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【MLBトレードDL2024】カブスがクリストファー・モレルを出してアイザック・パレデスを獲得

割と目を見張るようなトレード

 現地2024年7月28日、割と目を見張るようなトレードが成立。

 シカゴ・カブスがアイザック・パレデスを獲得しました。カブスは先発ローテーションはなかなか良いものの、打線のつながりが悪く、加えてブルペンも大荒れ。現地2024年7月28日時点でナ・リーグ中地区の4位、5位争いからなかなか這い上がれない状況。アイザック・パレデスはこのトレード・デッドラインでレイズから出ると見られていた内野手で、ドジャース、アストロズ、レンジャーズ、マリナーズという噂のあった選手でいったい、どこに落ち着くのか?と注目されていましたが、まさか現時点でコンテンダーではないカブスに決定とは!これには驚かされましたね。

トレード概要

 このディールは大物同士が動いたトレードとなりました。

カブスGet

  • アイザック・パレデス(Isaac Paredes/25)3B. 1B or 2B/右投げ右打ち

レイズGet

  • クリストファー・モレル(Christopher Morel/25)3B or CF/右投げ右打ち
  • ハンター・ビッジ(Hunter Bigge/26)RHP
  • タイ・ジョンソン(Ty Johnson/22)RHP

カブス、来季以降を見据えた補強

 立場的には明らかに「売り手」であるカブスですが、このトレード・ドッドラインでの立場について、カブスPOBO(President of Baseball Operations)のジェド・ホイヤーは今週初め、「カブスは今すぐ後発に回るのではなく、来シーズンの競合を視野に入れて行われる」と語りました。

 その宣言どおりになったわけですが、パレデスのような強打の3Bが入ることで、むしろ今季はワイルドカード枠を狙える立場になる芽も出てきました。

 ただし、「来季以降」というワードからも、果たして問題のブルペンにどこまで着手するのか?という点もあるので早計にコンテンダーになり得るとも言い難いです。

日本開幕戦も控える

 もしもカブスが「売り手」となるなら、優勝争いをしているどのチームも欲しがるのは今永投手でしょう。しかし、カブスは彼を出しませんし、鈴木誠也選手も出しません。もちろん、彼らが契約途中という点もあるのですが、MLBは2025年、東京での開幕を決定。ドジャースとカブスとの対戦となり、大谷選手、今永投手、鈴木誠也選手が揃い踏みにならないと楽しみも半減することから今永投手と鈴木誠也選手は事実上、プロテクトしている格好となっています。

(CHC)アイザック・パレデスとは 

 アイザック・パレデスは1999年2月18日生まれの25才。もともとは2015年にアマチュアFAでカブスとサインし、プロとしてのキャリアをスタートさせました。

 しかし、2017年のトレード・デッドラインで、カブスがアレックス・アビラとジャスティン・ウィルソンを獲得したトレードで、現レッズのジェイマー・キャンデラリオとともにタイガースに移籍。そして2020年にタイガースでMLBデビューを果たしました。タイガースには2022年まで2シーズン在籍。57試合で.215/ .290/ .302、HR 2とインパクトのある活躍をすることが出来ず。

 そして2022年4月5日にタイガースがレイズからオースティン・メドウズを獲得したトレードでレイズに移籍。ここからがパレデスの名を高める期間となります。

 2022年、レイズで111試合に出場したアレックス・パレデスは、.205/.304/.435をマーク。そして長打力も開花し、HR 20、45 RBIをマーク。

 2023年、アレックス・パレデスは開幕から猛ラッシュをかけたレイズの一員として機能。143試合に出場し、.250/.352/.488をマーク。HR は31、RBIは98をマーク。この活躍もあり、オフのMVP投票でも票が入り、18位となっています。

2024年のパレデス

 2024年は101試合に出場。.245/.357/.435をマークし、HR16、RBI 55。オールスターにも出場しました。ただ、直近14日の成績は088/.296/.206と調子を落としてはいます。

カブスで3B

 カブスでの予定ポジションは3B。クリストファー・モレルのポジションを引き継ぐことになります。

 パレデスの3Bとしてのグラブワークは、傑出したものというよりは堅実なもの。おそらくエラーの多かったクリストファー・モレルよりは堅いと思われます。これでカブスはパレデスが3B、マイケル・ブッシュが1B、ニコ・ホーナーが2B、ダンズビー・スワンソンがSSと2025年のスターター内野陣は決まったようなものです。

レイズ、サラリー高騰にも備えたか?

 生産的な仕事をしているパレデスを手放したレイズですが、やはりサラリー高騰を気にした模様。

 アイザック・パレデスのMLSは2024年1月時点で2.160。スーパー2で調停ステータスとなっており、2024年のサラリーは調停を避けて$3.4M。まだコントロール可能期間が3年は残っている選手を手放したのは今オフからさらに上がるサラリーに備えてかと思います。レイズではよくあるところです。レイズはすでにランディー・アロウザリナをマリナーズに移籍させ、ジェイソン・アダム、ザック・エフリン、アーロン・シベリ、フィル・メイトンが動かしています。

 レイズはまだワイルドカード枠にチャンスもある中、フロントはヤンディ・ディアスやピート・フェアバンクスらも出すかもしれません。

 ただでさえ、ワンダー・フランコが事件を起こして戦力が不足している中、レイズはよくゲームを作っていると感心します。

(レイズ)クリストファー・モレル

 クリストファー・モレルは1999年6月24日生まれの25才。2015年にカブスとアマチュアFAとしてサイン。アイザック・パレデスとは同期みたいなものでした。 

 2022年にデビューし、今季でMLB3シーズン目。2022年は.235/.308/.433、16 HR、47 RBI。2023年は247/.313/.508、HR 26、RBI 70をマーク。

 2024年は.199/.302/.374と大苦戦。HR は18本を放っていますが、確実性に欠ける数字となっています。

 デビュー時はCFを守る機会が多く、ポジションはOF、INFどこでも守れます。よって、レイズではかなり柔軟に起用されていくと思われます。

(レイズ)ハンター・ビッジ

 ハンター・ビッジは、2019年のカブスの12巡目指名。ハーバード大の出身です。

 26才となった今季にメジャー・デビュー。しかも7月にデビューしたばかり。4試合、3.1 IPでERA 2.70を記録しています。MLBパイプラインは彼のカッター、スライダー、90mph後半のファストボールのすべてを評価し、もしかしたら、レイズの新たなリリーフ・ウェポンになるかもしれません。レイズは厄介ですね(レッドソックス目線ですが)。

(レイズ)タイ・ジョンソン

 タイ・ジョンソンは2001年9月25日生まれの22才。2023年ドラフトのカブスの15巡目指名です。2024年はクラスAとクラスA+に所属し、両レベルを併せて61イニングを投げ、ERA 3.54を記録。18試合中10試合に先発しており、SO9は12.0とプロとして非常に良いスタートを切っています。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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