今オフ、カージナルスが獲得した初のFA選手
このオフは「静か」以外の言葉が見つからないほど動かなかったセントルイス・カージナルスがもう開幕が見えてきた現地2025年3月12日、ようやくFA選手との契約にこぎつけました。正確に言うと市場に出ていた実績のあるFA選手という意味なのですが、それがメッツからFAとなっていた鉄腕リリーバーのフィル・メイトン(Phil Maton)とのディールです。
正直、こんないいリリーバーがまだ残っていたのか?というくらいの投手なのですが、2024年は前半が悪すぎましたので、注目度が低くなってしまいました。
カージナルスは3Bのノーラン・アレナドのトレードに注力しすぎた感のあるオフシーズンとなりました。
契約内容
カージナルスとフィル・メイトンの契約ですが、金額が明らかになっておりません。
- 1年(2025)
メジャー契約なのは確かで、カージナルスは40manロスターがフルなので、左腕のベイリー・ホーンをDFAとしています。
前の契約
ちなみにフィル・メイトンは2023年終了後にFA資格を取得。注目リリーバーの一人と数えられ、レイズとサイン。その時の契約がこちら。
- 1年/$6.5M (2024) 保証+ 2025 オプション
- 2024: $6.25M
- 2025 $7.75M クラブ・オプション ($0.25M バイアウト)
そしてトレード・デッドラインでメッツに移籍し、シーズン終了後、メッツは2025年のクラブオプションを拒否。再び市場に出ていたのでした。
2024年のフィル・メイトン
開幕前の3月25日に32歳になるメイトンのこれまでのキャリアは下記の記事にまとめております。
いいボールを投げながらもぱっとしなかったキャリア前半ですが、2021年のシーズン後半にアストロズに移籍して以降は素晴らしい投球を継続。ご覧の成績となっています。
Age | Season | Club | ERA | Gm | IP | BB | SO | WHIP | HR9 | BB9 | SO9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
28 | 2021(8月〜) | HOU | 4.97 | 27 | 36.2 | 12 | 33 | 1.618 | 0.7 | 4.3 | 8.5 |
29 | 2022 | HOU | 3.84 | 67 | 24.1 | 6 | 20 | 1.249 | 1.4 | 3.3 | 10.0 |
30 | 2023 | HOU | 3.00 | 68 | 12.1 | 6 | 13 | 1.121 | 0.8 | 3.4 | 10.1 |
31 | 2024 | TB | 4.58 | 40 | 35.1 | 18 | 30 | 1.330 | 1.5 | 4.6 | 7.6 |
31 | 2024 | NYM | 2.51 | 31 | 28.2 | 6 | 30 | 0.837 | 0.3 | 1.9 | 9.4 |
リリーバーとしてのERAの数値は決して「無双」と呼べるものではなく、どちらかというと高い方です。それは厳しい場面での登板が多いゆえに、際どいコースにも投げますし、それが四球にもつながって、タイムリーを浴びることもあります。リリーバーはショートイニングゆえに1本打たれるとERAがグンと上がってしまう・・・そんな背景もあるのでこの数字は額面通りではありません。
むしろ信頼の証はその登板数にあるではないでしょうか。2021年から4年連続で60試合以上に登板。しかも、2024年はキャリアハイの71試合です。
その2024年ですが、レイズでは大苦戦を強いられました。上記の通り、ERAは4.58。
ただ、トレード・デッドラインではメッツに移籍することとなり、メッツではERA 2.51と圧倒的な投球を見せました。
カージナルスでの役割
オフシーズンが静かだったカージナルスはポール・ゴールドシュミットとアンドリュー・キットリッジをFAで喪失。戦力ダウンには違いないです。
ただ、ライアン・ヘルスリーという素晴らしいクローザーがいるので、リードの状況をつくることができれば乗って行ける可能性もあります。今回のフィル・メイトンのディールは2024年にアンドリュー・キットリッジが果たしていたライアン・ヘルスリーへのセットアップを果たすことが目的です。
うまく行くといいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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