2024-25クオリファイング・オファーの結果が判明
現地2024年11月19日東部時間4時PM、クオリファイング・オファーが正式に期限を迎え、その結果が判明しました。ニック・マルチネスのみが受諾することになりました。
受諾する候補として他にレッドソックスのニック・ピベッタ、メッツのルイス・セベリーノの名前が上がっていましたが、この2人は、決断のウィンドウが開いていた15日の間に早めに拒否の結論を下し、特に波乱という結果にはなりませんでした。
結果
- フアン・ソト(Juan Soto): NYY→辞退
- コービン・バーンズ(Corbin Burnes): BAL→辞退
- アレックス・ブレグマン(Alex Bregman) :HOU→辞退
- マックス・フリード(Max Fried):ATL→辞退
- ウィリー・アダムス(Willy Adames):MIL→辞退
- ピート・アロンゾ(Pete Alonso):NYM→辞退
- アンソニー・サンタンデア(Anthony Santander):BAL→辞退
- テオスカー・ヘルナンデス(Teoscar Hernández ):LAD→辞退
- ニック・ピベッタ(Nick Pivetta):BOS→辞退
- クリスチャン・ウォーカー(Christian Walker):AZ→辞退
- ショーン・マナエア(Sean Manaea):NYM→辞退
- ルイス・セベリーノ(Luis Severino):NYM→辞退
- ニック・マルチネス(Nick Martinez):CIN→受諾
皆、少なくとも3年以上を希望
QOを辞退した12人全員が、少なくとも3年契約を求めており、特にフアン・ソトはMLB史上最大の契約を視野に入れています。
その他、高額契約の可能性のある選手としてはコービン・バーンズ、マックス・フリード、ウィリー・アダムス、アレックス・ブレグマン、ピート・アロンゾ、アンソニー・サンタンデアも9桁($100M〜)を手にする可能性があります。
そのほかのルイス・セベリーノ、ショーン・マナエア、テオスカー・ヘルナンデス、ニック・ピベッタ、クリスチャン・ウォーカーは3年〜5年のマルチイヤーディールが期待されており、年齢が高い選手はAAVの単価の高い2年契約もあり得ます。
12選手との契約
QOを辞退した12選手が他クラブと$50Mを境にサインした場合、サインした側にはドラフト・ピック権とインタナショナル・サイニング・ボーナス・プールの金額にペナルティーが、出て行かれた側にはドラフト補償が用意されています。なお、再契約となった場合は状況は動きません。
3つのカテゴリー分け
まず、各クラブの2024年の主に財政に関わる状況を贅沢税とレベニューシェアリングの受領状況によって整理します。
1. CB TAX(贅沢税)超え 9クラブ
2024年の閾値の$241Mを超えたのは以下の9クラブ。
- アストロズ、ブルージェイズ、ブレーブス、カブス、ドジャース、メッツ、フィリーズ、レンジャーズ、ヤンキース
2-1. レベニューシェアリング受領チーム (14クラブ)
- アスレチックス、ブルワーズ、Dバックス、ガーディアンズ、マリナーズ、マーリンズ、オリオールズ、パイレーツ、レイズ、レッズ、ロッキーズ、ロイヤルズ、タイガース、ツインズ
2-2. 1および2の双方に該当しないクラブ(7クラブ)
レベニューシェアリングを受領しておらず、且つ贅沢税の閾値も超えていないクラブ。
- エンゼルス、カージナルス、ジャイアンツ、ナショナルズ、パドレス、レッドソックス、ホワイトソックス
3. 契約金額
- $50M未満の契約
- $50M以上の契約
ペナルティー及び補償の詳細は下記をご参照ください。
QO 辞退のプレーヤーを失うことに対する補償
チームが選手にQOを与え、その選手が別のクラブと契約した場合、その選手を失ったクラブはドラフト ピック報酬の対象となります。
そして、どのラウンドでのピックになるのか?は、レベニューシェアリングを受領しているかどうか?または贅沢税の基準額を超えているかどうかで決まってきます。
- レベニュー・シェアリングの受領
アスレチックス、ブルワーズ、Dバックス、ガーディアンズ、マリナーズ、マーリンズ、オリオールズ、パイレーツ、レイズ、レッズ、ロッキーズ、ロイヤルズ、タイガース、ツインズ- 50Mドル以上
- QOを辞退した選手を失ったチームがレベニュー・シェアリングの受領者である場合、出て行ったプレーヤーが$50M以上でサインした場合にのみ、2025年MLBドラフト1巡目の後のコンペティティブ・バランス(以下CB)ラウンドAで補償を受けることができます。
- 50Mドル未満
- 出て行ったプレーヤーが $50Mドル未満で契約した場合、元の所属チームの補償ピックは、Round2に続くCBラウンドB の後に行われます。
- 50Mドル以上
- レベニュー・シェアリングを受領しておらず
エンゼルス、カージナルス、ジャイアンツ、ナショナルズ、パドレス、レッドソックス、ホワイトソックス- $50Mの契約如何は問われず。
- その補償的なピックは、CBラウンド B の後に行われます。
- 贅沢税の基準額241Mドルを超えたクラブ
アストロズ、ブルージェイズ、ブレーブス、カブス、ドジャース、メッツ、フィリーズ、レンジャーズ、ヤンキース- QO辞退選手を失ったクラブが贅沢税の閾値を超えていた場合、補償ピックは4巡目が完了した後に与えられます。
- ここでも$50Mの契約如何は問われず。
QOを拒否した選手と契約した場合のペナルティー
QOを拒否した選手と契約したクラブは、1 つまたは複数のドラフト ピックを失う可能性があります。新CBAにより、クラブの最高順位の1巡目戦指名権の没収は免除されます。これは、2017-21 CBAとの大きな違いです。
- 贅沢税閾値を超えたクラブ
アストロズ、ブルージェイズ、ブレーブス、カブス、ドジャース、メッツ、フィリーズ、レンジャーズ、ヤンキース- 2024年に贅沢税の閾値を超えたクラブは、2025年のドラフトで 2 番目と 5 番目に高いピック権を失うだけでなく、次のインターナショナル・ボーナス・プールの$1M分の枠を失います
- また、贅沢税の閾値を超え、複数のQO辞退FA選手と契約した場合、残りの3番目と6番目に高いピック権も失います。
- レベニューシェアリングを受領
アスレチックス、ブルワーズ、Dバックス、ガーディアンズ、マリナーズ、マーリンズ、オリオールズ、パイレーツ、レイズ、レッズ、ロッキーズ、ロイヤルズ、タイガース、ツインズ- 当該カテゴリーのクラブがFA辞退選手とサインした場合は、翌年のドラフトで3番目に高い指名権を失います。
- このような選手と2人契約した場合は、残り4番目に高い指名権も失うことになります。
- レベニューシェアリングを受領せず
エンゼルス、カージナルス、ジャイアンツ、ナショナルズ、パドレス、レッドソックス、ホワイトソックス- レベニューシェアリングを受領せず、贅沢税の基準額も超えていないクラブがQO拒否選手とサインした場合、2番目に高い指名権を失う
- それとともに、次の契約期間のインターナショナル・ボーナス・プールから$0.5Mの枠も失います。
- これらのクラブのうち2人のQO拒否選手とサインした場合は、残り3番目の指名権とさらに$0.5Mドル枠を没収されます。
もしもソトが・・・
ケースでみていきますと、もしもフアン・ソトがドジャースと契約したとしましょう。
- NYYの補償:NYYは贅沢税の閾値超えですので、NYYは4巡目が完了した後にドラフトピック権が与えられます。
- LADのペナルティー:LADは贅沢税閾値超えですので、2025年のドラフトで 2 番目と 5 番目に高いピック権を失うだけでなく、2025年のインターナショナル・ボーナス・プールの$1M分の枠を失います。ただ、クラブの最高順位の1巡目戦指名権はまだ活きているというのが新CBAの規定です。
- ソトがメッツやその他、贅沢税閾値超えのクラブと契約しても同じシナリオとなります。
- NYYとの再契約は該当せず。
もう一つ、オリオールズのアンソニー・サンタンデアがロイヤルズと$40Mでサインしたとします。
- BALの補償:BALはレベニューシェアリングの受領者でサンタンデアの契約が$50M未満のため、Round2に続くCBラウンドB の後でドラフトピック権を得ます。
- KCのペナルティー:KCはレベニューシェアリングの受領者のため、2025年のドラフトで3番目に高い指名権を失います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント