A’s、ラスベガスに向けてコア人材を確保へ
現地2025年3月6日、アスレチックスはチーム内の期待のOFのローレンス・バトラー(Lawrence Butler)と7年の契約延長で合意いたしました。
アスレチックスは2028年に本拠地をラスベガスに移すことが決定済み。2025年から2017年まではマイナーの球場を本拠地としますが、4年後の移転初年度に強いA’sであるべく、長打力のある若手と延長契約を結びました。
契約内容
アスレチックスとローレンス・バトラーの延長内容は現地2025年3月7日、その大筋が見えてきました。
- 7年/$65.5M 保証(2025-31) + 2032 クラブオプション
- サイニング・ボーナス:$3M (2025-2027年にかけて$1Mずつ)
- 2025: $2.25M | 2026 :$3.25M | 2027 :$5M | 2028:$8M | 2029:$10M | 2030:$14M | 2031:$16M
- 2032 :$20M クラブオプション ($4M バイアウト)
- 2032のオプションのベースサラリーは下記の条件でアップ
- 2029-31のMVP投票で:
- トップ5から数えて上に上がるごとに$2Mアップ
- トップ10から数えて6位までで、それぞれ$1Mアップ
FAをまたいでカバー
8年目に上記のクラブオプションありで、サイニング・ボーナス$3Mと7年間のサラリー$58.5M、2028年のバイアウト$4Mを加えると$65.5M保証ということに。
ローレンス・バトラーのMLSは2025年1月時点で 1.032。2029年オフにFA資格を有しますから、この契約はFAイヤーをまたいで1年までカバー。2年目はオプションでどうなるかという契約。調停期間は2027 :$5M、2028:$8M、 2029:$10Mですから、彼がこれから伸び行く前提なら割とお得な内容かもしれません。バトラーにとっても調停までに$1Mを超えますから嬉しい契約かもしれません。
もし、オプションが行使されたなら、8年/$81.5Mの契約になります。
ローレンス・バトラーとは
ローレンス・バトラーは2000年7月10日生まれの24歳。ドラフトは2018年のアスレチックスの6巡目指名。ジョージア州アトランタ出身で高校卒でのドラフトでした。
2018年はルーキー・レベルで46試合に出場。2019年はクラスA – のバーモント・レイク・モンスターズで55試合に出場して打率.177。この時点で危うく解雇されそうになりましたが、2020年がCOVID-19のパンデミックでマイナーリーグがキャンセルされ、なんとかサバイブ。
2021年にクラスAのストックトン・ポーツに昇格。88試合に出場して打率.263、HR 17を放ち、シーズン終盤にクラスA+のランシング・ラグナッツに昇格。14試合で打率.340を記録し、成長の後を見せました。
2022年は怪我もあり、クラスA+のまま81試合に出場し、.265/.351/.457を記録。
2023年はダブルAのミッドランド・ロックハウンズで67試合で.285/.352/.465、HR 10を記録。これが認められてトリプルAに昇格。トリプルAのラスベガス・エイビエイターズでは22試合に出場し、27試合で.281/.340/.512、HR 5を記録。2023年8月11日にメジャー・デビューを果たしました。
2023年は43試合で.211/.240/.341、HR 4と長打力の片鱗は見せたものの、大きな爪痕は残すことは出来ませんでした。
2024 ASG後に恐るべきパワーヒッターに!
2024年は開幕ロスターを勝ち取りましたが、4月から6月までは完全に沈黙。3ヶ月の月間打率はいずれも1割台と低迷しました。3試合でヒット1本が出るかどうか。それでも使い続けたマーク・カートセイ(Mark Kotsay)監督がやはりすごいですね。
しかし、7月からのローレンス・バトラーは別人。恐るべきパワーヒッターに変貌。7月2日からのエンゼルスとの3連戦で3戦ともヒットを放ち、11打数4安打、2HRをマーク。オールスター前最後の試合となった7月14日のフィリーズ戦では、1試合で3HRを放ち、チームも18-3のスコアで圧勝。
結果、7月は363/.408/.802、HR 10、RBI 27と猛烈な数字をマーク。8月は.266/.301/.585、HR 8、RBI 18。9月は.280/.330/.409、HR 2、RBI 4。7月と8月の2ヶ月のみでHR 18本を放ったという恐るべきパワー。
これが今回の延長契約に大きな影響を与えました。
なお、守備、走塁も素晴らしく、2024年は18盗塁を決めております。
A’sでトップランクの契約
今回のローレンス・バトラーの7年/$65.5M 保証の契約はアスレチックスの契約史上、トップランク。今オフ、ルイス・セベリーノと3年/$67M (2025-27)でサインしましたが、今のところ金額ではこれば最高額。セベリーノの前は2004年のエリック・チャベスとの6年/総額$66Mが最高。
そしてブレント・ルッカーの5年/$60Mを超えたことにもなります。
調停前では最高額
アスレチックスが調停前の選手と長期契約を結ぶことはほぼなく、2014年4月にショーン・ドゥーリトルと$10Mで延長したのがこれまでの最高額。今回は調停前としては大幅なアップとなります。
背景にレベニューシェアリングの受領も
アスレチックスはMLB選手会からレベニュー・シェアリングを選手補強以外に使っていると指摘され、度々受領をストップさせられていましたが、セベリーノ、ルッカー、そしてバトラーのディールは選手会への大きなアピールという意味合いもあります。
現時点でのアスレチックスの贅沢税上のペイロールは$112M超えとなっており、これならレベニュー・シェアリングの受領者として問題なさそうですね。なお、2024年は受領者をキープ出来ていたようです。
お読みいただき、ありがとうございました。