ポール・スキーンズのデビュー戦
現地2024年5月11日、パイレーツのトップ・プロスペクトで2023年のアマチュア・ドラフト全体1位のポール・スキーンズ(Paul Skenes)がついにメジャー・デビューを果たしました。
21才でのデビューとなったポール・スキーンズはスティーブン・ストラスバーグのデビューと比較されるほど注目されましたが、カブス打線を相手にまずまずの投球内容を披露したのではないでしょうか?
注目投手のデビュー戦を見ようと地元PNCパークには34,924人の観衆が集まりました。
MAX 101.9mph
対戦するカブス打線はご覧のラインナップでした。肋骨を傷めていたコディー・ベリンジャーはすでに5月7日から復帰済み。この試合からは腹斜筋を傷めていた鈴木誠也選手が入っています。
1 | DH | トークマン |
2 | RF | 鈴木選手 |
3 | CF | ベリンジャー |
4 | 3B | モレル |
5 | LF | ハップ |
6 | SS | ホーナー |
7 | 1B | ブッシュ |
8 | 2B | マストロブオーニ |
9 | C | ゴームズ |
初回に2三振
初球、マイク・トークマンに対してはまずは101mphの4シーム。3球目にスライダーを投じた以外はすべて4シームで、フルカウントまで行くもファウルチップで三振を奪い、まずは先頭打者からアウトを奪いました。つづく鈴木誠也選手には一転、スプリッターとスライダーのみで3球三振。コディー・ベリンジャーにはチェンジアップも披露。3球目にアウト・ローにこの日最速となる101.9mphの4シームを見せましたが、ベリンジャーにはストライクとボールがはっきりしてしまい、四球。メジャー初出塁を許しました。つづくクリストファー・モレルには初球にスプリッターを投じ、CFフライに仕留めてまずは初回を無失点投球。ベテラン投手のようなデビュー戦となりました。
2イニング目に満塁のピンチ
2イニング目、先頭のイアン・ハップをSSゴロに仕留めてまずは先頭打者の出塁を許さなかったポール・スキーンズですが、ニコ・ホーナーにはスプリットが抜けてしまいデッドボール。さらにマイケル・ブッシュにはストレートの四球。つづくマイルス・マストロブオーニにはゾーンにボールが集まり、RFへシングルヒットを許し、メジャー初被安打。1アウト満塁でヤン・ゴームズを迎えるも、ゴームズにはストライク先行で空振り三振を奪い2アウト。2巡目となったマイク・トークマンを迎えますが、ここを4シームで2Bゴロに抑えて、このイニングも無失点。満塁のピンチでしたが無事に抑えきりました。
3イニング目は先頭の鈴木選手をスプリッターとスライダーで追い込んで、最後は99mphの4シームで見逃し三振。鈴木選手は2打席連続で三球三振に。その後、クリストファー・モレルにシングルを許すも、盗塁死で3イニング目も無失点。
4回に初被弾
パイレーツが4点を先制した直後の4回表、スキーンズはニコ・ホーナーにハンギング・スライダーを投じてしまい、これをLFスタンドに運ばれメジャー初被弾を喫してしまいます。しかしその後は後続を抑えて1失点でこのイニングを乗り切りました。
5回に連続安打を浴びて降板
5回表のマウンドに上がったポール・スキーンズでしたが、先頭のマイク・トークマンにスプリッターを右中間に痛打されて2塁打に。つづく鈴木誠也選手にはやはり変化球が多かったのですが、この打席でSS内野安打を打たれ、ノーアウト1、2塁となったところでスキーンズは降板。ピッチャーはカイル・ニコラスにスイッチしました。
スキーンズは記録的には4イニング、84球を投じ、被安打6、失点3、BB 2、HBP 1、SO 7、HR 1という内容でした。スキーンズ降板後に2人のランナーが返ったので彼に自責点がついています。
【YOUTUBE】Paul Skenes fans 7 in his MLB Debut!
バートロ・コロンのような
もともと捕手であるスキーンズはフォームにその傾向がよく出ていて、小さめのフォームで腕をうまく畳んで投げ込んでいました。ボールはやはり強かったですね。
投げ方を見ると、バートロ・コロンのようなイメージの投手かな?と思いました。コロンも腕をコンパクトにまとめて投げる投手でした。コロンがあれだけ成功していたのですから、スキーンズも今後さらに良くなって行くでしょう。現時点ではやはりスライダーの曲がりが小さく、メジャーの打者には対応されそうですが、それを補ってあまりある4シームの強さがありますね。当てさせない変化をどうつけるのか?この辺を注目したいと思います。
ストラスバーグのデビュー戦
2010年6月8日、スティーブン・ストラスバーグがメジャー・デビュー。相手はパイレーツでした。ストラスバーグは7回、94球を投げ、被安打4、失点2、被本塁打1。そして7イニングでマウンドを降りたにも関わらず奪三振数が14!
スキーンズはストラスバーグほど、強烈な印象のデビュー戦にはなりませんでしたが、球の質も違いますし、これからですね。
ジャスティン・スティールが乱調
カブス先発はこちらも久々となるジャスティン・スティールでした。彼は足を傷めてILに入っていましたが、この日が復帰戦。3イニング目に2アウトからコナー・ジョーに3ランHRを浴びるなど、この日は3被弾となり、6失点でゲームメイク出来ませんでした。次の登板に期待しましょう。
カブス、5回に7得点
ポール・スキーンズ降板後、2番手のカイル・ニコラスは2者連続三振を奪い、2アウトまでこぎつけるも、ここから突如、コントロールを乱し、イアン・ハップに死球、ニコ・ホーナー、マイケル・ブッシュ、マイルズ・マストロブオーニに連続でストレートの四球を出し、ジョシュ・フレミングにスイッチ。そのフレミングもヤン。ゴームズに四球を出し、マイク・トークマンにタイムリーを打たれて6-6の同点に追いつかれてしまいます。
その後、2時間20分のレイン・ディレーが入り、ピッチャーはコリン・ホルダーマンにスイッチするも、鈴木選手、ベリンジャーに連続四球を与え、押出でさらに2失点。カブスに8-6と逆転を許す展開に。パイレーツ投手陣はこのイニングだけで7四死球と崩壊しました。
ただし、5回裏にヤズマニ・グランダルに3ランHRが出たパイレーツは9-8と逆転。6回裏にもアンドリュー・マッカッチェンにソロHRが出たパイレーツが10-9のスコアで辛くも逃げ切ったというゲームでした。
パイレーツはブルペンの弱さが出たゲームでもありました。
パイレーツはヘンリー・デービスがAVG .162と振るわないため、現在はマイナーにオプションされています。この日はベテランのヤズマニ・グランダルがマスクを被りました。スキーンズもベテランにリードされて投げやすかったのではないか?と思います。パイレーツ、グラダルを獲得していて本当に良かったですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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