三振の山!
現地2022年7月3日、エンゼルスがちょっと不名誉な記録を打ち立ててしまいました。1試合で20三振を奪われるという屈辱です。本来ならアストロズの投手陣を褒めないといけないところですので、そこは後述致します。
フランバー・バルデスが13K
しかし、こういう時によくあるのが、案外三振を多く取った方が負けてしまうことです。実はこのゲーム、エンゼルスは投手陣が踏ん張り、かなりいいところまでアストロズを追い詰めていたのです。
アストロズの先発はフランバー・バルデス。レッドソックスも2021年のポストシーズンにやられてしまいましたが、投球がうまいですよね。スタイルとしてはヨハン・サンタナに近いものがあり、とびきり速いファストボールを投げるわけではありませんが、コントロールが素晴らしく、特にチェンジアップで沈黙させられてしまいます。
フランバー・バルデスは直近でもヤンキースとメッツを苦しめました。メッツ戦ではかなり打たれたのですが、メンタルが崩れず、投手としての才能を余すところなく出していますね。
このゲームの開始前の見どころは、そのフランバー・バルデスに対して、エンゼルスがどこまで食い下がるのか?というところでした。しかし、もうコロッとやられてしまいました。
フランバー・バルデスは6イニングを投げて降板し、なんと13奪三振!6回までですから、計18個のアウトのうちの13奪三振ですから、もう見下ろしていましたね。
レンヒーフォ、大谷でLAAリード!
しかし、そんなフランバー・バルデスからエンゼルスは先制点を上げました!2回表に先頭のルイス・レンヒーフォがソロHRでまず1点。さらに3回表には、新戦力のモンテ・ハリソンとジョナサン・ビヤーが連続四球で歩いた後、大谷選手がLFへタイムリーシングルを放ち、2点を奪っていたのです。
エンゼルスの先発は左腕のホセ・スアレスで、序盤3回までは無失点。ただ、4回裏にはジェレミー・ペーニャにソロHRを浴びて1失点。さらに、5回裏には2アウトからチャズ・マコーミックにシングルを許し、ここでオリバー・オルテガにスイッチ。そのオリバー・オルテガがホセ・アルトゥーベにタイムリーを打たれ、2-2のタイスコアに。
その後はホセ・キハーダ、マリナーズ戦で報復死球の命題を受け実行したアンドリュー・ウェインツ、そしてアーロン・ループが好投。追加点を許さなかったのです。打線はボロボロだったものの、ブルペンは頑張り、粘りを見せてはいました。
しかし、そんな投手陣の踏ん張りも虚しく、攻撃陣は三振を奪われ続け、計20三振。
9回裏、ライアン・テペラが2アウトまで奪うも、ホセ・アルトゥーベに出塁を許した後、ジェレミー・ペーニャにこの日2本目のHRを浴び、ジ・エンド。2-4のスコアで敗れました。
スウィープ&20K
エンゼルスはGame3で投手陣は頑張ったものの、アストロズに1-8、1-9、2-4とスウィープされてしまいました。これは現時点でのチームの力を考えた時にある程度は予想できた結果でもありますが、圧倒されすぎですね。
今回の20三振ですが、エンゼルス打線は55球スイングしたうち、空振りは25球。出場した12人の選手全員が三振しています。1番から4番まではともに2三振、ルーキーのマイケル・ステファニックは3三振、代打のジャレッド・ウォルシュ、ブランドン・マーシュも三振という結果に。
アストロズの投手陣で行けば、13奪三振のフランバー・バルデスに加え、ヘクター・ネリス、ラファエル・モンテロがともに2奪三振、そしてライアン・プレスリーは1イニング3奪三振という内訳です。
トラウト、またスランプに
なお、マイク・トラウトはこの3ゲームシリーズは11-0、9SOとまたもスランプに。傾向を掴まれているような感じですね(サイン盗みではありません)。
エンゼルス、計48SO
またこのシリーズでエンゼルスは計48個も三振を奪われました。クリスティアン・ハビエルからGame1で14三振、ホセ・ウルキディからGame2で9三振、1、2戦のリリーバーから5三振、そしてこの日の20三振。
1試合9イニング完結の20Kは最多タイ
ここからは今回の20三振についての補足情報を。
1試合、9イニング完結のゲームでの20三振は、MLB史上最多タイ(8度目)となります。過去7度はご覧の通り。
【ALl TIME 20K in a game】
- ロジャー・クレメンス(BOS):1986年4月29日(シアトル戦)
- ロジャー・クレメンス(BOS):1996年9月18日(デトロイト戦)
- エンゼルス:2012年9月25日(シアトル戦)
- ザック・グレインキ(13)
- ギャレット・リチャーズ(3)
- スコット・ダウンズ(0)
- ケビン・ジェプセン(2)
- エルネスト・フリエリ(2)
- マックス・シャーザー(WSH):2016年5月11日(デトロイト戦)
- レッドソックス:2017年5月25日(テキサス戦)
- ドリュー・ポメランツ (11)
- ヒース・ハンブリー(2)
- ロビー・スコット(1)
- マット・バーンズ(2)
- クレイグ・キンブレル(4)
- ホワイトソックス:2019年5月28日(デトロイト戦)
- レイナルド・ロペス(14)
- ジェイス・フライ(2)
- ケルビン・ヘレイラ(2)
- アレックス・コロメ(2)
- ケリー・ウッド(カブス): 1998年5月6日(ヒューストン戦/ 当時NL):NL
一人で20K達成はロジャー・クレメンスが2回!マックス・シャーザー、カブスのケリー・ウッドがそれぞれ1回達成となっています。3人、計4度しか達成されておりません。
なお、このうちナ・リーグでの達成はケリー・ウッドの記録だけです。ナ・リーグは投手が打席に立っていたんですが、DHのア・リーグばかりですね。
ランディー・ジョンソンも9回20K
これももはや入れていいと思うんですが、ランディー・ジョンソン(当時Dバックス)は2001年5月8日のレッズ戦で、9イニングで20奪三振をマーク。ところが、このゲームは延長11回まで行ったことから、上記の記録にはカウントされていません。
これが11イニングで20Kならわかるのですが、9イニングで達成しているだけに入れてもよかろう!と思うのですが、どうも記録マニアは厳密に分けるそうです。
以上、お読みいただき、ありがとうございました。
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