エンゼルス、積極的な補強
現地2024年11月12日になりますが、ロサンゼルス・エンゼルスがベテラン捕手を獲得。ブレーブスからFAのトラビス・ダーノー(Travis d’Arnaud)と2年契約でサインしました。こちらはもうオフィシャルです。
エンゼルスは今オフ、補強に非常に積極的でワールドシリーズ終了直後の現地2024年10月31日にはブレーブスからホルヘ・ソレアーをトレードで獲得。このトレードではローテーション右腕のグリフィン・カニングを出しています。
さらに、現地2024年11月7日にはカブスからFAとなった技巧派右腕のカイル・ヘンドリクスとのディールもまとめました。
契約内容
エンゼルスとトラビス・ダーノーとの契約は以下の通りです。
- 2年/$12M (2025-26)
支払いは均等割で$6M x 2年です。
ロスター
トラビス・ダーノーの獲得により、エンゼルスは26才の右腕で2024年に15試合に登板したギーヨ・ズニーガ(Guillo Zuñiga)をDFAとしてメジャー・ロスターから外しました。
ダーノーの獲得と何等かの連動があったのか、エンゼルスは同時に2024年にブレーブスでキャッチング・コーチを務めていたサル・ファサーノをアシスタント・ピッチング・コーチに採用しています。
ATLは前へ
1989年2月10日生まれのトラビス・ダーノーは2025年の開幕を36才で迎えます。2020年から2024年まで5シーズン、ブレーブスの捕手としてプレー。直前の契約はご覧の内容でした。
- 1年/$8M (2024) + 2025 $8M クラブオプション(バイアウトなし)
2025年はブレーブスと$8Mのクラブオプションの設定でしたが、ブレーブスはこのオプションを拒否。FAとなりました。非常に頼りになる捕手のダーノーだっただけにちょっと意外な決断でしたが、ブレーブスは前に進むことを決めたようです。
ATLではS・マーフィーとの併用
ブレーブスは現地2022年12月12日にトレードでショーン・マーフィーを獲得。トラビス・ダーノーは2022年に107試合に出場しましたが、ショーン・マーフィーが加入した後の2023年は74試合、2024年は99試合の出場でした。このうち捕手としての出場は2023年は63試合、2024年は89試合。
トラビス・ダーノーもたびたび怪我で離脱した期間がありましたが、ショーン・マーフィーも2024年は開幕してすぐに左腹斜筋を傷めて2ヶ月ほど離脱。ゆえに結果的には力のある捕手2人をうまく使った形になりましたが、あくまでブレーブスは正捕手としてはショーン・マーフィーという方針だったと思います。
トラビス・ダーノーはブレーブスでの5年間(2020-2024)でオフェンス面ではかなりの貢献をしました。.251/.312/.443、HR 60、二塁打 76、RBI 207。2020年(短縮シーズン)にはシルバースラッガー賞も受賞。またディフェンス面でも高い評価を受けており、ブロッキング、CS%ともにアベレージ超えです。
ATL:プロスペクトが控える
年齢要素は高かったですが、卓越したパフォーマンスを発揮していたにも関わらず、ブレーブスがトラビス・ダーノーとのオプションを拒否した背景にはプロスペクトのドレイク・ボールドウィン(Drake Baldwin)の台頭もありました。
ドレイク・ボールドウィンは2025年の開幕で24才になるプロスペクトで左打席。ドラフトは2022年のブレーブスの3巡目指名。順調に成長しており、2024年にはトリプルAに到達。72試合に出場し、オフェンス面では.298/.407/.484と高い数字をマークしました。大いに期待されるプロスペクトで彼がショーン・マーフィーのバックアップとして起用される見込み。
ダーノー、LAAでもバックアップ・ロール
そしてエンゼルスでのポジションですが、やはりバックアップ・ロールになる見込みです。
エンゼルスにはご承知の通り、強力なローガン・オホッピーがいます。エンゼルスは彼を2028年シーズンまでコントロール下に置くことが出来、オフェンス面といいやはりメインは彼になります。
2月に25才になるローガン・オホッピーは2022年にデビュー。
2023年は大いに期待され、開幕直後は期待通りの活躍を見せました。ところが、4月下旬に左肩を傷め、復帰したのは8月下旬。彼の怪我がなければ2023年のエンゼルスはポストシーズンまで進んでいたかもしれず、大谷選手の運命も変わっていたかもしれません。
そのオホッピーは2024年はエンゼルスの正捕手というよりもむしろ中心選手として機能し、136試合に出場。.244/.303/.409、HR 20、RBI 56をマーク。
さすがのダーノーも彼の前にはバックアップ・ロールにならざるを得ないです。
エンゼルスの捕手ですが、ダーノー加入前まではマット・タイスがオホッピーのバックアップでした。 エンゼルスが今後、タイスをどう扱うのかも見ものです。捕手3人体制にするのか、あるいはトレードに出すのか。
LAAのDH
トラビス・ダーノーが入ったことでエンゼルスは選択肢が増えました。ダーノーはDHとしても出場できるほど打撃が強いのは上述の通りですが、DHにはホルヘ・ソレアーを起用する見込みです。では1Bにダーノーを起用するか?と言えば、打撃センスのいいノーラン・シャニュアルがいます。
よってオホッピーを休めたい時はダーノーがマスクをかぶり、オホッピーがマスクをかぶる時はダーノーを様々なケースで起用することが出来ます。マイク・トラウトの体調が万全で、さらにアンソニー・レンドンも怪我なしで過ごすなら、オフェンス力は格段にアップします。
ブレーブスに入る前までのトラビス・ダーノーはこちらの記事をご参照ください。
ダーノーのキャリア
もともとはフィリーズの1巡目指名(2007)。2009年12月にフィリーズがロイ・ハラデーを獲得したトレードでブルージェイズに移籍。さらにその3年後の2012年12月にブルージェイズがナックル・ボーラーのR.A.ディッキーを獲得したトレードでノア・シンダーガードらとともにメッツへ移籍。メッツでは芽が出ずに2019年5月にメッツからリリース。2019年は翻弄されましたが、2020年にブレーブスに入ってから本領を発揮したという選手です。
トラビス・ダーノーの活躍を期待したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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