの直撃
ジェイク・オドリッジが不調だった要因の一つが、2020年8月21日に行われたロイヤルズ戦で、アレックス・ゴードンの放ったイグジット・ベロシティーが103.2 mph をマークしたカムバッカーが胸を直撃し、10DayILに入ったことが一つ挙げられます。
この影響により復帰したのは9月16日。いかにも内蔵に負担がかかりそうな当たり方でした。
中指のマメ
そしてもう一つが右手中指のマメが潰れたこと。復帰した9月16日のツインズ戦で4回途中でマメが潰れ、そのままゲームを後にしました。
それらの要因が重なり、2020年は結果が出ず。本人とすれば、ともに事故のようなものなので、そこで評価を下げられても困るという思いはあるかもしれませんね。
そして2020年はポストシーズンには登板せず。ツインズはALWCシリーズでアストロズに2連敗して敗退しました。
アストロズはF・バルデスが中指骨折
今回、アストロズがジェイク・オドリッジを獲得するに至った大きな要因は、フランバー・バルデスが現地3日に行われたグレープフルーツリーグのメッツ戦で、フランシスコ・リンドーアのピッチャーへのゴロのカムバッカーをグラブで受け損ね、投球の左手中指を骨折したこと。
積極的な獲得理由でなかったことは本人としては納得できないかもしれませんね。
2020年のポストシーズンでマジカルな投球術を披露し、レイズ打線をも翻弄したバルデスは、バーランダー不在のアストロズの先発ローテーションではザック・グレインキとともにキーマンだったので、この離脱は大きいです。やはりその穴をカバーするほどの大物ほ補強が不可欠でした。
アストロズのローテーション
ジャスティン・バーランダー(トミージョン手術でリハビリ中)、フランバー・バルデス不在のアストロズのローテーションは以下の面々です。
- ザック・グレインキ
- ホセ・ウルキディー
- ランス・マッカラーズ・ジュニア
- クリスチャン・ハビエル
- ジェイク・オドリッジ
あとはルイス・ガルシア、ブランドン・ビーラックらがその候補に。すべて右腕です。
ジェイク・オドリッジに対する期待は大きいです。
ジェイク・オドリッジとは
最後に簡単にジェイク・オドリッジのプロフィールを。1990年3月27日生まれの30才(現地2021年3月6日時点)。シーズン開始直前に31才になります。
2008年ブルワーズ1巡目指名(全体32位)でプロ入り。
2010年、ブルワーズがザック・グレインキらを獲得したトレードで、ロレンゾ・ケイン、アルシデス・エスコバー、ジェレミー・ジェフレスらとともにロイヤルズへトレード。このトレードはすごいトレードでしたね。
デビューは2012年、ロイヤルズに所属しているシーズンです。
2012年12月、ロイヤルズがウェイド・デービス、ジェームズ・シールズを獲得したトレードで、マイク・モンゴメリー、ウィル・メイヤーズらとともにレイズへ移籍。
レイズには2013シーズンから2017シーズンまで在籍。キャリア前半はレイズで過ごしました。
2018年2月にツインズにトレード。交換要員はマイナーの選手でした。これはレイズの年俸抑制目的によるトレードでした。
2019年10月にFAとなりますが、QOをオファーされたジェイク・オドリッジは受諾。ツインズに残りました。
そして今オフ、再び、FAとなっていました。
ジェイク・オドリッジは2シーマーです。そう呼ぶには球種が豊富なのですが、ファストボールの基本はツーシームです。持ち球はツーシーム、4シームに加え、スライダー、カーブ、カットボールそしてスプリットです。
メジャー9シーズンで通算62勝56敗、ERA 3.92,1042.1イニング、奪三振は995。
お読みいただき、ありがとうございました。
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