ナッツでの大不振から見事に復帰
なかなか面白い事態が発生しましたね。
現地2024年8月12日、シアトル・マリナーズは、OFのビクター・ロブレス(Víctor Robles)と2025シーズンからの2年間の延長契約にサインしたと発表しました。
Victor’s staying in Seattle!
— Seattle Mariners (@Mariners) August 12, 2024
We have signed outfielder Victor Robles to a two-year extension through 2026, with a team option that runs through the 2027 season. #TridentsUp
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契約内容
その内容はこちら。
- 2年/$9.75M保証(2025-2026) + クラブオプション
- サイニング・ボーナス:$1.25M
- 2027: $9M クラブオプション
- パフォーマンス・ボーナス:計 $2M
- $1M/年 (こちらの設定の詳細は後日)
- $1M : 500PAで$0.5M、 600PAで$0.5M
計2Mのパフォーマンス・ボーナスは追加のサラリーですから、ベース・ペイはサイニング・ボーナスの$1.25Mを引くと2年で$8.5M。ざっと年平均のAAVだと$4.25Mほど。速報ベースなので、内容が変わるようなら修正します。
ロブレスの今季の契約
ビクター・ロブレスの今季の契約はナショナルズと調停を避けてサインした1 年/$2.65M (2024)でした。
ナッツからDFAとなったロブレス
2019年のナショナルズのワールドシリーズ制覇のメンバーであったビクター・ロブレスは2024年1月時点のMLSが5.033。今季が終わればFAというステータスでした。
ビクター・ロブレスは2013年7月にアマチュアFAとしてワシントン・ナショナルズとサイン。デビューは2017年でしたが、2017年と2018年はそれぞれ13試合、21試合のみの出場。2018年の出場が少なかったのは怪我でシーズンのほとんどを棒に振ったため。
フルタイムでOFを守るようになったのはチャンプとなった2019年からで、このシーズンは155試合に出場し、成績も.255/.326/.419、17 HR、65 RBI、28 SB、86 Runと素晴らしい活躍で、同年オフのROY投票でも6位に入りました。
短縮シーズンとなった2020年は60試合中52試合に出場し、ずっとCFを任させておりました。
直近は腰の痛みに悩まされる
2021年は5月に右足首の捻挫などでIL入りとなり、不調でトリプルAにオプションされるなど不本意なシーズンに。BAも.203にとどまりました。2022年は132試合に出場するも、224/.273/.311、HR 6、RBI 33とまたしても不本意なシーズンに。
2023年は過去2年の不調の原因が表面化したようなシーズンで5月初旬から腰を傷め、6月後半には腰椎の痙攣と診断され、よくなってマイナーでリハビリ出場を果たすもまた痛み出すというのが繰り返され、結局シーズンは36試合のみの出場。ただし、出場した範囲では.299/.385/.364と良い結果を出し、腰さえよくなれば・・・というステータスでした。
シーズンオフにはノンテンダーになるのでは?と思われましたが、そこは避けられました。ナッツでノンテンダーとなったのは現レッドソックス1Bのドミニク・スミスと右腕のコーリー・アボットでした。
2024年のロブレス
2024年は4月4日に左ハムストリングスを傷めてIL入り。5月7日に復帰しましたが、シーズン成績は14試合で.120/.281/.120と壊滅的で、ナッツは堪らず5月27日にDFAにし40manから外しました。
DFA後、トレードを模索しましたがこの成績では手を挙げるクラブはなく、マイナーへのオプションも拒否したことからロブレスは6月1日にリリースされ、FAとなっていました。
マリナーズがサイン
そんなロブレスを獲得したのはシアトル・マリナーズで、リリース直後の6月4日にサイン。
2024年のサラリーはナショナルズが持つので、マリナーズとすればメジャー最低年俸の日割りだけで済むという全くのノーリスクでの獲得でした。編成トップのジェリー・ディポートとしては「とりあえず行っとくか?」だったのか、「怪我が治れば行ける!」と思ったのかどちらなのかは定かではありませんが、この判断が大当たりだったわけですね。
マリナーズで大躍進!
ビクター・ロブレスは6月5日に早速マリナーズ・デビュー。マリナーズはとにかく貧打で大苦戦していたことから広くチャンスを与えて調子の良い選手を探すという状態とロブレスがマッチしました。
当初はゲーム途中からの出場で1打席、2打席のみ打席に立って評価されるという非常にプレッシャーのかかる場面に直面しました。最初の2試合は結果が出ず。
ようやく1本が出たのは3試合目。ロイヤルズ戦で2塁打を放ちなんとかアピールに成功。ここでヒットが出なければどうなっていたかわかりません。その後も6月はフル出場ではなく限られた打席での挑戦が続きましたが、なんと15試合で、316/.381/.421をマーク。これでサバイブがほぼ確定。
7月はフル出場のゲームも増え、375/.436/.554、OPS .989をマーク。HRも2本放ちました。
8月はちょっと苦戦していて.177/.263/.294なのですが、マリナーズに移籍してからの成績は .303/.372/.450 でOPS.821、HR3、SB 12。
ランディー・アロウザリナともども他クラブからの加入の選手としてマリナーズ打線の底上げを図っています。ロブレスは腰が問題ないなら、足があるので、マリナーズの攻撃を拡げます。
今回はエクステンションの判断にはちょっと早いか?とは思ったのですが、ここで延長契約することで、モチベーションアップなども狙ったのかもしれません。マリナーズはワイルドカード・スポットから外れてしまったので、燃料投下で推進力を得たいというのもあるかもしれません。年俸ベースで言えば今季の半分での延長ですから、まあしっかり者のディポートは安くサインしたということかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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