リリーフ転向後に高品質投球連発
現地2025年2月14日、注目度は高くはなかったものの、現場からは人気が高いと思われれていたリリーバーのケンダール・グレイブマン(Kendall Graveman/34歳)のディールが決定。Dバックスとの1年契約となりました。
ケンダール・グレイブマンが市場で特別騒がれなかったのは右肩の手術で2024年に全休していたため。また、34歳という年齢も足かせになった面はあります、ただ、詳細は後述しますが、彼の右肩はおそらくもう大丈夫と思われ、状態がヘルシーなら2025年のDバックスのブルペンに大きな力をもたらします。マイク・ヘイゼンはさすがに良いところに目をつけていましたね。
またグレイブマン自身もコンテンダーのクラブに入ったのは嬉しいことでしょう。
契約内容
Dバックスとケンダール・グレイブマンの合意内容は大筋では以下の通り。
- 1年/$1.35M保証(2025) + ミューチュアル・オプション
- 2025: $1.25M
- 2026: $5M ミューチュアル・オプション($0.1Mバイアウト)
- インセンティブ:$3.3M
さすがに前年全休ゆえに単価は安く$1.25Mで、2年目のミューチュアル・オプションが行使されない場合のバイアウトを含めると$1.35M保証という内容です。インセンティブの詳細は不明ですが、おそらく登板数が複数の段階で設定され(たとえば 30/40/50 試合登板ごとに$0.25Mなど)、その登板数が翌年のミューチュアル・オプション行使の条件になるかと。2026年は単価が4倍になるので60試合くらいが一つのラインになるかもしれません。
ケンダール・グレイブマンとは
ケンダール・グレイブマンは1990年12月21日生まれの34歳。ミシシッピ・ステート3年時にマイアミから34巡目で指名されましたが、それを拒否。翌2013年に8勝を上げ、同年のドラフトでブルージェイズから8巡目指名を受け、プロ入りしました。
メジャーデビューは早く、翌2014年で5試合にリリーフで登板。ERAは3.86でした。同年11月、ブルージェイズがジョシュ・ドナルドソンを獲得したトレードでフランクリン・バレートらとともにアスレチックスに移籍。
2015年、アスレチックスに移籍したケンダール・グレイブマンは先発として投げ始め、2015年は21試合、115.2イニングを投げ、6勝9敗、ERA 4.05。
翌2016年には31試合に先発し、186.0イニングを投げ、10勝11敗と二桁をマーク。ERAは4.11。翌2017年には19試合、105.1 IPで6勝4敗、ERA 4.19。
2018年にTJ手術
そして2018年、開幕からローテーションを守ってきたケンダール・グレイブマンでしたが、6月に右肘を傷めて離脱。これが結構深刻な状態で精密検査の結果、7月にトミー・ジョン手術を行うことに。これで2018年の残りと2019年のすべてを全休することに。リハビリ中もグレイブマンをキープしていたアスレチックスでしたが、やはりお金の問題もあり、2018年11月、まだ復帰まで1年を残していたケンダール・グレイブマンにノンテンダーをつきつけます。
ノンテンダーFAとなったグレイブマンですが、2018年12月に復帰を見越したカブスが1 年/$0.575M (2019) + 2020 $3M クラブオプションという内容でサイン。グレイブマン自身も2019年8月終わりにはマイナーでのリハビリ登板を開始。2020年に向け準備を開始していました。ところが、カブスは2018年11月にこのオプションを拒否。グレイブマンは肘のリハビリの途中で再びFAとなり、不安なオフを迎えます。
しかし、2019年11月終わりにはマリナーズが1年/$2M (2020)+ 2021 $3.5M クラブオプション($0.5Mバイアウト)でサイン。2020年に向け準備を整えます。
翌2020年3月、MLBはコロナパンデックによりスプリング・トレーニングを途中で打ち切り。同年はご承知の通り、7月終わりの開幕となり、60試合の短縮シーズンで乗り切ることに。復帰イヤーが独特なシーズンとなったケンダール・グレイブマンはシーズン開始直後はローテーションとして2度登板するも、いずれもラフ・アウティングとなり、その後はリリーフに回ることに。2020年は18.2IPでERA 5.79。
リリーバーに転向して大成功!
アスレチックス時代に先発として実績のあったケンダール・グレイブマンでしたが、2020年にローテーションを外れて以来、リリーフに転向。再び脚光を浴びることになりました。
2020年オフに一旦はマリナーズから2021年のオプションを拒否されたグレイブマンでしたが、オプション拒絶後すぐにマリナーズと1年/$1.25M (2021)でサイン。
そして2021年、ケンダール・グレイブマンはリリーバーで本領を発揮します!!
初めての失点及び自責点が6月12日のインディアンス戦で、それまでの14試合を連続で無失点に抑えるという離れ業を見せ、マリナーズでは30試合、33.0 IPで被安打15、失点7、自責点3で、4勝0敗、ERA 0.82という驚異的な投球を披露したのでした。
コンテンダーなのに、ライバルへトレード
2021年7月27日にケンダール・グレイブマンはアストロズへ移籍。マリナーズはこの時点で貯金8という好成績を残しており、首位アストロズとは離されていたものの、2位アスレチックスとは1勝差で十分にポストシーズンを狙える位置にいたのですが、ジェリー・ディポートはスーパー・リリーバーをライバルのアストロズへ売りました。これでディポートはかなり批判されましたが、マリナーズ・ナインもその後は奮起し、2位でフィニッシュ。しかも最後はレッドソックス、ヤンキースとともにワイルドカード進出を争うという熾烈なレギュラーシーズンを演じることに。この結果を見ると、グレイブマンを残していれば・・・というのもうなづける結果でしたが、グレイブマンが抜けたからこそ奮起したという面はあったと思います。
アストロズには2度ヘルプ
2021年、アストロズへ移籍後のグレイブマンはERA3.13で前半ほどの威力は発揮しませんでしたが、ポストシーズンではALDSからWSまで9試合に登板し、ERA 1.64とさすがの結果を披露。アストロズの期待に応えました。なお、2021年のワールドシリーズ覇者はブレーブスです。
2021年のオフシーズンは騒がれたケンダール・グレイブマンでしたが、サインしたのはホワイトソックスで3年/$24M (2022-24)。
2022年、ホワイトソックスでのケンダール・グレイブマンは65試合、65.0 IPでERA 3.18をマーク。ホワイトソックスは2020年、2021年と2年連続でポストシーズンに進出しましたが、コンテンダーとなったのはこの年が最後。
2020年に実力がありながら、ポストシーズンで早期敗退したことで、フロントはオールドスクールのトニー・ラルーサを監督に招きましたが、ラルーサ自身がもはや采配のキレがなく、ホワイトソックスは若手の教育に失敗。これが壊滅的な2024年の121敗に繋がります。
さて、グレイブマンはホワイトソックスで43試合に登板し、ERA 3.48とチーム事情の割には良い成績を残しましたが、2023年7月のトレード・デッドラインで再びアストロズからブルペン・ヘルプを請われる形で移籍し、アストロズでは22.1 IPでERA 2.42と結果を出しました。ただ、この年はポストシーズンでは登板せず。アストロズもALCSでレンジャーズに敗退しました。
2024年に全休→回復済み!!
2024年も契約が残っていたケンダール・グレイブマンは引き続きアストロズに在籍していましたが、2024年1月に右肩の関節唇断裂の修復手術を受けることなり、2024シーズンを全休することに。
ただ、2024年夏の終わりには投球許可が下り、リハビリも開始しました。
ただ、オフにはFAとなり、今回の契約に至るという流れです。
現在は通常のオフシーズンと同様の投球とコンディショニング・プログラムをこなし、スプリング・トレーニングへの準備は整っているので、Dバックスは期待して良さそうです!
Dバックスのブルペンは強力!
現時点のDバックスのブルペンはご覧の通り。非常に強力で、しかも余裕があります。
- A.J.・パック(A.J. Puk )|LHP – クローザー
- ジャスティン・マルチネス(Justin Martinez)|RHP – セットアップ/クローザー
- ケビン・ギンケル(Kevin Ginkel)RHP – セットアップ
- ケンダール・グレイブマン(Kendal Graveman)|RHP- セットアップ
- ジョー・マンティプライ(Joe Mantiply)|LHP
- ライアン・トンプソン(Ryan Thompson)|RHP
- カイル・ネルソン(Kyle Nelson)|LHP
- ドレイ・ジェイムソン(Drey Jameson)|RHP
よって、セットアップより前の5回、6回に再びゲームを立て直すタイミングでかなり良い投手を注ぎ込めます。2023年のときのように打線が機能すれば怖いこと間違いなしです。
ケンダール・グレイブマンが入ったことで、Dバックスは再び面白いことをしてくれそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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