ロナルド・アクーニャ・Jr.はシーズン・エンディングへ
これは悲報以外の何ものでもありませんね。
現地2024年5月26日、ブレーブスのロナルド・アクーニャ・Jr.(Ronald Acuña Jr.)がPNCパークで行われたパイレーツ戦で右膝を負傷。その場でうずくまり、帰塁さえ出来ずにアウトとなり、そのままゲームから離脱するアクシデントがありました。
フェイク・スタートで左膝ACLを断裂
初回、ロナルド・アクーニャ・Jr.はリードオフとしてパイレーツ先発のマーティン・ペレスと対戦。2球目の甘い4シームをCFへ弾き返し、先頭打者二塁打を放ちます。2番、オジー・アルビーズは初球を狙うも、CFライナーとなり1アウト。つづくマーセル・オズーナの2球目、マーティン・ペレスのクロスファイヤー気味の4シームがパイレーツ捕手のジョーイ・バートのミットに吸い込まれた直後、アクシデントが起こりました。
アクーニャは2塁ベースから離塁し、一旦は帰塁しかけたのですが、そのまま3塁へのフェイク・スタートを切る構えを見せ、ここで崩れていきました。
「何事?」というスタンドのざわめきとともに、ジョーイ・バートはマーティン・ペレスに返球。その間、アクーニャはその場でうずくまり苦悶の表情を浮かべ、帰塁が出来ない状態に。マーティン・ペレスはアクーニャに寄り添いつつも軽くタッチして1アウトを奪うも、アクーニャの補助に動きました。
しばらくしてアクーニャは自力で歩行し、ダグアウトに下がりました。
倒れ込んだ際にはかなり深刻な怪我を負ったように見えたのですが、自力で下がる姿を見る限り、なんとか1-2ヶ月で戻ってくるかも?という期待はありました。試合後、アクーニャ自身も記者の取材に対し、「膝が弾けるような痛みはなかった。膝の張りだけであれば、1ヶ月程度の欠場で済むかもしれない」と語り、期待をもたせたのでした。
ところが、残念ながらその後のMRIの結果、アクーニャは左膝ACL(Anterior Cruciate Ligament:アンテリオ・クルシアテ・リガメント)の断裂と判明。ACLは前十字靭帯という箇所です。これにより、アクーニャはシーズン・エンディングが決定してしまいました。
アクーニャ、これで両膝を傷めたことに
ロナルド・アクーニャ・Jr.は2021年7月10日に右膝ACLを断裂。この時はウォールにぶつかりそうになる寸前で右膝にかなり負担となる形で着地。ACLの断裂となったのでした。
今回の左膝ACLの断裂でアクーニャはキャリアの中で両足を傷めたことになります。アクーニャは現時点でまだ26才。今はまだ若いので細い体型を維持していますが、今後は膝への負担を考えた時に、いかに細い体型を維持するかということがポイントになってきそうです。クーパーズ・タウン(=殿堂)入りの有力候補だけにしっかりと治してもたいところです。
なお、2021年の大怪我の後に復帰したのは2022年4月28日。これもかなり急いで復帰した感があり、2022年は119試合で467-124、.266/.351/.413、HR 15、RBI 50、SB 29と平均以上の数字ではあるものの、アクーニャ本来の数字からは程遠いものでした。
2023年に40/70
そんなアクーニャが本格復帰したのは2023年シーズンで159試合、735-217、.337/.416/.596、41 HR、73 SB、106 RBIという強烈な数字を残したのはご承知の通りです。
(YOUTUBE)Ronald Acuña Jr.’s HISTORIC season makes him the 2023 National League MVP! | 2023 NL MVP Highlights
2018年にNL ROYを受賞し、2023年にNL MVPを受賞。ALでは大谷選手がROYとMVPを受賞しており、二人は同世代のトップ・スターということですね。大谷選手が1994年生まれ、アクーニャは1997年生まれで、大谷選手の方が少し上です。
2024年のアクーニャ
今季、アクーニャはスプリング・トレーニング中の3月2日に、右膝半月板の炎症を患いました。
開幕ILも心配されましたが、現地3月29日の開幕戦に出場。ただし、今季はスロースタートで、49試合で192-48、.250/.351/.365、4 HR、15 RBI、16 SB。これでも平均よりはかなり上のラインの成績ですが、本来のアクーニャの数字ではありませんでした。
やはり春先から右膝の調子がよくなかったのでしょう。
復帰まで7-10ヶ月以上
ACLの断裂からの復帰は、通常7~10カ月かかると言われていますが、アクーニャの場合、上述の右膝のACL断裂の過去がありますから、より慎重なリハビリ体制を取ることが予想されます。
2025年の開幕はちょうど10ヶ月目。前回が7月終わりに怪我をして翌年4月終盤に復帰。約10ヶ月でした。その復帰スケジュールと同じなら2025年の開幕に間に合いそうでもありますが、前回は急いだ面もあり、シーズンの成績はそれほど奮わなかったことから、今回は時間はかけると思います。上述のように今後のキャリアにも関わってきますから。
これはもう回復度合いを見ながら判断ということになりそうです。
ブレーブス、どう補強するか?
2021年のワールドシリーズチャンプの時もアクーニャは怪我で出場出来ませんでした。2021年、ブレーブスはトレードデッドラインでホルヘ・ソレア、エディー・ロザリオ、ジョク・ピダーソン、アダム・デュバルを獲得。これが奏功し、4人全員がレギュラーシーズンの残りとポストシーズンでチームに貢献。ホルヘ・ソレアーはWS MVPに輝き、エディー・ロザリオはNLCSのMVPに。
現時点でブレーブスは、スペンサー・ストライダー、ショーン・マーフィーの離脱などもあり、フィリーズに6.0ゲームの差を付けられていますが、NLの2位の中ではベストな成績であり、ポストシーズン圏内。
OFの補強、投手の補強に動き出しそうです。
果たして7年連続ディビション制覇を成し遂げるのか、あるいはこのままフィリーズに持って行かれるのか?ブレーブスの動きに注目ですね。
なお、この日のゲームはブレーブスが8-1のスコアでパイレーツを下し、クリス・セールが8勝目を上げています!
お読みいただき、ありがとうございました。
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