ワールドシリーズ 2019 Game 3
現地2019年10月25日、舞台を首都D.C.にあるナショナルズ・パークに移して、ワールドシリーズ Game3が行われました。アメリカではフライデーナイトで、気分が盛り上がっているのが画面からでも伝わりました。現象となっている”Baby Shark”が席巻する中、アストロズが敵地でしぶとく食らいついた一戦となりました。
上のBaby Sharkの動画はここまでのポストシーズンでDCで流れた分がNLDSから入っています。ワールドシリーズGame3は1:13から。
プレ・ゲーム
スターティング・ラインナップ
Game3のスタメンです。打率はポストシーズンの累積ではなく、WSのみ且つGame2までの数字です。ナショナルズ・ホームにつき、Game3から5まではDH無しで投手が打席に入ります。
Astros | Nationals |
1. スプリンガー-CF-.250 2. アルトゥーベ-2B-.400 3. ブラントリー-LF-★-.375 4. ブレグマン-3B-.125 5. グリエル-1B-.333 6.コレア-SS-.111 7.レディック-RF-.000 8. チリノス-C-.000 9. グレインキ-P | 1.ターナー-SS-(R)-.250 2.イートン-RF-(L)-.500★ 3. レンドン-3B-(R)-.125 4.ソト-LF-(L)-.571★ 5.A・カブレラ-2B-(S)-.333 6. ジマーマン-1B-(R)-.333 7. スズキ-C-(R)-.250 8. ロブレス-CF-(R)-.143 9.サンチェス-P |
アストロズ
DH無しということでアストロズは、せっかく当たりの出てきたヨルダン・アルバレスを引っ込めざるを得なくなりました。大事なゲームでの守備を考えると代打での起用になるかと思います。捕手はチリノスです。
【ザック・グレインキ2019PS成績】
ザックはやや調子を回復しつつあるのかという数字です。
Gm (Opponent) | IP | H | R | BB | HBP | SO | HR |
ALDS G3 (TBR) | 3.2 | 5 | 6 | 1 | 1 | 5 | 3 |
ALCS G1 (NYY) | 6.0 | 7 | 3 | 0 | 0 | 6 | 2 |
ALCS G4 (NYY) | 4.1 | 3 | 1 | 4 | 0 | 5 | 0 |
ナショナルズ
地元ということで本当は何度も”Baby Shark”を流したいところですが、ヘラルド・パーラは残念ながら外野で5番目。代打からのゲームINになります。
打順はNLCS MVPのハウィー・ケンドリックがベンチに下がりました。守備のことを考えるとアズドルバル・カブレラが正解だと思いますし、カブレラはGame2でも活躍しました。捕手はこの日もスズキです。アニバルはランナーを背負っても体を捻るのがデフォルトで、クイックはここぞという時しか使いませんから、走られる可能性が大です。打撃の調子を優先したリストだと思います。
【アニバル・サンチェス2019PS成績】
アニバル・サンチェスはまさにスプレンディッドな活躍
Gm (Opponent) | IP | H | R | BB | HBP | SO | HR |
NLDS G3 (LAD) | 5.0 | 4 | 1 | 2 | 0 | 9 | 1 |
NLCS G1 (STL) | 7.2 | 1 | 0 | 1 | 2 | 5 | 0 |
事前情報1
トランプ大統領が現地日曜日に行われるGame5を観戦するとの情報が試合前に入りました。選手にとっては目の前の一戦に集中するだけとは言え、これが微妙にどう作用するのか。心理的に5戦がちらついたのは確かだと思います。もちろん関係ないという言うでしょうが。
事前情報2
アストロズのアシスタントGMが解雇
これに関しては下記記事にて書いています。アストロズとしては悪い要素を全て排除した上で、選手にやりやすい環境を整えるためのベストは尽くしておきたい、そういう考えの上での処置かと思います。オスーナが投げにくいですから。
【MLB2019】ワールドシリーズのロスター発表とアストロズのアシスタントGMの発言の物議(追記あり)
(サマリー)HOU 4, WSH 1
2連勝のナッツが地元での大声援を受けて打線が活気づくとともに、アニバルがこの日も好投するのかという点と、ポストシーズンの成績が今ひとつのザックとナッツ打線の相性がどうなのか?と思いながら見ていました。
結果、両先発ともに技巧派の本領を発揮しつつもどこか甘いボールがあり、それをアストロズ打線が仕留めたのに対し、ナッツ打線はザックのボールを絞りきれなかった、そんな印象を受けました。ザックは甘いボールも多かったのですが、ファストボールとチェンジアップが同じ球速であることや、その他の変化球を意識させ、ベテランらしくうまくボールを散らしたと思います。ザックにリズムを狂わされたナショナルズ打線はアストロズのブルペンにも最後まで封じられた、そんな戦いだったと思います。
ゲームポイント
アストロズが先制
初回はGame2までの勢いがそのまま出たような立ち上がり。ロブレスに好プレーが出ました。
2回表、アストロズは4シーム、2シームのファストボール系に狙いを絞ったようなスイング。先頭のグリエルのLFライナーは2シーム、次打者のコレアは2シームをLFへ二塁打で出塁。つづくレディックをアニバルはスプリットでうまくタイミングをずらせたのですが、シフトを敷いていたSSのターナーも追いつけないところにポトリと落ちるシングルヒットを放ち、まずはアストロズが先制。チリノスもシングルで続いたあと、楽しみにしていたザックの打席でしたが、ベンチは送りバントを指示。チリノスが二塁に進塁するもスプリンガーが倒れチェンジ。
2回裏、ナショナルズはカブレラとジマーマンの2連打でノーアウトランナー2・3塁のチャンスを作るも、スズキが初球のど真ん中の4シームを見逃すなどして三振。つづくロブレスはダブルプレーでせっかくのチャンスを活かせず。
アルトゥーベ、ブラントリーで2点目
3回表、アストロズはアルトゥーベが初球のカーブをたたいてこれがLF線に転がる2塁打コースの打球に。ライン際の処理をLFのソトがもたついている間にアルトゥーベは3塁に。つづくブラントリーは4シームを叩き、これが2B内野安打となり、この間にアルトゥーベが還り、アストロズが2点目。スコアは2-0。
ロブレスがトリプル
4回裏、ナッツは先頭のジマーマンが四球で出塁。1アウト後、前の打席でダブルプレーで凡退したロブレスが2アウトから3塁打を放ち、ジマーマンを迎え入れ、ナッツが1点を返します。スコアは2−1。
アルトゥーベ、ブラントリーで3点目
5回表、アルトゥーベがアニバルの武器であるチェンジアップを叩き、2塁打で出塁。つづくマイケル・ブラントリーはスプリットに対応してRF前シングル。これでアルトゥーベが生還し、アストロズが3−1とリードを広げます。
ナッツ、チャンスを活かせず
5回裏、ナショナルズは先頭のアダム・イートンがシングルで出塁。レンドンとソトのキーマン2人が凡退した後、当たっているアズドルバル・カブレラが二塁打を放ち、2アウトながら2・3塁のチャンスを作ります。
ザックはここで降板。2番手にジョシュ・ジェームス。バッターはベテランのジマーマン。大いに期待されましたが、フルカウントまで粘るも最後はチェンジアップで空振り三振。チャンスを活かせませんでした。
チリノスがHR
6回表、1アウトからロビンソン・チリノスが初球の甘い2シームを逃さず、強振。これがLFポールに当たるHRとなり、アストロズが4−1とリードを拡大。ナショナルズのマウンドにはフェルナンド・ロドニーが上がり、四球を2つ出してピンチを作りますが、なんとか後続を抑えてこの回の失点はチリノスのHRだけで切り抜けました。
ベイビーシャーク全開も無得点
6回裏、アストロズのマウンドにはブラッド・ピーコック。ナッツは代打の切り札ヘラルド・パーラが打席に入り、スタンドはWalk Up Songの”Baby Shark”で大いに盛り上がりましたが、パーラは三振。その後、ロブレスと代打のマット・アダムスが連続四球でチャンスを作るも、アストロズのマウンドにはブルペン・エースのウィル・ハリスが登場。ターナーとイートンが抑えられ、またも好機を逃します。
9回にロベルト・オスーナ
その後、アストロズは8回裏にアンダースローのジョー・スミスが登板し、無失点。そして9回裏は騒動の発端となったロベルト・オスーナがWS初登板。ヒット一本を打たれたものの無失点で凌ぎ、アストロズが4−1で勝利。ワールドシリーズの勝敗を1勝2敗としました。
感想
両先発
Name | IP | 球数 | H | R | BB | SO | HR |
グレインキ/HOU | 4.2 | 95 | 7 | 1 | 3 | 6 | 0 |
サンチェス/WSH | 5.1 | 93 | 10 | 4 | 1 | 4 | 1 |
ナショナルズ打線が崩せそうで崩せなかったザック・グレインキにうまく交わされ、その後打線が狂わされた。そんなふうに見えたゲームでした。またアストロズはウィル・ハリスの使いどころがとてもよかったと思います。結果、アストロズ投手陣は1失点。また、アストロズ打線に積極性が出てきたのもよかったのではないかと思います。
Game4
ルーキー登場!
Game4はナショナルズが早々と公表していたパトリック・コービンが先発。これでGame5でシャーザー、Game6でストラスバーグを使え、Game7まで行った場合はアニバルを先発に、あとはフル稼働で戦うという流れが出来ました。
一方のアストロズはルーキーのホセ・ウルキディーがワールドシリーズ初登板。シーズンでは7月2日にデビューし、9試合、7スタートを経験し、2勝1敗、ERA 3.95。ポストシーズンではALDSでレイズ相手に1試合、1.2イニングで被安打3、奪三振3。ALCSではヤンキース相手に1試合、2.2イニングを投げ、被安打3、失点2、奪三振5と好投。度胸のあるルーキーがチェンジアップ、カーブ、スライダーの抜き球を使いながら、ナショナルズ打線に挑みます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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