ロン・ワシントン監督は9イニング目に大きな選択肢
現地2025年2月11日、ロサンゼルス・エンゼルスはレッドソックスからFAとなっていた通算447セーブのケンリー・ジャンセン(Kenley Jansen)と1年契約で合意しました。
エンゼルスには2024年にMAX 105.5 mphを叩き出したベン・ジョイスという強烈な右腕がおり、2024年は31試合で4セーブをマークしましたが、年間を通じて安定して9回を任せられるということで大ベテランのケンリー・ジャンセンを獲得したことはロン・ワシントン監督の9回の采配に大きな選択肢をもたらすことになりました。
契約内容
ケンリー・ジャンセンとエンゼルスの合意内容は大筋では以下の通り。
- 1年/$10M (2025)
ケンリー・ジャンセンは直前の契約においてもレッドソックスと2年/$32M (2023-24)でサインし、AAVは$16Mで、オプションもなかったことから、上記の内容でファイナルということになりそうです。
2024年のケンリー・ジャンセン
誕生日が1987年9月30日で現地2025年2月11日時点で37歳のケンリー・ジャンセンは、2024年はレッドソックスで38試合に登板し、27セーブをマーク。
54.2イニングを投げてERAは3.29で、SO%は28.4、BB%は9.2%を記録。SO%のリーグ平均は21.2%ですから、平均以上の三振率をマーク。BB%のリーグ平均は8.2%で、こちらはそれを下回る結果となりました。これに関してはリリーバーは非常に厳しい場面での登板が多いゆえに、くさいコースに投げることが多く、BB%は少ないに越したことはないものの、極端にそれを下げることは難しいとも言えます。
ただ、ジャンセンはハラハラドキドキのセーブシチュエーションが多かったのも確かです。
直近ワーストは2019年
今のケンリー・ジャンセンは、ドジャースでのキャリア初期に見せたような「出れば勝ちは確定」という状態にはないものの、過去3シーズンのERAは3.42をキープ。これはキャリアの中でもっとも悪かった2019年シーズンのERAの3.71を超えていません。2019年は例のジュースド・ボールのシーズンでバーランダーも大いに怒っていましたが、ジャンセンも9被弾を経験し、HR%は3.4でキャリア平均の2.3%を大きく上回るシーズンとなりました。
ちなみにジャンセンがもっともHRを浴びたシーズンは2018年で計13本。HR%はキャリアワーストの4.5%でした。なお、2018シーズンのERAは3.01に抑えています。
また、ケンリー・ジャンセンのキャリア初期の2010年から2017年までの8シーズンの平均ERAは2.08。最高品質は2017シーズンで68.1 IPで1.32という驚異的な成績を上げていました(下記動画は2017年の勇姿)。
「おやおや?」ということが起こり始め、神話が崩れ始めたのが2018年からで、それが30歳の節目のシーズンでした。それ以降2024年までの7シーズンの平均ERAは3.21です。
通算450セーブへ
ケンリー・ジャンセンの通算セーブ数は上述の通り、447セーブ。こちらは現時点で歴代4位のセーブ数です。
【歴代セーブ数トップ11】
- マリアーノ・リベラ:652セーブ
- トレバー・ホフマン:601セーブ
- リー・スミス:478 セーブ
- ケンリー・ジャンセン:447セーブ
- クレイグ・キンブレル:440セーブ
- フランシスコ・ロドリゲス:437セーブ
- ジョン・フランコ:424セーブ
- ビリー・ワグナー:422セーブ
- デニス・エカーズリー:390セーブ
- ジョー・ネイサン:377セーブ
- ジョナサン・パペルボン:368
今季はマイルストーンの450セーブを達成しそうです。
やはりプライマリー・クローザー
上述の通り、エンゼルスにはベン・ジョイスがおり、MAXは105,5mphを投げ、アベレージでも102.1mphを記録。MLBで最も速いボールを投げるリリーバーで、メイソン・ミラーのアベレージ・ベロシティーの100.9mphをも超えます。
ただ、ベン・ジョイスは2024年は31試合、34.2イニングのみ。あまりに出力がすごすぎるため、故障のリスクも伴います。
その点から言ってもやはりプライマリー・クローザーはケンリー・ジャンセンということになるでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
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