ローリングスのゴールドグラブ賞
現地2023年11月3日、ローリングス・ゴールドグラブ賞の受賞者が発表されました。2024年は非常に興味深い結果となり、初受賞の選手が計14名となりました!
選考総数の25パーセントはSABR(セイバー)の守備指標によって決定され、残りの75パーセントは30人の監督全員と各チームから最大6人のコーチの投票によって決定されております。
ユーティリティー部門だけはSABRとローリングスが算出した守備計算式によって、別の方法で決定されております。
初受賞が14名!
ゴールドグラブ賞はピッチャーとユーティリティーを加えて計10ポジションの設定なのですが、ナ・リーグが6名が、ア・リーグはなんと8名が初受賞となりました。ア・リーグはほとんどがそうです。
この初受賞の中にはベテランも含まれており、ナ・リーグではクリス・セールがキャリア14年で初。クリス・セールはサイ・ヤング賞の呼び声も高いので、今オフは受賞の嵐となりそうです。そして、キャリア15年目、38才で初受賞となったのがツインズのカルロス・サンタナ。アストロズのアレックス・ブレグマンもキャリア9年目で初受賞となっています。
では各ポジションの受賞者を見て行きます。今季はドジャースがワールドシリーズを制したので、ナ・リーグから見て行きます。
National League
- C: パトリック・ベイリー(Patrick Bailey)ジャイアンツ (初)
- 1B: クリスチャン・ウォーカー(Christian Walker)Dバックス (3年連続)
- 2B: ブライス・トゥラン(Brice Turang)ブルワーズ (初)
- 3B: マット・チャップマン(Matt Chapman)ジャイアンツ (2年連続5度目/ AL:4, NL:1)
- SS: エジキエル・トーバー(Ezequiel Tovar)ロッキーズ (初)
- LF: イアン・ハップ(Ian Happ)カブス (3年連続)
- CF: ブレントン・ドイル(Brenton Doyle)ロッキーズ (2年連続)
- RF: サル・フレリック(Sal Frelick)ブルワーズ(初)
- P: クリス・セール(Chris Sale)ブレーブス (初)
- UT: ジャレッド・トゥリーオロ(Jared Triolo)パイレーツ (初)
American League
- C: カル・ラレー(Cal Raleigh)マリナーズ(初)
- 1B: カルロス・サンタナ(Carlos Santana)ツインズ(初)
- 2B: アンドレ・ヒメネス(Andrés Giménez) ガーディアンズ(3年連続)
- 3B: アレックス・ブレグマン(Alex Bregman) アストロズ(初)
- SS: ボビー・ウィット・Jr.(Bobby Witt Jr.) ロイヤルズ(初)
- LF: スティーブン・クワン(Steven Kwan)ガーディアンズ (3年連続)
- CF: ドールトン・バーショウ(Daulton Varsho)ブルージェイズ (初)
- RF: ウィリャー・アブレイユ(Wilyer Abreu)レッドソックス (初)
- P: セス・ルーゴ(Seth Lugo )ロイヤルズ (初)
- UT: ディラン・ムーア(Dylan Moore)マリナーズ (初)
Finalist
ファイナリストは各ポジションで3名ずつ選出され、そのうち1名が受賞者。残り2名を掲載しております。
Pos. | NL | AL |
---|---|---|
C | ガブリエル・モレーノ(AZ) ウィル・スミス(LAD) | フレディー・ファーミン(KCR) ジェイク・ロジャース(DET) |
1B | ブライス・ハーパー(PHI) マット・オルソン(ATL) | ナサニエル・ロウ(TEX) R・マウントキャッスル(BAL) |
2B | ケーテル・マルテ(AZ) ブライソン・ストット(PHI) | ニッキー・ロペス(CWS) マーカス・セミエン(TEX) |
3B | ノーラン・アレナド(STL) ライアン・ミクマン(COL) | アーニー・クレメント(TOR) ホセ・ラミレス(CLE) |
SS | D・スワンソン(CHC) メイスン・ウィン(STL) | ブライアン・ロッキオ(CLE) アンソニー・ボルピー(NYY) |
LF | ルルデス・グリエル・Jr.(AZ) ブランドン・マーシュ(PHI) | コルトン・カウザー(BAL) アレックス・ベルドゥーゴ(NYY) |
CF | ブレイク・パーキンス(MIL) ジェイコブ・ヤング(WSH) | ジャレン・デュラン(BOS) ジェイク・メイヤーズ(HOU) |
RF | ジェイク・マッカーシー(AZ) M・ヤストレムスキー(SFG) | ジョー・アデル(LAA) フアン・ソト(NYY) |
P | ルイス・セベリーノ(NYM) ザック・ウィーラー(PHI) | グリフィン・カニング(LAA※) コール・レーガンズ(KCR) |
UTL | ブレダン・ドノバン(STL) エンリケ・ヘルナンデス(LAD) | ウィリー・カストロ(MIN) マウリシオ・ドゥバン(HOU) |
エンゼルスのジョー・アデルも入っておりました。ユーティリティーで今年こそ!のキケ・ヘルナンデスことエンリケ・ヘルナンデスはまたもや受賞を逃しております。
SSも守ったムーキー・ベッツがユーティリティーで入るか?とも思ったのですが、怪我で離脱した期間がありましたので、今回は逃しています。2Bのオジー・アルビーズもそうですね。
ALの捕手に注目です。ロイヤルズのファーミンがファイナリストに入りました。偉大なサルバドール・ペレスがノウハウを伝承している最中で、それが実を結びつつある証拠でもありますね。
AL SSはボビー・ウィットが受賞
やはり気になるのはSSなのですが、ALはロイヤルズのボビー・ウィット・Jr.が初選出となりました。ボビー・ウィット・Jr.のOAA(Outs Above Average)は+16で全ALのSSをリードし、これはメッツのフランシスコ・リンドーアと並んでMLBのショートの中で2番目の成績。ちなみにSSの1位はカブスのダンスビー・スワンソンの+18。
NLのSSはリンドーアがファイナリストから漏れて、ダンスビー・スワンソンを押しのけてロッキーズのエジキエル・トーバーが受賞。トーバーのOAAは1位のスワンソンから遅れて+11でしたが、DRS(Defensive Runs Saved)ではスワンソンの7を上回る10をマークしています。コロラドは伝統的に内野手が育ちますね。
マット・チャップマンが5度目の受賞
2024年からナ・リーグのジャイアンツに移籍したマット・チャップマンが2年連続を含む計5度目のGG賞受賞となりました。今季のDRSは17で3BとしてはMLB NO.1。OAAの+11も3BでMLB NO.1です。またジャイアンツの3Bとしてはマット・ウィリアムス (1991、1993 、1994)とジム・ダベンポート (1962)に次ぐ3人目の受賞。
NLの捕手はSFGのパトリック・ベイリー
ナ・リーグの捕手はジャイアンツのパトリック・ベイリーが受賞。パトリック・ベイリーは2020年のアマチュア・ドラフトのジャイアンツの1巡目指名。デビューは2023年。2024年は捕手として115試合に出場し、このうち101試合で先発マスクをかぶり、フル出場が98試合。
FRV(fielding run value)はフレーミングで16、スローイングで6をマークして計22。これはMLB NO.1。ちなみにNO.2はドールトン・バーショウの17。
さらにCFR(Catcher Framing Runs):16はMLB NO.1でNO.2はマリナーズのカル・ラレー。知名度ではそれこそドジャースのウィル・スミスには敵いませんが、指標では抜群の数字を出しました。まだ25才です。
ガーディアンズ、やはり強い!
ガーディアンズはアンドレ・ヒメネスとスティーブン・クワンが3年連続で受賞。さらに、SSのブライアン・ロッキオはボビー・ウィット・Jr.と競っており、3Bではホセ・ラミレスがファイナリストに名を連ねました。
ガーディアンズ、固いディフェンス力を見せていますね。
最後にレッドソックスからもOFでウィリャー・アブレイユがRFで受賞。2019年にムーキー・ベッツが受賞して以来のGG賞となりました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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