復帰したストーリー、実はこの日がホームオープナー!
現地2024年9月7日、ボストン・レッドソックスにトレバー・ストーリーが帰ってきました。
この日のホワイトソックス戦で7番SSで先発出場となったトレバー・ストーリーは、試合開始直後の2球目、ホワイトソックスのリードオフのニッキー・ロペスが放ったSSゴロを難なくさばき、復帰してすぐにゲームに参加することが出来ました。
トレバー・ストーリーは実はこの日がフェンウェイ・パークでのホーム・オープナー。今季絶望の状態から見事に復帰してきました。
アナハイムでの大怪我
トレバー・ストーリーが大怪我を負ったのは現地2024年4月5日に行われたアナハイムでのエンゼルス戦。レッドソックスは開幕直後のフェンウェイ・パークが寒すぎるため、通常は西海岸からシーズンをスタートすることが多いです。
4回裏、マイク・トラウトが放った三遊間へのヒット性の当たりにストーリーがダイブ。しかし、捕球まで行ったものの、着地した際に左肩を強く打ち付けて悶絶。起き上がることが出来ずに、プレーは中断しました。ラファエル・デバースが頭を抱えたことでまずい怪我だということはすぐにわかりました。そしてゲームから離脱。
Game Note:
— Anaheim Sports (@AnaheimSports1) April 6, 2024
Boston Red Sox Trevor Story exits game in discomfort to left shoulder after making a play on a Mike Trout ground ball in Anaheim. Medical evaluation underway. Sending our best wishes Trevor for a quick recovery.
Credit: Ballys#BOSvsLAA #Story #RedSox pic.twitter.com/CkLyMU5Gri
試合後の診断では左肩の脱臼。しかし、数日後、より精密に検査を実施したところ、左肩の剣状突起骨折が判明。剣状突起骨折とは腕の骨と接合する肩側の包み込むような形状の部分、つまり受け側の骨を傷めたということ。またジョイントする部分を激しく打ち付けたことで、肩側(臼蓋)の関節唇も断裂。想像以上の大怪我を負うこととなりました。ストーリーは4月13日に修復手術を受け、この時点では復帰までのスケジュールはおよそ6ヶ月。シーズン・エンディングの手術ということになっていました。
ゲーム・プランが大幅に狂う
開幕直後は新ピッチング・コーチのアンドリュー・ベイリーの指導で投手の品質が大幅にアップし、打線を大きく援助する形が出来ていましたが、ストーリーの早期離脱により、レッドソックスはゲームプランが大幅に狂いました。
最も大きく影響を受けたのが守備。ストーリーの代わりにはSSにデービッド・ハミルトンが入ったものの、エラーで締まらないゲームを何度も演じてしまいます。そしてルーキーのセダン・ラファエラがSSに就くケースが増えました。
さらにストーリーの堅実な打撃を失ったことで、バランスを欠いたレッドソックスはラファエル・デバースにマークが集中。それでもくぐり抜けてきたデバースでしたが、吉田選手が指を傷めて不調。タイラー・オニールがなんとか頑張るも、トリストン・カサスも肋骨を傷めて離脱。
春先は投手におんぶに抱っこ状態でしたが、やがてシーズンが進むにつれ投手の品質も落ちてくる事態に。それでもなんとか走塁で活路を見出したレッドソックスはトレード・デッドラインではなんとか「買い」の立場に。
Please enjoy all 9 (yes, NINE) stolen bases from tonight. pic.twitter.com/IH5ek7R4Os
— Red Sox (@RedSox) June 17, 2024
トレード・デッドラインでは主にブルペンを補強し、ルイス・ガルシア、ルーカス・シムズ、ブラッド・ケラーを獲得。彼らは一時期は活躍したものの、今はアクティブ・ロスターにおりません。そしてクイン・プリースターはまだ40manロスターにも入っておらず。
先発のジェームス・パクストンは怪我で離脱済みです。
そして直近ではワイルドカード枠を争うロイヤルズがパスカンティーノの骨折で勢いが無くなったところを追い上げる立場でありながら5連敗。レッドソックスもスピード・スターのデービッド・ハミルトンの左手人差し指を骨折して欠いたのが痛かったです。
今回、ストーリーが復帰したことで、攻撃・守備双方のアンバランスさを取り戻した状況となりました。直近では勝率.500を上回るチームとの対戦で粘りなく負けるケースが増えてきていただけに、その状況も改善したいところですね。
5ヶ月で復帰
さて、トレバー・ストーリーですが、リハビリの間、絶え間ない努力をして不利な状況を打破。試合直前に60Days ILから復帰したわけですが、上述のように今季絶望の状態から5ヶ月で復帰してきました。
この日は7度の守備機会をすべて無難にこなし、2つのダブルプレーの起点にもなりました。彼がSSにいる安心感は先発のクーパー・クリスウェル投手やほかのチームメイトにも感じられました。SSに飛べば安心。こう思えるのが大きいですね。
そして打撃では2回裏、チャンスで回ってきた初打席は三振に倒れましたが、3回裏の第2打席ではCF前にタイムリー・シングルを放ち、復帰後初ヒットも放っています。
Couldn’t be happier for Trevor Story.
— Tyler Milliken ⚾️ (@tylermilliken_) September 8, 2024
What a journey back.
pic.twitter.com/xLFRRSr341
レッドソックスはこの日、7-5のスコアでホワイトソックスに勝利。連勝となっています。
なお、この日はギャレット・クロシェ(LHP)が先発だったので、吉田選手は出場はありませんでした。
PS出場なるか?
ALワイルドカード争いのライバルであるツインズとロイヤルズは直接対決中で、ロイヤルズがツインズに連勝。ロイヤルズはまた復調してきました。
シーズン残り20試合。レッドソックスはALのワイルドカード争いはご覧の状況。
ALWC# | Club | W-L | WCGB |
---|---|---|---|
1✨ | BAL | 82-61 | – |
2✨ | KC | 78-65 | – |
3✨ | MIN | 76-66 | – |
4 | BOS | 72-70 | 4.0 |
5 | DET | 72-71 | 4.5 |
5 | SEA | 72-71 | 4.5 |
ボルチモアはヤンキースと地区優勝を争っている状況で日替わりでワイルドカード枠に入るか、地区優勝の1位になるかのどちらか。勝率からALイーストのどちらかがワイルドカード1位になります(ワイルドカード2位以下はそこまで勝っていないため)。
ポストシーズンに進むにはワイルドカード枠3位に入らなければなりませんが、4位のレッドソックスはツインズが対象クラブでゲーム差は4.0。勝利数で4つの差があります。そして上を見るしかないのですが、すぐ下にはタイガースとマリナーズが追って来ている状況です。
トレバー・ストーリーは2022年オフに受けた右肘手術の影響のために2023年は43試合の出場にとどまりました。2024シーズンが始まったとき、ストーリーがようやく完全に健康な状態で戻ったと思った矢先の大怪我でした。
残りシーズン、悔いのないように過ごしてもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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