ライトニングが予定を乱す
現地2021年6月30日は、大谷選手の今季12度めの先発日。前日の2HRを含め直近3試合で4HRと大きな存在感を見せていただけにこの日の先発はさらなる期待感を呼び込みました。
1番Pで先発
この日、大谷選手はセンセーショナルな1番ピッチャーでの出場。エンゼルスはDHを放棄して戦うことに。
マッドン監督ならニューヨークでの開催試合で大注目のヤンキース戦で「どや!」という起用を見せるだろうなと思ったところ、やはりそうしてきました。
ただ、あまりにも個人が引き立つことをすると、心配なのがヤンキースに火がつくということと大谷選手に無意識裏に無理をさせることになるのではということを思っておりました。だから、むしろP専任である方が良いなと思っておりました。十分に目立っていますから。
1回7失点
エンゼルスは非常に良い流れで大谷選手をマウンドに送り出しました。1回表、まさかのフィル・ゴセリンの2ランHRで2点を先制。前日に大敗していたゆえに、打撃陣も気合十分というところだったでしょうか。
しかし、マウンドに上がった大谷選手はこの日は四球を連発。ただ、後で見返して見ると、たしかにルメイヒュー、ボイトにははっきりしたボール球もあったとは言え、ここのところ好調な具合の投球で、Mid-90mphでいいボールは行っていたと思います。よってなぜ四球を連発したのかややわからないところもあります。
確かに2球ほどストライク判定でも
大谷選手は初回、1番から3番を連続四球で満塁にした訳ですが、ルーク・ボイトへの3球目のアウトコースのスライダー、ゲイリー・サンチェスへの初球のインコースへの4シームでカート・スズキが受け損なったボールはストライク判定でもよかったと思いました。まあ、スズキが横に弾いたゆえにボールと取られても仕方ない面もありました。
インコースに何度か抜けた訳ですが、この3人への19球のうち、カウント的にはストライクが7球だったのですが、あと3球ほどストライクが決まって、過半数がストライクであればこの日の結果のようにはならなかったかもしれません。その意味ではプロの結果は本当に紙一重の戦いであることがよくわかります。
99mphをヒット
よかった点はファストボールが99mphをヒットしたことではないでしょうか。99.3mphまで上がりました。
連日の出場も含め体調も万全でない中、このような日があっても仕方ないかと思います。
大谷選手は0.2イニングで41球、被安打2、四球4、死球1、奪三振1、失点7で交代。本人登板時は4失点だったのですが、緊急登板となったアーロン・スレッガーズがルメイヒューに1塁線の走者一掃の二塁打を打たれてしまったので、大谷選手に7失点がつきました。
負けるしかないゲームを逆転
初回に7点を奪われたエンゼルスは2-7からゲームを立て直し。しかも、トラウトはいない、大谷選手もいない、アップトンもいない、なおかつ基盤の弱いリリーバーであと8イニングを作らないといけない・・・いろいろと考えてもエンゼルスは負ける要素しかありませんでした。よくて10失点を免れればよいというような状況。
ところがエンゼルスは、大逆転勝利を納めます。
まずは2回表にフアン・ラガレスのタイムリー二塁打で1得点で3-7。5回表にはジャレッド・ウォルシュの右中間へのソロHRで4-7。
8回裏、マイク・メイヤーズがブレット・ガードナーにHRを打たれ、4-8と追加点を奪われましたが、9回表に大逆転が起きました。
J・ウォルシュがグランドスラム
9回表、ヤンキースはアロルディス・チャップマンを起用。4点差もあることから万事休すという状況。ところがアロルディス・チャップマンが乱調。微妙な判定もありましたが、先頭に四球、次打者には1塁ゴロで1アウトを奪ったものの、スタッシ、レンドンにも四球で1アウト満塁。
ここでバッターは5回表にソロHRを放っているジャレッド・ウォルシュ。左VS左で、バッテリーが選んだボールはスライダー。2球目、ウォルシュは打ち返し、これがCFへ入るグランドスラムに。エンゼルスが9回表、まさかの同点劇を演じたのでした。
ヤンキースはその後、ルーカス・リットキーが登板。しかし、その後もエンゼルスは攻撃の手を緩めることなく、テイラー・ウォードの二塁打などで3得点。
9回裏は、ライセル・イグレシアスが無得点に抑え、ゲームセット。
エンゼルスが八方塞がりの状態から、11-8で勝利を納めたのでした。
レイン・ディレーが予定を狂わす
このような通常の流れでは考えられない展開を引き起こした大きな要因はレイン・ディレー。ここのところ東海岸では熱波の天気が続いており、Game1でディラン・バンディーが体調不良を起こしたほど、暑さが続いていました。そうなると起きるのは雷雨でこのゲームではレインディレーが2回。計2時間13分も中断しました。
こうなると選手の体も冷えますし、どこかリズムも崩れます。アロルディス・チャップマンが乱調になったのもその影響が大であったでしょう。そう考えると、ライセル・イグレシアスは最後、よくきっちりと抑えたと思います。
そしてエンゼルスのブルペンは結果的に大谷投手降板以降、与えた失点はマイク・メイヤーズがブレット・ガードナー打たれたHRの1点のみ。ブルペンは決して盤石だったわけではなく、クローディオに至っては被安打3、与四球2で無失点という奇跡のようなリレーとなったのでした。大谷投手降板後、被安打7、与四球5でも無失点。
中断を挟んでディラン・バンディーが2イニングを無失点に抑えたのが案外ゲームのMVPかもしれません。
この雷雨の影響で大谷選手の黒星も消えたのでした。そしてヤンキースが息を吹き返すキッカケも奪ったかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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