カッター・クロフォード、ようやく今季初勝利
現地2024年4月20日、PNCパークでのパイレーツとの3ゲームシリーズに臨んでいるレッドソックスはGm2で今季好調のカッター・クロフォード(Kutter Crawford)が先発。ここまで好投を続けながら勝ち星に恵まれなかった右腕ですが、この日は吉田選手の援護弾もあり、ついに今季初勝利を上げることが出来ました。
5回の大ピンチをしのぎ切る!
1回表にジャレン・デュランのトリプルをきっかけにウィーリャー・アブレイユのラッキーな内野ゴロなどで2点の先制点をもらったカッター・クロフォードは序盤3イニングを無失点に抑える立ち上がり。
4回裏、先頭のキーブライアン・へイエスにRFに二塁打を打たれ、2アウトまでこぎつけるも、ジャレッド・トゥリオーロ(Jared Triolo)にタイムリーを打たれて1失点。2-1と1点差に詰め寄られます。
最大のピンチは5回裏。先頭のマイケル・A・テイラーにRFへのシングルで出塁を許すと、1アウト後にブライアン・レイノルズにこの日2本めのシングルを許し、さらにキーブライアン・へイエスには四球を出して1アウト満塁のピンチを迎えます。しかし、ここからカッター・クロフォードはジャック・スウィンスキーをカットボールとスプリッターの連投で三振を奪い、つづくジョーイ・バートも最後はカットボールで空振りを奪い、このピンチを脱します。
コーラがマウンドに
6回裏、2アウトからオニール・クルーズに四球を出したところで、アレックス・コーラ監督が自らマウンドへ。しかもカッター・クロフォードの目を見てかなり激しい口調で話したように見えました。コーラはそのままダグアウトへ下がり、クロフォードはつづくマイケル・A・テイラーから三振を奪い、6イニングを投げきりました。
試合後、何を話したかまでは明かさなかったコーラですが、交代ではなく、ここはクロフォードで乗り切ることを再確認しただけだったと言いました。
カッター・クロフォードは6イニング100球を投げ、ストライクは68球。被安打7、失点1、ER 1、BB 3、SO 6という成績でした。
吉田選手が効果的な2ランHR
カッター・クロフォードが5回裏の満塁のピンチを乗り切った直後、レッドソックスは1アウトからパブロ・レイエスが四球で出塁。ここで打席が回ってきたのは吉田選手。吉田選手はミッチ・ケラーの初球の甘いシンカーを右中間スタンドに運ぶ2ランHRを放ち、スコアは4-1。これで勝利の確率はグッと近づいてきました。非常に効果的なHRであったことは間違いないです。
吉田選手はこの日はシングルヒットを放っており、マルチ安打をマーク。そろそろ調子が上がって来そうです。
8回裏、ジョーリー・ロドリゲスがコナー・ジョーにHRを許し、4-2となりましたが、吉田選手のHRが効き、カッター・クロフォードの勝利投手の権利をキープ。9回はケンリー・ジャンセンが三者三振に仕留めてゲームセット。
カッター・クロフォードに今季初勝利がもたらされました!
K・クロフォード、R・クレメンスに並ぶ!
カッター・クロフォードはレッドソックスの先発投手としては、1991年にロジャー・クレメンスが最初の5先発で記録したERAといみじくも並びました。ともに0.66です。
カッター・クロフォード
2024 | Date | Opp | Rslt | IP | H | R | ER | BB | SO | ERA | HR |
1 | 3/30 | @SEA | L,3-4 | 6.0 | 3 | 1 | 0 | 1 | 7 | 0.00 | 0 |
2 | 4/5 | @LAA | W,8-6 | 4.2 | 2 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0.84 | 0 |
3 | 4/10 | BAL | L,5-7 | 5.0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 6 | 0.57 | 0 |
4 | 4/15 | CLE | L,0-6 | 5.2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.42 | 0 |
5 | 4/20 | @PIT | W,4-2 | 6.0 | 7 | 1 | 1 | 3 | 6 | 0.66 | 0 |
ロジャー・クレメンス
1991 | Date | Opp | Rslt | IP | H | R | ER | BB | SO | ERA | HR |
1 | 4/8 | @TOR | W,6-2 | 8.0 | 6 | 1 | 1 | 0 | 6 | 1.13 | 0 |
2 | 4/13 | CLE | W,4-0 | 9.0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 11 | 0.53 | 0 |
3 | 4/18 | KCR | W,1-0 | 8.0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 10 | 0.36 | 0 |
4 | 4/23 | TOR | W,3-0 | 7.0 | 5 | 0 | 0 | 4 | 7 | 0.28 | 0 |
5 | 4/3 | @CHW | W,7-2 | 9.0 | 5 | 2 | 2 | 2 | 7 | 0.66 | 0 |
最初の4先発はBOS史上NO.1
カッター・クロフォードはシーズン最初の4先発でいずれも1失点か無失点、しかも被安打3以下をマーク。これはレッドソックス史上唯一の投手となりました。
この日の登板は被安打も多く、苦しいマウンドになりましたが、それでも最少失点で切り抜けたゲームメイクぶりは称賛に値しますね。カットボールとスウィーパー、そしてスプリッターの精度が良いです。
超ショートアーム
今季はアンドリュー・ベイリー投手コーチの指導もあり、コントロールが投手陣のコントロールが全体的に良いのですが、カッター・クロフォードもそれを体現している投手です。
やはりその特徴は超ショートアームのバックスウィングにあり、打者はやはりタイミングが取りづらいようです。この日2安打を放ったブライン・レイノルズは、「彼はタイミングを狂わせようとしているだけだ。ああいう相手と対峙するときは、早めに準備をして待つんだ」と対策を述べていますが、早めの準備は間違いないところですが、クロフォードが超ショートアームになったのはタイミングをずらす目的ではなく、最も投げやすいのがあの型だったというに過ぎません。結果的にタイミングは取りづらくはなっていますが。
先発にして正解
クロフォードは2021年にMLBデビューを果たして以来、主にリリーバーとして起用されてきましたが、今季の結果からそれが誤っていて、いかに先発の方が合っていたかが証明される結果となりました。
クロフォードはERAでMLB NO.1
また、カッター・クロフォードのERA 0.66は現地2024年4月21日時点でMLB NO.1です。ちなみにNO.2はカブスの今永投手で0.84。今永投手はNLではNO.1ということになります。
デバースは欠場、カサスはIL
この日、レッドソックスは吉田選手にどうしても結果を出してもらいたかったのですが、その理由の1つがラファエル・デバースの怪我。デバースは膝を傷めており、17日のガーディアンズ戦以来出場はなし。22日が移動日のレッドソックスは23日からクリーブランドで再びガーディアンズ戦。ここで出てくるかどうかですが、ちょっと心配です。打撃不調もこれが原因だったようですね。MRIでの検査も行っているようですが、結果などの情報はまだありません。
また、この日は4番でスタメンに名を連ねたトリストン・カサスが1打席目で四球を選んで交代。どうやら左肋骨を傷めたようで10 Day ILに入りました。復帰は5月1日の予定です。打撃の中心の2人がこのような状態になったが故に、吉田選手にはポイントゲッターとしての期待がかかってきます。
パイレーツ、5連敗
開幕5連勝と滑り出しが良かったパイレーツですが、直近10試合で2勝8敗、しかも5連敗中。開幕直後は打撃陣が投手陣をカバーしていた状態でしたが、ここのところは打線が湿っており、投手陣の失点をカバーしきれなくなっています。2023年は4月中は好調だったのですが、今季は息切れが早く訪れてしまった状態です。
2021年全体1位のヘンリー・デービスが打撃で苦しんでいます(AV .182)。ジャック・スウィンスキーも不調(.172)でオニール・クルーズも苦戦しています(.214)。彼ら3人が上がってこないとパイレーツはちょっと厳しいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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