期限ギリギリで決まる
日本時間2025年1月18日、阪神タイガースからポスティングでMLB入りを目指していあ青柳晃洋投手のディールが決定。フィラデルフィア・フィリーズとのマイナー契約となりました。
マイナー契約ではありますが、青柳晃洋投手は2月から始まるスプリング・トレーニングにはNRI(Non Roser Invitee)としてメジャー・キャンプに参加することが決まっています。
青柳晃洋投手の入団プロセス
青柳投手は2015年の阪神のドラフト5位で指名を受け、首都大学リーグの帝京大からプロ入り。2016年のデビューから2024年まで9シーズンを過ごしました。
【NPBのFA権の要件】
- 国内FA権:8シーズン
- 海外FA権:9シーズン
ただ、2024年はファームで投げた期間が長かったたりと、NPB版のサービスタイムの計算ではFA権を取得出来ず。ゆえにポスティングによりメジャー挑戦となりました。
ただ、佐々木朗希投手とは違い、年齢は31歳でNPBでのキャリアは6シーズン以上経過していましたので、ISBP(International Signing Bonus Pool)を考慮せずともよく、獲得クラブはリリース・フィーのみを気にするだけで良いというプロセスです。
【ISBPの考慮のフィルター】
- 年齢は25才以上
- 外国のリーグ(=NPB)で少なくとも6シーズン経過
獲得したクラブはリリース・フィーを以下のような方式で支払います。
【リリース・フィーの概要】
- $25M未満で合意した場合→20%
- $25,000,001〜$50Mで契約した場合
- 最初の$25Mに対して →20%
- 次の$25Mを超える額に対して→17.5%
- $50,000,001以上の契約
- 最初の$25Mに対して →20%
- 次の$25Mを超える額に対して→17.5%
- $50Mを超える部分に対して→15%
- 契約にSupplemental Fee(余剰の料金)がある場合、サイニング・ボーナス(契約金)あるいは、Vesting Option(〜を達成すれば$〜)がある場合はそれぞれ15%。
- マイナー契約の場合は、契約金の25% + 40manロースターに登録された場合の追加料金が加算されます。
阪神からMLB挑戦の承認を得た青柳晃洋は2024年12月4日にポスティングを申請。そこから45日が 東部時間で17日5:00PM、日本時間で18日7:00AMでした。
実は青柳選手には期限を過ぎても通知が届いていなかった模様。ただ、それも時差の関係のちょっとしたズレで起こったトラブルで、ディール自体は現地での期限1時間前に決まっていたとのことです。
もしもディールが決まらなければ、阪神に戻るというのがこのポスティング・システムで、青柳晃洋投手はマイナー・ディールを嫌うことも出来たのです。しかし、メジャー挑戦を選んだということですね。
契約内容
マイナー契約ゆえにサイニング・ボーナスはそれほど期待できないかと思います。
よって阪神へのリリース・フィーは上記のサイニング・ボーナスとメジャー・ロスターに登録された後の金額によって変わり、現時点では詳細は出ておりません。わかりましたら、追記します。
頑張って欲しいポイント
一旦は阪神残留という情報が流れ、手を叩いて喜んだファンも多かったはず。阪神残留なら2025年は活躍するのでは?というのは筆者も思っていました。
というのも直近2シーズン(2023-2024)が不調だった青柳晃洋投手はその原因が怪我、あるいは疲労の蓄積による不調であったなら、2025年はそろそろ復調しても良いタイミングかもと思っていたからです。であれば再び阪神の戦力になるだろうと。
ただ、今回は環境を変えて心機一転という選択をされたということですね。
おそらくブルペン
もしも青柳投手が2021年や2022年の時のように2シームを面白いくらいに決めてゴロを取りまくってダブルプレー網にかける投球が出来たなら、非常に面白い存在になりそうです。
Season | W-L | G(GS) | IP | ERA | SO |
---|---|---|---|---|---|
2021 | 13-6 | 25(25) | 156.1 | 2.48 | 104 |
2022 | 13-4 | 24(24) | 161.2 | 2.05 | 132 |
スプリング・トレーニングでなんとかチャンスを掴んでもらいたいところです。
VS左打者
あとはサイド・ワインダーということで左打者との対戦が課題になってきそうです。
青柳投手は2024年は対右打者の打率が.242だったのに対し、左打者の打率は.316。2024年は不調だったのでより左打者に打たれてはおりますが、復調して芯を外す投球ができれば面白いと思います。
パンデミックの影響で1年遅れで東京で開催された東京オリンピックの日本代表の投手として登板した際は2回の登板で1.2イニングを投げて5失点を喫したのも気になるところですが、健闘を祈りたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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