PS出場期限のウェーバーでKCが動く!
現地2024年8月31日、ポストシーズン出場資格の期限が夜11:59(東部時間)に迫る中、ロイヤルズが動きました。トミー・ファム、ロビー・グロスマンをウェーバーでクレームオフ(獲得)。そしてそしてユリ・グリエルを金銭トレードで獲得しました。
ポストシーズンに出場するには現地2024年8月31日(土)午後11時59分(東部時間)の時点で新しいクラブに所属していなければなりません。
ビニー・パスカンティーノの骨折でKCは失速
ロイヤルズは8月26日から28日にかけてのダブルヘッダーも含めたガーディアンズとのALセントラル首位攻防の4ゲームシリーズに3勝1敗と勝ち越し。一旦はガーディアンズと並ぶほどの勢いでした。
ところが、次に行われたアストロズとのシリーズでトラブルが発生。29日に行われたGm1の8回裏に、リリーバーのルーカス・エルセグ(Lucas Erceg)がゴロで飛んできたカムバッカーを素手でキャッチしようとして弾かれ、1塁に慌てて投げた送球が逸れてしまい、1Bのビニー・パスカンティーノ(Vinnie Pasquantino)とバッター・ランナーのヤイナー・ディアスが交錯。このあと、2人ともゲームから離脱しました。
ルーカス・エルセグはX線の検査の結果、骨には異常がなく、ILには入らずに数日の離脱だけで済みそうですが、1Bのビニー・パスカンティーノはX線検査の結果、右手親指の骨折が判明。復帰まで6週間から8週間との診断が下されました。
Astros tie the game on some chaos
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) August 30, 2024
Vinnie Pasquantino leaves the game with an injury pic.twitter.com/prKMYxkEc2
おそらくシーズン・エンディング
残りシーズンから考えてビニー・パスカンティーノはもう9月末のレギュラーシーズン終了に間に合わず、ポストシーズンの前半も微妙。仮にロイヤルズがALCSくらいまで進めばあるいは復帰が可能になるか?というスケジュール感です。
4連敗中
29日の途中にパスカンティーノを失ったロイヤルズは、現地2024年8月31日のゲームも含めてアストロズに3連敗。Gm3は菊池投手の快投もありました。ロイヤルズはその前のガーディアンズとのGm4にも敗れていましたから、これで4連敗中。果たして9月1日のアストロズとのGm4でどうなるのか?というところ。
CLEとの直接対決!
さらにロイヤルズは9月2日から4日までガーディアンズとの今季最後の直接対決を控えます。今季のスケジュールは1カード空けてつづくパターンが多いんですよね。
現地2024年8月31日を終えたALセントラルの順位はご覧の通り。
【ALセントラル順位】
# | Club | W-L | GB |
---|---|---|---|
1 | CLE | 77-59 | – |
2 | KC | 75-62 | 2.5 |
3 | MIN | 73-62 | 4.5 |
失速したロイヤルズがこの山場で果たして前のシリーズのようにガーディアンズを叩く力があるのか?というとかなり怪しい。
ビニー・パスカンティーノは今季、131試合に出場して130安打を放ち、.262/ .315/ .446、OPS .760。HR 19、RBI 97、Run 64。
ボビー・ウィット・Jr.のRBIは96ですから、役割は違えどボビー・ウィット・クラスの打者が離脱したことになるので、ロイヤルズには痛すぎる怪我なのです。
3人を補強
そこでロイヤルズが採った策は当然のことながら補強。トミー・ファム、ロビー・グロスマンをウェーバーでクレームオフ。そしてユリ・グリエルを金銭トレードで獲得したのでした。
トミー・ファム
GRAND SLAM TOMMY PHAM!!#ForTheLou pic.twitter.com/iyfEJbjeRp
— St. Louis Cardinals (@Cardinals) July 31, 2024
トミー・ファムはトレード・デッドラインでホワイトソックスからカージナルスに移籍。ところが、カージナルスが勢いをなくしてポストシーズン出場が厳しくなったことで、8月終わりにロースターに残りながらウェーバーにかけられました。さらに、現地2024年8月30日にカージナルスはファムを正式にDFAにし、メジャー・ロスターから除外。これにより完全に移籍の方向が決まりました。そのウェーバーにかけられたファムをロイヤルズがクレームオフ。
ファムはカージナルス移籍後、.206/.286/.368とあまりいい数字を上げることが出来ませんでしたが、それでもシーズン・トータルでは254/.321/.378とそれなりの数字を残しています。
ファムの今季のサラリーは$3M。単年です。トレードデッドラインでこれをカージナルスが引き継ぎ、DFAにしたので残額もカージナルス持ち。ロイヤルズはメジャー最低年俸の日割りのみです。その日割り分がカージナルスの残額から差し引かれます。
ロビー・グロスマン
ROBBIE GROSSMAN GOES YARD pic.twitter.com/P6KjScussJ
— Texas Rangers Insider (@RangersInsiders) July 25, 2024
ロビー・グロスマンは今季、3月28日にホワイトソックスとマイナー契約でサイン。4月5日にメジャーに上がりました。サラリーはメジャーに上がった場合の金額を決めるスプリット・コントラクトで1年/$1.5M (2024)+パフォーマンス・ボーナス。しかし、約1ヶ月後の5月8日にトレードでレンジャーズに移籍。
ホワイトソックス、レンジャーズを併せて今季は71試合に出場し、.227/.333/.324、HR 3、RBI 14。そして30日にレンジャーズがマイナーに落とすためにアウトライト・ウェーバーにかけていたところをロイヤルズがクレームオフしたという流れになります。この流れだと残りサラリーはロイヤルズが引き受けるということになりますが、残額は約$0.24M程度ですので、ロイヤルズには安価となります。
ファムとグロスマンの起用
スイッチヒッターのロビー・グロスマンは左投手を粉砕し続け、ファムはサウスポーに対して堅実な数字を残しています。よって、この2人はアダム・フレイジャーとのプラトゥーンでの起用の見込み。つまりRHPのときはアダム・フレイジャー、LHPの時にロビー・グロスマンかトミー・ファムということになりそうです。LFはMJ・メレンデス(左打席)を中心にロビー・グロスマンかトミー・ファム、あるいは彼らはDHでの起用も。少なくとも怪我をしているハンター・レンフローが復帰するまでは二人を効果的に使いそうです。
ユリ・グリエルをトレードで獲得
The Royals have acquired INF Yuli Gurriel from the Atlanta Braves on a minor-league deal for cash considerations. pic.twitter.com/AiKZwlVXOG
— MLB (@MLB) August 31, 2024
さらにロイヤルズは元アストロズの1Bで40才になるユリ・グリエルをブレーブスからトレードで獲得。ロイヤルズからブレーブスへは金銭。
ユリ・グリエルは今季ブレーブスとマイナー契約でサイン。つい先日まではブレーブスのマイナーのIL入っており、今季はメジャーでのプレーはありません。ロイヤルズは、グリエルをメジャーに昇格させるためには40manロースターとアクティブ・ロースターに加える必要があり、急ぎでロスター調整する必要があります。
31日に間に合わせ、ポストシーズン対応もするのか?あるいは31日を過ぎてレギュラーシーズンのテコ入れのみにするのか?まもなく結論が出そうです。
ユリ・グリエルはアストロズで7シーズン(2016-2022)在籍。284/.328/.448、94 HRの好成績を残していました。2023年はマイアミに所属し、108試合で.245/.304/.359、4HR。2024年はブレーブスのトリプルAで75試合に出場。.292/.378/.485の好成績を残していました。
ロイヤルズはもう9月第1週目に地区優勝できるかどうかの命運が決まりそうです。果たしてどうなるのか?楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございます。
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