名手ブランドン・クロフォードが引退を表明
現地2024年11月27日、サンフランシスコ・ジャイアンツのアイコン的存在で、名手と言われ続けたブランドン・クロフォード(Brandon Crawford)が引退を表明しました。
キャリア14シーズン、37歳での引退です。”ブランドン・クロフォード”と言えば、SSの名手という図式が浮かぶほど素晴らしいプレーを連発してくれました。
お疲れ様でした。
ジャイアンツのSSと言えばこの人
ブランドン・クロフォードはカリフォルニアの出身で大学はUCLA。在学時は2度のチームMVPに輝き、まるで絵に書いたようなカリフォルニアの野球エリートでした。2008年、アマチュア・ドラフトでジャイアンツから4巡目指名されてプロ入り。
ドラフト・イヤーにはルーキー・リーグからすでにクラスA-(マイナス)に昇格。2009年にはクラスA+(プラス)で開幕を迎え、25試合を終えた段階ですぐにダブルAに昇格。ダブルAでは108試合で101安打を放ち、打率.258をマーク。この年のオフ、AFL(アリゾナ・フォール・リーグ)にも出場し、打率.312をマーク。2010年にはダブルAのイースタン・リーグでオールスターにも選ばれました。イースタン・リーグというのはジャイアンツのダブルAリッチモンドは東海岸のバージニア州にあるため。
デビュー戦でグランドスラム(2011)
そして2011年、前年にWSチャンプを獲ったジャイアンツに怪我人が続出したため、2011年5月27日にメジャー・デビューとなりました。そのデビューのブルワーズ戦の第3打席で、ショーン・マーカムから放ったメジャー初ヒットがグランドスラムとなり、これが決勝点となりジャイアンツは5-4で勝利。ティム・リンスカムにシーズン5勝目をプレゼントしました。
なお、メジャー初ヒットがグランドスラムというのは、ジャイアンツではバリー・ボンズとブライアン・ダリモア以来3人目。またメジャーでは初戦でグランドスラムを放った史上6人目の選手となりました。デビューイヤーは66試合に出場し、.204/.288/.296という成績に終わり、バットではデビュー戦以上の活躍は見せることは出来ませんでした。
2012年からSFGのSSに
2012年、ブランドン・クロフォードはオーランド・カブレラの離脱に伴い、ジャイアンツのレギュラーSSに定着。この年のポストシーズンでは、ALのデトロイト・タイガースを撃破し、2010年以来のワールド・シリーズ・タイトルを獲得。2013年の成績は.248/.311/.363。
PSで史上初のSSのグランドスラム
2014年は.246/.324/.389、二塁打 20、三塁打 10、HR10をマーク。ポストシーズンでは2014年10月1日、パイレーツとのNLワイルドカードゲームの5回に先制のグランドスラムを放ち、活躍。このゲームはエディンソン・ボルケスに抑えられていたのですが、クロフォードが風穴を空け8-0のスコアで勝利。
なお、ブランドン・クロフォードはポストシーズンでグランドスラムを放った史上初のSSになりました。これはデレク・ジーターでさえ達成していなかった偉業です。ジャイアンツはワールドシリーズでカンザスシティ・ロイヤルズを破り、2012年以来のワールドシリーズタイトルを獲得。ブランドン・クロフォードは打率.304をマークしました。
2015年から2021年まで勝利に貢献
直近のジャイアンツのワールドシリーズ・タイトルは2010年からの2014年までの偶数年に計3度。2014年が最後のタイトルとなっています。
ブランドン・クロフォードのキャリアはむしろ2015年以降にピークを迎え、2021年までの7シーズンで.260/.328/.428、OPS.756をマーク。HR 104、RBI 476、850安打を放ちました。特に素晴らしかったのは2015年から2018年になり、タイトルもほぼこの期間に集中。2019年に落ち込み、2020年はコロナ・パンデミックで平凡な成績に。そして2021年に復活を遂げたという7シーズンでした。
今でこそ、名手として名高いブランドン・クロフォードですが、メジャーに上がったばかりの頃は守備に不安があるという評価でした。昇格前のマイナーでは守備の評価は高かったものの、上に上がってからの数年間は確かにポロッとやるケースも多く、動きは素晴らしいものの、やや雑に見えるときがあったのです。またメジャーの野手は打ってなんぼですから、上がったばかりの頃は打撃へ注力し、それが守備にも影響したと思われます。
Happy retirement to Brandon Crawford!
— Baseball Quotes (@BaseballQuotes1) November 28, 2024
Some of the smoothest hands of all time
pic.twitter.com/aRk6V6oCmT
2023年終了までジャイアンツ一筋。これはクラブ側がキープする方向に舵を取っていないと無理な話で、それだけかけがえのない選手でした。
2024年にFAでジャイアンツを離れましたが、これはファーハン・ザイディーの判断。もしも今の編成トップのバスター・ボージーがいたならクロフォードはジャイアンツでキャリアを終えていたでしょう。カージナルスでの1年間は、28試合のみの出場でHRは1本。
成績
メジャーリーグでの通算成績は以下の通りです:
- 出場試合数:1684試合
- BA:.249
- HR:147本
- RBI:748
- Hits:1404本
- ダブル:295本
- トリプル:44本
- RUNS:674
- BB:544
- SB:47
- OPS:.713
タイトルは以下の通り。
- オールスター出場:3度 (2015, 2018 & 2021)
- ゴールド・グラブ賞受賞:4度 (2015-2017 & 2021)
- シルバー・スラッガー賞受賞:1度 (2015)
- NL 3塁打:1位(2016:11)
- 20 HR以上のシーズン: 2シーズン (2015 & 2021)
- WSタイトル:2度( 2012 and 2014)
- WBC アメリカ代表でタイトル:2017
義弟はゲリット・コール
なお、ブランドン・クロフォードの妹さんはゲリット・コールと結婚 。ゆえにゲリット・コールの義理の兄になります。
好きなシーン
なお、クロフォードのプレーで個人的に好きなシーンはこれです。2012年8月28日のゲームで、パトリック・サンドバルがファウル・フライを豪快にお手玉したのですが、ブランドン・クロフォードのそれをフォローしたプレー。これを見た当時はやはりメジャーは面白いなと思ったものです!
デビュー2シーズン目でダグアウトでも初々しいクロフォードが見られます。
素晴らしいプレーをありがとうございました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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