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【MLB2022FA】エンゼルスがノア・シンダーガードと1年21Mドルでサイン

剛球右腕と1年契約 

 クオリファイング・オファーの回答期限を翌日に控えた現地2021年11月16日、エンゼルスが大きなディールをまとめました。

 メッツからFAとなっていたノア・シンダーガード(Noah Syndergaard)と1年でサインです。

契約内容

 サラリーの方ですが、1年/$21M。詳細はファイナライズとなってからリライトいたしますが、おそらくこの1年キリという内容になるはずです。

 ご承知の通り、ノア・シンダーガードは今オフが初FA。そしてすでにメッツからクオリファイング・オファーを提示されていました。

 今オフのクオリファイング・オファーの金額は$18.4M。そしてノア・シンダーガードの2021年のサラリーは1年/$9.7M (2021)。この時点で大幅なサラリーアップだった訳ですが、ノア・シンダーガードはクオリファイング・オファーを拒否。そして今回、エンゼルスと$21Mでサイン。

 契約が1年キリになるというのは、2022年オフももう一度FAとして市場に出るチャンスを残しておくため。今度は単年でなく、マルチ・イヤー・ディールでの参入ということになりそうです。

 ベースとなるサラリーがQOより上になったことで、2022年オフはかなり良い条件でのディールを模索できそうです。

人気のワケ

 ノア・シンダーガードは1992年8月29日生まれの29才。もともとはブルージェイズの2010年の1巡目指名。

 しかし、2012年12月、その年メッツで20勝6敗をマークし、37才でサイヤング賞を受賞したR.A.ディッキーをブルージェイズがトレードで獲得。この時の交換要員がノア・シンダーガードであり、現ブレーブスのトレビス・ダーノー。

 皮肉なもので、ブルージェイズは後にとんでもない活躍をするバッテリーをトレードに出したということになりました。

 メジャー・デビューは2015年5月12日。22才の時です。

 それ以降、2021年までメッツで47勝31敗、ERA 3.32をマーク。HR9は0.8、BB9は2.1、SO9が9.7。

100mphを平気で出す投手 

 ノア・シンダーガードの魅力の一つはファストボールの凄さ。2019シーズンは、4シームのアベレージが97.8mph。平気で100mphを出す投手でもあります。

 球種はチェンジアップ、シンカー、スライダー、カーブ。

ワールドシリーズ2015の初球のハイボール

 そして印象深いのが2015年、ロイヤルズとのワールドシリーズのGama3の初球。アルシデス・エスコバーにハイボールを投げたこと。おそらく抜けたのでしょうが、不穏な空気が漂いましたね。ただ、メッツ・ファンの声援にかき消されて、淡々と進みました。

2015 World Series Game 3, Kansas City Royals vs New York Mets: October 30, 2015 | Baseball-Reference.com
New York Mets beat Kansas City Royals (9-3). Oct 30, 2015, Attendance:...

 このゲームはメッツが9-3で勝利し、ノア・シンダーガードが勝利投手に。そしてこのワールドでメッツが勝利したのはこのGame3のみでした。

投打に活躍

 そして現地2019年5月2日には、9回、104球、被安打4、無失点、与四球1、奪三振10でシンダーガード自身がソロHRを放ち、その1点を守り抜いてシャットアウト勝利を納めました。これは1983年、ドジャースのボブ・ウェルチが達成して以来、8人目の快挙でもありました。

 このようにノア・シンダーガードは打撃も良い投手です。メジャー6シーズンで6HRも放っています。

愛称は”Thor” (ソー)

 見た目が長髪で、このThorというキャラクターとシンダーガードの投球スタイルが、ヒーロー的な要素がリンクして見えることからついたニックネームでもあります。

 思えば、この頃からトレードのカードに考えられてきた経緯もありました。もっともこの頃は、ザック・ウィーラーもマーカス・ストローマンもいて、ローテーションが豊富であったという背景もあります。

 このように剛球でしかもプラスアルファで打撃も良い、特に被本塁打が少ないというのがシンダーガードの魅力で、エンゼルスは強い味方を手に入れた・・・と言えば良いところばかりですが、懸念点もあります。

トミー・ジョン手術明け

 ノア・シンダーガードは現地2020年3月26日にトミー・ジョン手術を実施。

 通常なら、投手であれば14〜18ヶ月で復帰するところですが、リハビリがオーバー・ペースとなり、2021年5月終盤に6週間の投球禁止となりました。

 2021年のスプリング・トレーニングからやたらと強いボールを投げているなと思ったのです。

 結局、2021年に復帰を果たしたものの、登板は9月28と10月3日の2試合のみという結果に。いずれも1イニングしか投じていません。

 メッツは、2イニングで$9.7Mを支払うことに。もっとも将来を期待してのサラリー・アップではありましたが、今回のFA流出でその投資も自軍に利益をもたらすことなく、終わりました。

エンゼルス、贅沢税を圧迫

 さて、ノア・シンダーガードを獲得したはいいものの、やはり気になるのが、サラリーの面。強烈なスターターを獲得するのもチームを強くする手段ではありますが、エンゼルスの場合は、スターターとブルペンに複数の良い投手が必要。ノア・シンダーガード獲得がどう出るか?ですね。

エンゼルスの高額サラリー選手(2022)

 高額サラリーの選手を簡単にまとめるとこのような感じです。

  • マイク・トラウト: AAV $35.5M (AAVはマルチイヤーの契約を年平均にしたもの。贅沢税の算出はそれで計算します)
  • アンソニー・レンドン: AAV $35M
  • ジャスティン・アップトン: AAV $21.2M
  • ノア・シンダーガード: $21M
  • 大谷選手: $4.25M
  • デービッド・フレッチャー: $5.2M

 現時点ではざっと$158M強。

 2022年の贅沢税の基準額が新しいCBAによって決まるので、まだなんとも言えませんが、2021年は$210Mがそれでした。

エンゼルスのドラフトへの影響

 なお、QOを拒否したノア・シンダーガードを獲得したエンゼルスは、2022年のドラフトの2巡目の指名権を失うと同時にインターナショナル・ボーナス・プールの50万ドル枠分も喪失することに。

 一方、QOを断られたメッツは、COM Balance Roud Bの後に新人選手を指名出来ます。

 エンゼルス、今季は大谷選手が投打にわたってチームを牽引しましたが、2022年はマイク・トラウト、アンソニー・レンドンがヘルシーでゲームに出場すれば、かなりの攻撃力を発揮することに。先発とリリーバーをあと数人獲得できればよいですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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