FLゲイターズのチームメイト同士のスワップ
現地2024年11月22日、レッズとロイヤルズの間でトレードが成立。ブレイディー・シンガーとジョナサン・インディアが動きます!今回は投手と打者のスワップではありますが、メジャー・リーグでは稀に見るバランスの取れたトレードの成立となりました。
というのも2人はフロリダ大学(University of Florida)時代のチームメイト。ともに2018年のアマチュア・ドラフトで指名され、プロ入りしたのでした。ブレイディー・シンガーは全体18位、ジョナサン・インディアは全体5位での指名でした。
なお、フロリダ大学のニックネームはゲイターズ(Gators:ワニ)です。これは野球もフットボールもそうです。
トレード概要
このトレードで動くのは計3名です。
レッズGet
- ブレイディー・シンガー(Brady Singer/28)RHP
ロイヤルズGet
- ジョナサン・インディア(Jonathan India/28)2B/RR
- ジョーイ・ウィーマー(Joey Wiemer/26) CF/RR
背景
KCはリードオフの補強
まずロイヤルズですが、2019年アマチュア・ドラフト1巡目指名(全体2位)のSS、ボビー・ウィット・Jr.が2022年にデビューし、2023年に開花し、2024年はついに大輪の花を咲かせ、rWAR9.4、MVP投票で2位で満票を得るほどの大選手へと成長を遂げました。
そんな大スターを擁したロイヤルズですが、2024年はリードオフ・スポットが効果を発揮せず、せっかっくのボビー・ウィットの力をフルに利用出来たとまで言えない状況に。2024年は3Bのマイケル・ガルシアが主にリードオフを務めましたが、打率.231、さらにOBP .281。このOBPはあまりにも辛すぎる数字になったのでした。
よって、ジョナサン・インディアを獲得することでより安定したOBPをキープし、ボビー・ウィットJr.から中軸のサルバドール・ペレス、ビニー・パスカンティーノにつなぐという理想を実現する手立てを得たのでした。
CINはローテーションの補強
一方のレッズはハンター・グリーン、アンドリュー・アボットはかなり強いローテーションではあるものの、そこからやや落ちて左腕のニック・ロードロがおり、その後はフランキー・モンタス、グラハム・アッシュクラフトが続きますが、どうしても落ちてしまう面がありました。2025年はニック・マルチネスがQOを受諾して残りましたので、ブレイディー・シンガーが入ることでローテーションを補強したいという思惑がありました。
よって、ともに受給が一致し、トレードに至ったというところです。
またレッズは2025年はマット・マクレーンが怪我から復帰しますので、SSにエリー・デラクルーズを置き、2Bにマット・マクレーンが入ればセンター・ラインはかなり安定したものにはなり、ジョナサン・インディアを出した後の計算も出来ているように思います。
(CIN)ブレイディー・シンガー
2025年の開幕を28歳で迎えるブレイディー・シンガーは2020年に23歳でデビューして以来、ロイヤルズのローテーションを守ってきました。
これまでのキャリアハイは2022年で、27試合に登板し、24先発で153.1イニングを投げ、10勝5敗、ERA 3.23をマーク。この時はrWARは4.5がつきました。
しかし、2024年はそれをさらに上回る投球を見せ、32先発で179.2イニングを投げ、9勝13敗、ERA 3.71をマーク。負け数は混んでしまいましたが、仕事量の点では2022年を大きく超えました。rWARは3.1。
もともと筋の良いピッチャーらしいピッチャーで、2024年はリズム感がさらに増し、ややマシーンぽい感じが出てきましたが、小気味よい投球で中盤まで試合を作ってくれる安定感はあります。
ロイヤルズはセス・ルーゴ、コール・レーガンズに加え、すでにマイケル・ワカとも再契約済み。また、2024年に129イニングを投げたアレク・マーシュもおります。ブレイディー・シンガーが抜けましたが、2025年は元ブレーブスのカイル・ライトが肩の手術から復帰予定で、さらに2023年にトミー・ジョン手術を受けたクリス・ブービックも復帰予定。この2枚が加わることも計算に入れていると思われます。
(KC)ジョナサン・インディア
ロイヤルズに移籍するジョナサン・インディアは2021年に華々しくキャリアをスタートさせ、150試合に出場し、.269/.376/.459、HR 21、二塁打 34、RBI 69をマークし、NL ROYを受賞。
ただ、その後の3シーズンはハムストリングと足の故障でそのレベルをキープ出来ませんでした。2022年と2023年は併せて222試合の出場で.246/.333/.394、HR 27。この間、レッズのトレード・カードとしてトレード・デッドラインやオフの移籍市場で名前が挙がっていたほど。
しかし、2024シーズンはルーキー・イヤーには及ばないものの、.248/.357/.392、HR15をマークし、復活したと見ていいでしょう。ロイヤルズに入り、ボビー・ウィットと二遊間を組むことで打撃でも良い相乗効果が得られるかもしれません!
(KC)ジョーイ・ウィーマー
ジョナサン・インディアとともにロイヤルズへ移籍するジョーイ・ウィーマーは26歳になる右投げ右打ちのCF。ドラフトは2020年のブルワーズの4巡目指名。2024年のトレード・デッドレインでブルワーズが右腕のフランキー・モンタスを獲得したトレードでレッズへ移籍。
メジャー・デビューはブルワーズ時代の2023年で132試合に出場し、.204/.283/.362、HR13、RBI 42をマーク。2024年も期待されましたが、いかんせん上記のような成績ゆえ、ルーキーのジャクソン・チューリオに出場機会を奪われてしまいました。
ロイヤルズで開花なるか?注目です。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント