現地2018年11月13日、今季の最優秀監督であるマネージャー・オブ・ザ・イヤー(MOY)が発表され、ア・リーグはアスレチックスのボブ・メルビン監督が、ナ・リーグはブレーブスのブライアン・スニッカー監督がそれぞれ受賞しました!
OAK ボブ・メルビン監督がAL MOY
筆者の予想は、ア・リーグがBOSのコーラ監督かOAKのメルビン監督、大穴でTBRのケビン・キャッシュ監督でした。OAKを盛り上げたメルビンさんの腕前も確かにすごいが、やっぱり就任1年めでWSチャンプとなったコーラ監督かと思っていました。
【2018 AL MOY Vote】
Name : 1st – 2nd – 3rd = Total
- メルビン /OAK : 18-10-1 = 121 pt
- A コーラ /BOS : 7-11-11 = 79 pt
- キャッシュ-TBR: 5-6-14 =57 pt
- ヒンチ-HOU : 0-3-2 = 11 pt
- ブーン-NYY : 0-2-2 = 2 pt
メルビン監督は今季、前年のWSチャンプのアストロズと激しくデッドヒート。しかしそれは終盤に入ってからの話です。
2015年から3年連続地区最下位が続いたOAKに誰も期待はしておりませんでした。こんなことを書いている筆者がそもそもOAKはないという姿勢で記事を書いていたくらいです(駄目ですね)。
しかし、シーズン全体を振り返ってみると、今季のOAKは3月の3試合に1勝2敗と負け越しただけで、4月から9月まですべて勝ち越しているんですね。4月、5月をほぼ5割で辛抱してから、6月に17勝10敗で大きく勝ち越した後、夏場のきつい時期である7月に17勝8敗、8月に18勝9敗を上げる好成績。最後の9月も16勝10敗で乗り切りました。
オープナーとは
S・マナエアをシーズン途中で欠き、ライアム・ヘンドリクスをオープナーとして起用するなど、ビリー・ビーン副社長の知恵の戦力補充も相まって見事にプレーオフの舞台へと押し上げました。
(用語)オープナーとは?
スターターではあるけれども短いイニングで降板することからからこの戦法をオープナーという呼ぶように。筆者はオールスター戦法などと書いておりましたが、今季、レイズやアスレチックス、エンゼルスなど先発が乏しいチームが考案したこの戦い方をアメリカではオープナーと呼びました。
ゲーム後半にB・トライネンという素晴らしいクローザーがいたこと、セットアッパーも豊富だったのが救いでスターターさえなんとかすれば、ゲームを作ることができるという状況だったのは幸いしました。
後は、クリス・デービスがとにかくいい仕事をしましたね。若手のマット・チャップマンも活躍。今季は面白いシーズンでした。
特に9月3、4、5日の対ヤンキース3連戦を2勝1敗で勝ち越した時には興奮しました。
メルビン監督の勝敗
メルビン監督は2007年のDバックス時代と2012年のOAK、そして今回で3度めの受賞。監督としてのスタッツはこちら↓。もうすっかりOAKでの姿がおなじみですが、マリナーズの監督から始まったんですね。
Rk | Year | Age | Tm | Lg | W | L | W-L% | G | Finish | Wpost | Lpost | Ejections | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2003 | 41 | Seattle Mariners | AL | 93 | 69 | .574 | 162 | 2 | 0 | 0 | 3 | ||
2 | 2004 | 42 | Seattle Mariners | AL | 63 | 99 | .389 | 162 | 4 | 0 | 0 | 3 | ||
3 | 2005 | 43 | Arizona Diamondbacks | NL | 77 | 85 | .475 | 162 | 2 | 0 | 0 | 5 | ||
4 | 2006 | 44 | Arizona Diamondbacks | NL | 76 | 86 | .469 | 162 | 4 | 0 | 0 | 5 | ||
5 | 2007 | 45 | Arizona Diamondbacks | NL | 90 | 72 | .556 | 162 | 1 | 3 | 4 | 3 | ||
6 | 2008 | 46 | Arizona Diamondbacks | NL | 82 | 80 | .506 | 162 | 2 | 0 | 0 | 2 | ||
7 | 2009 | 47 | Arizona Diamondbacks | NL | 1st of 2 | 12 | 17 | .414 | 29 | 4 | 0 | 0 | 0 | |
8 | 2011 | 49 | Oakland Athletics | AL | 2nd of 2 | 47 | 52 | .475 | 99 | 3 | 0 | 0 | 1 | |
9 | 2012 | 50 | Oakland Athletics | AL | 94 | 68 | .580 | 162 | 1 | 2 | 3 | 3 | ||
10 | 2013 | 51 | Oakland Athletics | AL | 96 | 66 | .593 | 162 | 1 | 2 | 3 | 4 | ||
11 | 2014 | 52 | Oakland Athletics | AL | 88 | 74 | .543 | 162 | 2 | 0 | 1 | 3 | ||
12 | 2015 | 53 | Oakland Athletics | AL | 68 | 94 | .420 | 162 | 5 | 0 | 0 | 3 | ||
13 | 2016 | 54 | Oakland Athletics | AL | 69 | 93 | .426 | 162 | 5 | 0 | 0 | 1 | ||
14 | 2017 | 55 | Oakland Athletics | AL | 75 | 87 | .463 | 162 | 5 | 0 | 0 | 2 | ||
15 | 2018 | 56 | Oakland Athletics | AL | 97 | 65 | .599 | 162 | 2 | 0 | 1 | 2 | ||
Seattle Mariners | 2 years | 156 | 168 | .481 | 324 | 3.0 | 0 | 0 | 6 | |||||
Arizona Diamondbacks | 5 years | 337 | 340 | .498 | 677 | 2.6 | 3 | 4 | 15 | |||||
Oakland Athletics | 8 years | 634 | 599 | .514 | 1233 | 3.0 | 4 | 8 | 19 | |||||
15 years | 1127 | 1107 | .504 | 2234 | 2.9 | 7 | 12 | 40 |
ATL スニッカー監督がNL MOY
ナ・リーグは文句なしで、ブルワーズのカウンセル監督が受賞するかと思いきや、ブレーブス・スニッカー監督が選ばれました。カウンセル監督の知恵を評価して欲しかったのですが、スニッカー監督の3年で確実に結果を出したミドル・タームの手腕が買われたということかと思います。記者はなかなか中道で評価しているなと思った次第です。
【2018 NL MOY Vote】
Name : 1st – 2nd – 3rd = Total
- スニッカー/ATL: 17-9-4=116 pt.
- カウンセル/MIL: 11-13-5= 99 pt.
- B ブラック/COL: 1-6-18 = 41 pt.
- M・シ-ルド/STL: 0-2-1 =7pt.
- J・マッドン/CHC: 1-0-1 = 6pt.
- D ロバーツ/LAD: 0-0-1 =1pt.
スニッカー監督の勝敗
Rk | Year | Age | Tm | Lg | W | L | W-L% | Ties | G | Finish | Eject | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2016 | 60 | Atlanta Braves | NL | 2nd of 2 | 59 | 65 | .476 | 0 | 124 | 5 | 3 | |
2 | 2017 | 61 | Atlanta Braves | NL | 72 | 90 | .444 | 0 | 162 | 3 | 3 | ||
3 | 2018 | 62 | Atlanta Braves | NL | 90 | 72 | .556 | 0 | 162 | 1 | 3 | ||
3 years | 221 | 227 | .493 | 0 | 448 | 3.0 | 9 |
スニッカー監督はもうこの3年間の手腕に尽きると思います。2016年、シーズン途中で監督に就任して以来、5位→3位→1位と結果を出してきました。実質、2017年から自分色のチームカラーにしていった訳で、2年で結果を出したと考えればなおのことすごいです。
しかもチーム解体状態からスタートしてNLイーストのタイトルを取ったのですからすごいの一言につきます。
今季はROYをとったロナルド・アクーニャ・Jr.が上がってきたことが大きかったですが、フリーマン、マーケイキスというベテランも上手に起用し、いいチームに仕立て上げたと思います。ピッチャーには苦労したようで、今季は35人も使いました。来季はピッチャーのテコ入れとFAとなっているマーケイキスの穴をどう埋めるかということになってきそうです。
今季のブレーブスは7月に10勝13敗で負け越しただけで、残りはすべて勝ち越し。
またトマホーク・チョップが炸裂するスタンドをポストシーズンで見せてもらいたいと思います。照明まで落とすのは笑いました。相手チームへの心理的圧迫が半端ないです。これは球場関係者の仕業ですが。
来季も期待できそうです。
今季は特にゲーム戦略がものをいったシーズンだったので、この賞はやはり面白いですね。BOSのコーラ監督を見ても1球1球に表情が出て、いかに現場が知恵を絞っているかというのがよくわかるシーズンだったと思います。
レッドソックスのコーラ監督
もうコーラ監督に至っては大阪桐蔭の西谷監督くらいに全球集中していたのがよくわかりました(^^)
お読みいただき、ありがとうございました。
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