今永、逞しすぎる存在感
現地2024年9月22日、カブスの今永投手がリグレー・フィールドで行われたナショナルズ戦に先発。今季29度目の先発マウンドは大雨のため、試合開始が2時間20分も遅延。コンディションづくりに難しい状況となりましたが、それでも今永投手はそれも含めて自分の仕事を言わんばかりの安定した投球を披露しました。
7回スコアレス、4K
この日の今永投手はさすがにディレーの影響もあってか、抑え気味の立ち上がりでした。4シームは90mph台。とにかくコントロールを重視し、まるでディレーで待ちくたびれたチームメイトを気遣うようなテンポの良い立ち上がりでした。
さすがにランナーを背負った場面ではギアを上げ、92mph台の4シームを投げ込みましたが、終始緩急と強弱をつけた投球で7イニングまで投げきりました。
Shōta Imanaga, 93mph Paint. 🖌️🎨 pic.twitter.com/6CwtotH9Vt
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 22, 2024
この日は7イニングで94球。被安打6はありましたが、そのうち4本がシングルでダメージも最少。スコアレスでBBは0、SOは4。ランナーを背負う場面も安心して見られたという内容でした。
ルーキーの15勝はケリー・ウッド超え
今永投手はこの日、15勝目をマーク(15勝3敗)。カブスのルーキー・ピッチャーで15勝をマークしたのは、1957年のディック・ドロット以来のこと。
デビュー5戦目で伝説の20Kをマークしたあのケリー・ウッドでさえも1998年のルーキー・イヤーは13勝6敗、ERA 3.40。今永投手はあのウッドを超えたということに。あの当時、ケリー・ウッドは21才ではありましたが。
今永投手のランキングですが、15勝はナ・リーグ3位、ERA 2.91もナ・リーグ3位、WHIP 1.02もナ・リーグ3位、そしてSO 174はナ・リーグ9位となっております。
鈴木が援護!
カブスは初回にマイク・トークマンのリードオフHRでまずは1点を先制。さらに、四球と盗塁で2塁へ進塁したダンスビー・スワンソンを鈴木選手がタイムリーで返し、2点目。今永投手を援護しました。
さらにカブスはマイケル・ブッシュとミゲル・アマヤにもHRが飛び出し、5回を終えて5-0と試合を優位に進めます。
7回表はイーサン・ロバーツが、8回表はトレイ・ウィンゲンターがそれぞれ無失点で切り抜け、カブスは5-0で勝利しました。
カブスはPS敗退
カブスは前日の21日にナショナルズに1-5で敗れ、同日にメッツがフィリーズに6-3で勝利したことにより、ワイルドカード枠での進出の可能性が絶たれ、正式にポストシーズンから敗退。2年連続であと一歩というところでポストシーズンを逃しています。
今季の場合、7月末時点でとにかく貧打過ぎてポストシーズンは難しいポジションでした。ところがGMのジェド・ホイヤーが来季に向けてということでトレード・デッドラインで補強を行い、これが大成功。レイズからアイザック・パレデスを入れたことで打線が一気に活気づき、ポストシーズンが見えてきたのでした。しかし、あと1歩及ばずというところを来季の編成にどう活かすかが注目です。
今永、マイケル・ブッシュは来季の核
また、カブスはこの日の勝利で80勝76敗と現時点ではナ・リーグ中地区2位。今季はあと6試合を残していますが、なんとか勝率5割はキープしたいところです。
レイン・ディレーをものともせず、逞しすぎる投球を披露した今永投手、さらに2四球、1ダブル、1HRを放った1Bのマイケル・ブッシュの両名は2025年のカブスの核として編成が行われることでしょう。
この2名はともに今オフに補強した面々。
今永投手はご承知の通り、このオフに横浜から移籍。それこそ生活面から、仕事上の移動や、5日おきに登板する間隔、ボールの質などクリアーしないといけない項目がたくさんある中、持ち前の明るさで仕事に集中する環境を作り、チームにもいち早く慣れました。ファンからも愛され、チームメイトの信頼も厚いという素晴らしい仕事ぶりでした。
それにスタートは恵まれたと思います。開幕当初、コンビを組んでいたのはベテラン捕手のヤン・ゴームズ。今永投手にとってこのベテラン捕手の存在は頼りになったはずです。残念ながら打撃不調で6月にリリースされてしまったのですが、知恵が満載だったのでは?と思います。
マイケル・ブッシュは2023年にドジャースでMLBデビュー。2024年1月にイェンシー・アルモンテとともに2人のマイナー・リーガーとのトレードでカブスへ移籍。ドジャースはもったいないことをするなと思うようなトレードだったのですが、これもドラフトで上位指名が叶わない分、こうやってプロスペクトを集めていると言っていいでしょうね。
マイケル・ブッシュは今季はここまで147試合で.252/.335/.448、HR 21、RBI 65をマーク。
21HRは、ブルワーズのジャクソン・チューリオと並んでルーキー中で3位タイ。上位は24 HRのパドレスのジャクソン・メリルと22HRのオリオールズのコルトン・カウザーだけですからいかによく打っているかがわかります。
今永投手は最後のシリーズのレッズ戦でもう1度登板があります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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