ラモン・ロレアーノがPeds使用で80試合のサスペンション
ちょっと残念なニュースが入ってきました。現地2021年8月6日、アスレチックスのCFで、名手でもあり打線でもその存在感を発揮しているラモン・ロレアーノ(Ramón Laureano)がPEDS(Performance Enhancing Drugs)使用で80試合のサスペンション(出場停止)となりました。
サスペンションの効力は即日で、この間、サラリーはストップです。
ナンドロロン (Nandrolone) の使用
アスレチックスのラモン・ロレアーノがテスト・ポジティブに反応したのは、ナンドロロン (Nandrolone) という物質で、アナボリック・ステロイド(anabolic steroid)の一種。アナボリック・ステロイドはいわゆる筋肉増強剤で、タンパク質を摂取すると、それをより筋肉に変えるよう働きかける物質。
本来であれば、骨粗鬆症の患者の骨密度を上げる目的などで使用されるものだが、その性質上、長年スポーツ界で使用されてきたドーピング界では有名な物質。
副作用は肝障害ほかを引き起こすと言われています。ナンドロロンはまだ副作用が少ないとは言われていますが、それゆえにかえってスポーツ界では使用されてきたという経緯が。毎年、HOFの投票で殿堂に入れるべきかどうかで物議をかもすロジャー・クレメンスやバリー・ボンズも陽性反応が出たのはこの物質。
この物質の使用はMLBのドラッグ使用プログラム違反となります。
2021年のラモン・ロレアーノ
今季のラモン・ロレアーノは、ここまで88試合に出場し、341-84、打率.246、OBP .317、SLG .443、OPS .760。HRは14、二塁打は21、RBIは39、RUNは43。OPS+は112。
主にCFで出場。DHは5試合、代打は1試合。出場88試合中、87試合が先発で、アスレチックスのゲームプランにおいては、出場して当たり前、彼の出場を前提にプランを組んでいたような存在。
そんなラモン・ロレアーノが今季の残り約2ヶ月、試合数にして53試合、加えてポストシーズン(出出場したなら)、さらに来季の序盤にかけてサスペンションとなるのは非常に痛いところ。
現地2021年8月6日時点でALウェストで首位アストロズに3ゲーム差で食らいついている中、痛すぎる戦力ダウンかと思われましたが、ここでトレード・デッドラインのディールが輝かしく活きてきました。
TDLでスターリン・マルテを補強したという奇跡
アスレチックスはトレード・デッドラインで、マイアミからスターリン・マルテを獲得していたのでした。
- スターリン・マルテ/OF
- 【マーリンズ】ヘスス・ルザルド/LHP
TDLの中でもっとも良かったディール
なお、筆者はアスレチックス&マーリンズ間のこのディールは今トレードデッドラインの中で最も素晴らしいディールだったと思っています。
アスレチックスは確かにヘスス・ルザルドという将来性豊かな投手を放出しました。ヘスス・ルザルドは今季、ベロシティーもアップし、アベレージで94mphをガンガン投げ、MAXはhigh-90mph。もう少し微妙なコントロールがつけば、投球の精度が上がるのに!という完成まであとわずかという投手。
今季はビデオゲームで悔しがり、机を叩いて利き手の左手小指を骨折するというワーストに位置するぐらいのひどい理由の怪我をしましたが、いい投手には違いありません。アスレチックスはよく手放したなというくらいの投手。
数字も伴うマルテ
アスレチックスのOFはマーク・カナ、スティーブン・ピスコッティ、ラモン・ロレアーノとそれなりの数字を残してはいるものの、今ひとつパンチが欲しいところでもありました。
そこに、今季打率.306、OBP .407、SLG .453、OPS.859、OPS+135(成績はマイアミ在籍時のトータル)のスターリン・マルテが加わることでインパクトを加えることができる。そんなトレードでした。
しかし、ここにきてこのようなトラブルがあったのですから、よくスターリン・マルテを獲得していたなというまさに奇跡的な補強とも言えます。
そんなマルテは、一発こそ今季8本と少ないものの、盗塁はウィット・メリフィールドに次ぐ、MLB2位の27(現地2021年8月6日時点)。
補強効果がない訳がないですね(=大いにあり)。
そんなマルテは現地2021年8月6日のレンジャーズ戦で延長11回裏にサヨナラ3ランHRを放ちました。
It's a #walkoff Marte Partay! https://t.co/127HxcGz7Y pic.twitter.com/OMU06PHGjr
— MLB (@MLB) August 7, 2021
アスレチックス、首位アストロズにこのままくらいついていきたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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