ドジャース、予定通りにカーショウと再契約
現地2025年2月11日、ロサンゼルス・ドジャースはクラブの現役レジェンドであるクレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)との新しい契約に合意しました。
現時点ではフィジカル・チェックの結果待ちで、まもなくオフィシャルとなる見込みです。
このディールは大半の人が考えた通りになりました。将来の殿堂入り候補のクレイトン・カーショウはテキサス州ダラス出身であることから、キャリアの中の一時期は地元のレンジャーズへの移籍が噂されたこともありましたが、ここまでのキャリアはドジャース一筋。契約満了になるごとに再契約で更新しています。
そしてドジャースとカーショウのディールは合意時点でロスターがフルだったのも想定済み。スプリング・トレーニングのピッチャー&キャッチャー・リポートでILが有効になったタイミングで再会する手筈だったと言っていいでしょう。なお、ドジャースは現時点ではギャビン・ストーンを60DaysILにしていますが、その他、リバー・ライアン、ブラスダー・グラテロルもそのうち同じ60 Days ILに入るでしょう。
契約内容(更新)
ドジャースとカーショウのディールです。
- 1 年/$7.5M (2025)
- パフォーマンス・ボーナス:
- $1M /13, 14, 15, 16 先発ごとに(MAX : +$4M)
- ロスター・ボーナス: MAX $4.5M
- $2.5M /アクティブ・ロスターに30日在籍で
- $1M / アクティブ・ロスターに60日、 90日在籍で
- パフォーマンス・ボーナス:
前の契約は2年/$10M保証 (2024-25)で、2025年も$5Mのプレーヤー・オプションが入っていたのですが、カーショウは2025年のオプションを断りました。これも形式的なものであったことは間違いなく、両者は何らかの新しい形で更新するのはほぼわかっていたことでもありました。
「生涯、ドジャース」のカーショウのすごいキャリア
クレイトン・カーショウは2024年のワールドシリーズ終了後に「生涯ドジャース」を宣言。
直近のカーショウはさすがに下降気味ではあるのですが、彼がこれまで築いてきたキャリアがこちら。本当にすごかったのです。
- NL オールスター選出:10度 (2011-2017, 2019, 2022 & 2023)
- NL MVP:1度(2014 )
- NLサイ・ヤング賞受賞:3度
- 2011:33先発 | 21勝5敗| ERA 2.28 | IP 233.1 | SO 248
- 2013:33先発 | 16勝9敗| ERA 1.83 | IP 236.0 | SO 232
- 2014:27先発 | 21勝3敗| ERA 1.77 | IP 198.1 | SO 239
- NL ゴールドグラブ受賞:1度 (2011)
- NL 投手トリプル・クラウン (2011)
- WIN :21勝 | ERA: 2.28 | SO: 248
- NL ERAタイトル:4年連続を含む計5度 (2011-2014 & 2017)
- NL 最多勝:3度 (2011, 2014 & 2017)
- NL 最高勝率:1度 (2014: .875)
- NL 最多投球回:1度 (2015: 232.7 IP)
- NL 最多奪三振:3度 (2011: 248 | 2013: 232 | 2015: 301)
- NL 最多完投:2度 (2014 & 2015)
- NL最多完封:3度 (2013, 2015 & 2016)
- 15 勝以上のシーズン: 6度 (2011, 2013-2015, 2017 & 2019)
- 20 勝以上のシーズン: 2度 (2011 & 2014)
- 200 IP以上のシーズン: 5度 (2010-2013 & 2015)
- 200 奪三振以上のシーズン: 7度 (2010-2015 & 2017)
- 300 奪三振以上のシーズン: 1度 (2015)
- WSチャンピオン・リング:2個(2020, 2024) ※2024年時は投げておらず
とりわけ2011年から2017年までの7シーズンのサイ・ヤング賞投票の順位はご覧の通り。
4年連続、あるいは5年連続の受賞もあり得たというくらいの成績。ちなみに2012年にサイ・ヤング賞を受賞したのはわりと球速のあるナックル・ボールの使い手として一世風靡したメッツのRA・ディッキーで、20勝6敗、ERA2.77でした。このとき、カーショウは14勝9敗、ERA 2.53。
また、キャリアの中でのシーズン最多奪三振は2015年の301。IPが232.1 でSO 300超えですから強烈です。なお、2015年の奪三振数2位は当時ナショナルズにいたマックス・シャーザーで276。カーショウがダントツでした。
もう手がつけられないくらいに圧倒していたカーショウでした。
2024年は2勝だったレジェンド
上記の通り、すさまじい成績を残してきたクレイトン・カーショウは直近では故障がちとなり、さすがにこれまでの疲労の蓄積が表面化してきました。
クレイトン・カーショウは1988年3月19日生まれで、2025年の東京開幕で37歳となります。
2023年終了後には左肩を手術し、2024年のシーズン・デビューは7月25日となり、7試合、30.0 IPで2勝2敗、ERA 4.50に終わりました。これは怪我に悩まされて9勝5敗、ERA 2.73、SO 155にとどまった2018年以来、キャリア・ワーストの成績。
思えば、2018年は5月6日に上腕二頭筋の腱炎でDL入り(当時はDLという呼び方)となり、5月31日に復帰しましたが、すぐに腰の故障を発症して再びDL入り。6月23日に復帰するも、本来の調子を取り戻すことなく、上記の成績で終わりました。この時期はカーショウのキャリアもどうなるか?と心配しましたが、それでも2019年に16勝5敗を上げて復活。短縮シーズンの2020年にも6勝2敗、ERA 2.16をマークし、ワールドシリーズ制覇に貢献。
その後も2021年から2023年まで二桁勝利をマークし続けました。
怪我の状況
そんなクレイトン・カーショウの現在の怪我の状況ですが、2024年のワールドシリーズ終了後に、左足指と左膝の手術を受けることを公表。足指の故障は外反母趾の骨棘で、これがかなり厄介だったようです。また半月板断裂と足底板断裂も抱えていたようで、オフシーズンはもう治療に専念していたというところです。
よって、2025シーズンのスタートは少し遅れるかもしれず、東京シリーズのロスターに入るかどうかも未定です。ひょっとしたら、日本のファンのために来日はするかもしれませんが、調整の状況次第というところでしょう。
3000奪三振へ!
クレイトン・カーショウの通算成績は432試合登板で2742.2IPを投げ、212勝94敗、ERA 2.50。
ドジャースのレジェントで現役最後のシーズンで27勝をマークしたというサンディー・コーファックス(全盛期のままフィールドを去りたいということで30歳で引退)は、397試合、2324.1 IPで165勝87敗、ERA 2.76。MLBキャリアの年数は違うとは言え、カーショウはクラブのレジェントを上回る成績を残しています。
そして、クレイトン・カーショウのここまでの奪三振数は2968。ということは3000奪三振という大きなマイルストーンまであと32個。すぐそこまで来ているので、ぜひとも達成してもらいたいですね。
LADのいいカルチャーを作ってきたカーショウ
輝かしい成績を残しているクレイトン・カーショウは練習熱心で有名。理想の投球を追求していくタイプの人です。投げることがとにかく好きらしく、投げる周辺のトレーニングまで入れれば自然と練習量が増えてしまうという感じのようです。
ドジャースの良いカルチャーづくりに貢献してきたことは間違いなく、まさに良いお手本。その存在感ゆえにクラブ側も手放したくないでしょうね。
もしも今のドジャース打線がそのまま10年前に存在していたとしたら・・・クレイトン・カーショウはシーズン30勝くらいマークしていたかもしれません!?
お読みいただき、ありがとうございました。
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