プラトゥーン起用が見込まれるジェシー・ウィンカー
現地2025年1月16日、ニューヨーク・メッツは、FAとなっていたOFのジェシー・ウィンカー(Jesse Winker)との再契約に合意しました。現時点ではフィジカル・チェックの結果待ちです。
ジェシー・ウィンカーは2024年はナショナルズとサインしていましたが、トレードデッドラインでメッツに移籍。2022年と2023年は成績が極端に落ち込みましたが、2024年はベストとは言い難いまでも、ほぼ復活。2025年はキャリアハイのシーズンを目指します。
契約内容
両者の契約内容はご覧の通り。
- 1年/$7.5M 保証(2025)
- サイニング・ボーナス:$1M
- パフォーマンス・ボーナス:+$1.5M
1993年8月17日生まれのジェシー・ウィンカーは31歳で開幕を迎え、シーズン後半に32歳に。まだまだ衰える年齢ではありませんが、直近のシーズンの実績からオプションなしの1年契約でその代わりにパフォーマンス・ボーナスがついているという内容です。
ジェシー・ウィンカーとは
ジェシー・ウィンカーは2012年のアマチュアドラフトでレッズから1巡目指名(全体49位)を受けてプロ入り。18歳、高校卒でのプロ入りでした。そのドラフト・イヤーにルーキー・リーグでプロデビューを果たしたジェシー・ウィンカーは62試合に出場して打率.338、HR 5本塁打をマークし、上々のプロデビューを果たします。
マイナーで順調に昇格していったジェシー・ウィンカーはドラフトから5年後の2017年に23歳でメジャー・デビュー。デビュー戦は2017年4月14日のブルワーズ戦。メジャー初安打はデビュー翌日の4月15日で、相手投手は2011年にNPBの巨人で投げたことのあるカルロス・トーレスから放った二塁打でした。
メジャー初シーズンは47試合に出場し、打率.298、HR 7、RBI 15、OPS+は132。好成績を残しました。2018年は89試合に出場し、この年も打率.299、HR 7、RBI 43の好成績をマーク。これがきっかけで2019年はスターターとしてLFを中心にOFの全てのポジションを守りながら113試合に出場。、打率 .269、HR 16、RBI 38と、この年はやや落ちました。
転宿シーズンとなった2020年は60試合中、54試合に出場。打率 .255、HR 12、RBI 23とレッズの攻撃の主軸として機能。OPS+は138を記録し、レッズのポストシーズン進出に貢献。
ただ、ポストシーズンではレッズはワイルドカード・シリーズでブレーブスにスウィープされたため、ここで敗退。ジェシー・ウィンカーは6打数1安打、BB 1。
輝いた2021年
パンデミック明けのフルシーズンとなった2021年、ジェシー・ウィンカーは開幕から大爆発。4月末時点の打率は.370。2021年5月21日のブルワーズ戦では1試合3HRをマーク。1試合3HRは6月6日のカージナルス戦でも記録。前半戦にいかに暴れまくったかがよくわかる出来事です。
2021年7月11日のオールスター前最後のゲームを終えた時点の成績は82試合で.301/.382/.539、HR 19、RBI 50をマーク。オールスターにも選出されました。
順調だった2021シーズンでしたが、8月15日に肋間筋を痛めて離脱。結局、これでシーズンエンディングとなってしまいました。好調なシーズンだっただけに非常に残念。ジェシー・ウィンカーの離脱はそのままレッズの成績にも影響し、レッズはポストシーズン進出も逃しました。この年は全110試合に出場し、.305/.394/.556、HR24、RBI 71、OPS+ 140をマーク。これがキャリアハイのシーズンです。
2022年3月、開幕を前にジェシー・ウィンカーはユーヘイニオ・スアレスとともにトレードでマリナーズに移籍。
2022年オフに
前年の成績もあり、大いに期待されたジェシー・ウィンカーでしたが、この年は136試合に出場するも、.219/.344/.344、HR 14、RBI 53と輝いていた確実性が一気に消える結果に。
実はこの不調には原因があり、ジェシー・ウィンカーは2022年オフに膝と脊椎の手術を受けたのでした。
2022年12月、今度はマリナーズがコルテン・ウォンを獲得したトレードでジェシー・ウィンカーはブルワーズに移籍することに。
手術の影響もあり、2023年は61試合の出場に留まり、打率.199、HR 1と極端に落ち込んだシーズンとなってしまいました。
2024年に復活
2022年、2023年と2年連続で落ち込んだジェシー・ウィンカーは2023年11月にFAとなり、2024年2月半ばにナショナルズとマイナー契約でサイン。
開幕メジャーを勝ち取ったウィンカーはナショナルズで101試合に出場し、.257/.374/.419、HR 11、RBI 45とまずまずの成績を残し、トレード・デッドラインでメッツに移籍。メッツでは44試合に出場し、.243/.318/365、HR 3、RBI 13とこれまたまずますの成績をマーク。ポストシーズンではドジャースとのNLCSで13打数5安打をマークし、つなぎの役割を果たしました。
メッツではプラトゥーン起用の見込み
フアン・ソトが入ったメッツのOFはソトがRF、ブランドン・ニモがLFでこの2人は決まり。CFはおそらくタイロン・テイラー。もともとコーナーを守っていたスターリン・マルテは浮いてしまいました。トレードを模索したメッツでしたが、$19Mの高単価ゆえにディールはまとまらず、マルテはこのまま残留です。他にもホセ・シリがおります。
ジェシー・ウインカーもポジションはコーナーが多かったので、メッツはおそらくDHで起用すると思われます。たまにOFの起用もあると思いますが、いずれにせよプラトーン起用される可能性が高いです。ジェシー・ウィンカーは右投手に対しては.276/.379/.463ですが、左投手に対しては.210/.324/.338とグンと成績が落ちます。その点でもやはり右投手の時のDHということになるかと。
1Bはマーク・ビエントス?
メッツはここに来て、FAとなっているピート・アロンゾがほかのクラブとサインするのを良しとする姿勢を見せました。再契約はほぼないと見ていいかもしれません。そうなると1Bが空いてしまいます。
メッツは1Bに2024年のポストシーズンで大活躍したマーク・ビエントスを起用する見込みです。そうなると3Bが空いてしまいますが、ここはアクーニャの弟のルイサンジェール・アクーニャやブレット・ベイティーらが候補としてポジションを争うことになりそうです。
左投げのウィンカーが1Bを守れれば言うことなしでしたが、守備はやはりOF。
メッツ、贅沢税超過
2024-25のストーブ・リーグのはじめには2025年の贅沢税の閾値$241Mをかなり下回っていたメッツですが、フアン・ソトの15 年/$765M (25-39)のディールなどもあり、今オフも当然超過となっています。現時点では$285M。おそらくまた$300Mは超えてくるでしょう。
そうなるとメッツは2022年から4年連続での超過となり、仮に$300Mを超えたとしたら、超過$60M超えで110%のレートが適用されるというなかなか豪快なことになってしまいます。
メッツの贅沢税の状況も見ものですね。
ジェシー・ウィンカーがレッズ時代の2021年のように輝くことを期待したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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