アクーニャ、シーズン・エンディングの見込み
ちょっと残念なニュースが入ってきました。
アトランタ・ブレーブスのOFで、フェルナンド・タティス・Jr.、ヴラディーミル・ゲレロ・Jr.とともに次世代のMLBを背負っていくべく、素晴らしい結果を残し続けているロナルド・アクーニャ・Jr.(Ronald Acuña Jr.)がシーズン・エンディングの見込みです
ぎりぎりのキャッチを試み、右足に衝撃
ロナルド・アクーニャ・Jr.が怪我をしたのは現地2021年7月10日、マイアミで行われてたマーリンズ戦。
5回裏、1アウトからジャズ・チザム・Jr.が放った当たりは、RF後方へのHR性のハーフライナー。守備位置よりポール際に飛んだので、右利きのRFにはちょっと難しい当たり。しかも、キャッチの予測着地点からフェンスまではごくわずかな距離しか残っておらず、ウォールへの衝撃にも備えないといけない微妙な距離。
的確な判断がかえって右膝に衝撃を与える
ロナルド・アクーニャ・Jr.はこの難しい当たりにしっかりと対応。しかし、わずかに打球の速度が上回り、アクーニャはキャッチできず。
打球への反応はさすがだったのですが、このケースはかえって自身の足の速度が仇となってしまいました。ウォールへの強打を予想したアクーニャは右足で着地した際、普段の着地よりも強く踏み込み、ウォール側への衝撃を和らげました。
ウォールへの激突を咄嗟の判断で交わしたところはさすがとしか言いようがないのですが、ただ、いかんせんスピードを殺すために踏み込んだ右足には大きな負担がかかってしまいました。
VTRで見ると、右膝がかわいそうになるくらいに衝撃を吸収。これは悶絶するはずです。
直後、アクーニャ・Jr.は起き上がれず、ボールが転々とする間に、ジャズ・チザム・Jr.はホームイン。インサイド・パーク・HRとなったのでした。
右膝ACLの断裂
ウォールへの激突をかわしたロナルド・アクーニャ・Jr.の右膝は検査の結果、ACLの断裂。ACLとは前十字靭帯のことで、ここを損傷するとヒザが抜けるような症状が出たり、運動はもとよりとにかくまともに歩けなくなります。VTRではアクーニャも膝が抜けるような状態になっていました。
一旦は自力で歩行しかけたロナルド・アクーニャ・Jr.でしたが、すぐに歩行を断念。カートで運ばれる事態に。悔し涙も印象的でした。
シーズンエンディングの見込み
復帰までのタイムテーブルはまだ出ていませんが、手術が必要ですから、普通に考えて3ヶ月以上はかかるはずで、現時点で7月の1/3が過ぎたところですから、今季はもうシーズン・エンディングと考えてよさそうです。
ブレーブスには悪夢
このゲームはブレーブスが5-4のスコアで勝利。シーズンの成績を44勝44敗の5割に戻しました。
ただ、チームのリードオフを務め、OPS.990(現地2021年7月10日時点)をマークしていたロナルド・アクーニャ・Jr.を失うことはブレーブスにとってやはり悪夢。5割以上のラインをこれから超えて行くぞというタイミングでしたから、ちょっと苦戦するかもしれません。
しかし、こういう時にこそ、救世主が出たりするものですが、果たしてそれは打者から出るのか?あるいは投手から出てくるのか?ここは注目ポイントです、
チザムも衝撃
ホームインしたチザムをフォローしておきますと、プレー中は懸命にホームにたどり着くことだけを考えていたので、インサイト・パーク・HRとなりましたが、アクーニャの怪我がかなり深刻なのをすぐに察知したチザムは派手なことは控えました。
ジャズ・チザム・Jr.はバハマ出身。ドミニカ共和国出身のロナルド・アクーニャ・Jr.とは同郷ではありませんが、二人は仲が良く、ゲーム前には今日はどちらがHRを打つかということでじゃれ合っていたそうです。よって、チザムもかなり衝撃を受けた模様です。
因縁のマイアミ戦
ここからは膝とはまた別の話題です。
マイアミ=アクーニャと来れば”HBP(Hit By Pitch)”というくらい、ロナルド・アクーニャ・Jr.はマイアミ戦で死球を食らうことが多いです。
9日のゲームでも死球
前日の9日のゲームにおいても7回裏にアンソニー・ベンターから死球を投じられたロナルド・アクーニャ・Jr.。この時は変化球が抜けた死球で故意ではありませんでしたが、アクーニャは相当ストレスが溜まっていた模様で、あやうくベンチ・クリアーになるような案件に。抜けた変化球だったからか、大事にはなりませんでした。
今季は2度め
ロナルド・アクーニャ・Jr.の2021シーズンの死球は9個。このうち2個がマイアミ戦。ちなみに、今季は2021年7月10日時点でアスレチックスのマーク・カナとマリナーズのタイ・フランスが13個でトップです。
通算7度目
アクーニャのマイアミ戦での死球は2020年、2019年はそれぞれ1個、2018年は2個。また、2020年のポストシーズンでもNLDSのGame1で1個ありましたから通算7個。
また、ルーキー・イヤーにリードオフHRの記録は3試合連続でストップさせたのは当時マイアミにいたホセ・ウリーナ。これは故意死球で、ウリーナには罰則がくだされました。
このようにマイアミとアクーニャには死球をめぐる因縁もあります。
ブレーブスは10日のゲームではアクーニャに代わり、エイブラハム・アルモンテを起用。今後、どうしていくのか、ここも気になりますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント