2023年のキー・リリーバーがトミージョン手術
マリナーズのリリーバー右腕のマット・ブラッシュ(Matt Brash)が現地2024年5月8日(水)にトミージョン手術を実施したことが明らかになりました。これはマリナーズGMのジャスティン・ホランダー(Justin Hollander)が記者を通じて明らかにしたもの。
インターナル・ブレース
またダニエル・クレイマー記者(MLB.com)によるとこの治療はインターナル・ブレース手術で、靭帯の修復に人工的靭帯を使用する手術で、再建型のトミージョン手術とは手術内容が異なります。
Matt Brash had Tommy John surgery on Wednesday, Justin Hollander just said … He had the ligament repaired and brace procedure, and they anticipate that he’ll be ready for Major League activation by next June.
— Daniel Kramer (@DKramer_) May 10, 2024
大谷選手もインターナル・ブレースであろうと言われていますね。この治療により、マット・ブラッシュは今季はシーズン・エンディングとなり、復帰時期は2025シーズンの8月ということになっています。再建型のトミー・ジョン手術よりは復帰時期がやや早いです。
2023年に最多登板
このマット・ブラッシュですが、もともとは先発ローテーションとしてメジャーに上がってきた投手。デビュー時の記事はこちらです。かつてのティム・ハドソンのような投球フォームで、スライダーがとにかく素晴らしい投手でもありました。
先発で上がってきたものの、ラフスタートが何回かあったためにブルペンに移動。そしてブルペンではその持ち味を発揮し、2022年に39試合に登板(そのうち、ブルペンは34試合)。1年目でERA 4.44をマークしました。
素晴らしかった2023年
さらによかったのが2023年です。78試合に登板し、70.2イニングを投げて9勝4敗、ERA 3.06をマーク。マリナーズのセットアップに欠かせない存在となっていました。2023年のSO9は13.6です。いかに三振を奪えるリリーバーかというのがおわかりいただけると思います。
マット・ブラッシュは、スライダーのキレがすごい投手なのですが、何より4シームが強いことでも有名。アベレージ・ベロシティーは98.1mphを誇り、さらに投球割合は少ないのですが、シンカーも98.5mphを記録するほどファストボールがとにかく素晴らしい投手。
スライダーは縦の変化量がすごいのですが、やはりこれだけ強いボールを投げると肘にも負担がかかっていたようで、今回はインターナル・ブレース手術をするということになりました。
2024年は登板なし
マット・ブラッシュに怪我の兆候が出たのはスプリング・トレーニング中の2023年2月23日。この日、ブルペン・セッションで投球肘に違和感の出たマット・ブラッシュは以降、しばらくの間は投球をストップ。2月28日にはシリアスな状態ということが判明していました。
それでも3月に入り、違和感に底が見えたということで一旦はスローイング・セッションを開始。4月1日にはブルペン・セッションをスタートし、4月半ばにはBPセッションも行い、4月22日にはリハビリ登板を開始するまでに至りました。
ところが4月27日にやはり右肘に痛みを発症し、この後、インターナル・ブレース手術へということになりました。よって、今季はメジャーのマウンドには上がっていません。
今季のマリナーズのブルペン
マリナーズは、クローザー・ロールとしてアンドレ・ムニョスというしっかりした存在がおります。今季はマット・ブラッシュを欠いているということで、トレント・ソーントン、ライン・スタネック、ゲイブ・スパイアーがそれぞれ重要なセットアップ・ロールを担っています。今季、補強したオースティン・ボスもERA 2.40と良い数字を出しているので、現状に大きな影響はありませんが、それでもマット・ブラッシュが来季半ばまでいないというのは編成上、大きな影響は出そうですね。
マット・ブラッシュには怪我を治してもらい、また素晴らしい投球を見せてもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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