大物リリーバーを獲得したBOS。しかし・・・
にわかに目を疑ったのですが、現地2024年2月18日、ボストン・レッドソックスはトミー・ジョン手術からの復帰を目指しリハビリに勤しんでいるリアム・ヘンドリクス(Liam Hendriks)と2年契約で合意しました。
契約内容
現地2024年2月18日時点ではまだ合意間近というのが正解なようですが、複数のソースによれば両者は以下の内容で大筋で合意。
- 2年/$10M保証(2024-2025) +オプション
- 2026ミューチュアル・オプション
- インセンティブあり
非ホジキンリンパ腫から復帰
リアム・ヘンドリクスと言えば、2023年1月初旬に非ホジキンリンパ腫であることを公表。2021年に38セーブ、2022年に37セーブをマークしたMLBトップ・クラスのクローザーが重病を患っているというニュースは非常にショッキングでもありました。
治療に臨んでいたリアム・ヘンドリクスは順調に回復。4月にはがんが消えたと発表。そして1月の公表から約4ヶ月後の2023年5月29日、エンゼルス戦で見事に復帰登板を果たしました。この時は1イニングで2失点を喫し、本調子ではなかったものの、まずはMLBに帰ってきたことに称賛の拍手が送られました。オフシーズンには、ALのア・リーグのカムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞。
難病を克服するも、復帰後すぐにTJ手術
しかし、その復帰マウンドは残念ながら長く続かず、復帰5試合目となった6月9日のマイアミ戦が2023年の最後の登板となってしまいました。本調子でなかったのは体調面ゆえかと思っていたのですが、ベロシティーが上がらなかったのは肘に炎症が見つかったからで、これにより、リアム・ヘンドリクスは2023年8月にトミー・ジョン手術を実施しました。
1989年2月10日が誕生日のリアム・ヘンドリクスは2024年が35才のシーズン。年齢的にもかなりリスクのある時期だったのですが、大胆に決断しました。
CWSがオプションを拒否
リアム・ヘンドリクスの直近の契約は、2021年1月にホワイトソックスとサインした以下の内容でした。
【前契約】
- 3 年/$54M (2021-23) +オプション
- 2024 $15M クラブオプション($15Mバイアウト)
- $15Mのバイアウトは2024-33年の間に$1.5Mずつ10回に分けて受け取る
トミー・ジョン手術を行い、2024年は投げられないことから(悲観的に見て)、ホワイトソックスはこのオプションを拒否。リアム・ヘンドリクスはFAとなっていました。
ただ、オプションを拒否したとは言え、ホワイトソックスは$15Mという嘘のような設定のバイアウトでサインしていたので、2024年は$15Mを支払うことになります。その$15Mは毎年$1.5Mずつ10年に亘り支払うことになっています。
2024年の復帰は難しいはず
リアム・ヘンドリクスが行ったトミー・ジョン手術がどの類のものかは定かではないのですが、2023年8月に実施ということは、ノーマル・コースだと1.5年かかるので、2025年の復帰で2024年は捨てることに。
ただ、簡易版の可能性もあり、もしそうであれば術後1年の2024年9月に復帰する可能性もあります。
レッドソックスが大胆に2025年にフォーカスしたのか、それとも2024年中の復帰は可能という確証を得てサインしたのか、現時点では不明です。
フルマーに続き2人目
なお、レッドソックスがリハビリ中のFAリリーバーとサインするのはこれが二人目。 現地2024年2月2日にマイケル・フルマーとサインして、2024年の離脱は想定済みです。
リアム・ヘンドリクスとは、
リアム・ヘンドリクスは上述の通り、MLBで最も有力なリリーバーの一人。もともとは2011年にツインズで先発投手としてデビュー。ツインズ、ロイヤルズ、ブルージェイズで4シーズンに亘り、39試合に登板しERA 5.92と苦戦。
その後2015年にブルージェイズに移籍し、ここでリリーバーに転向。 この役割の変更がリアム・ヘンドリックスのパフォーマンスに驚異的な影響を与え、転向初年度に64.2イニングを投げてERA 2.92、FIP 2.14と急激に品質をアップ。SO%は2014年の17.4%から一気に27.2%にアップ。BB%もわずか4.2%でリーグ平均の8/2%を大きく下回っていました。
大ブレイクしたリアム・ヘンドリクスでしたが、ブルージェイズはなぜか引き留めず、2016年シーズン前にアスレチックスにトレードに出しました。ジェシー・チャベスが欲しかったのですが、これはいかがなものかと思ったものです。
アスレチックスでの2016年から2018年までの3年間は、登板数は多かったものの、ERAは4点台とやや品質が落ちました。
急激によくなったのは 2019年からで、75試合に投げて、なんとERAが1.80、FIP1.78!
2020年(短縮シーズン)、2021年とそれぞれERA 2点台をマーク。この頃はもうクローザーとして確固たる地位を築いていました。
2022年は58試合に登板し、ERA 3.43。
2022年と2023年はBB%が6.8%、5.0%とやや荒れていました。
通算成績は476試合に登板し、33勝34敗、116 セーブ、ERA 3.82、SO% 26.29、BB% 5.9。
BOS、2024年のブルペンが今ひとつ見えず
前日にジョン・シュライバーをロイヤルズにトレードしたレッドソックス。ケンリー・ジャンセンはトレード・ターゲットであると。さかんに報道されていますが、ジャンセンはそれを知って悲しいと心情を綴りましたね。
クリス・マーティンも出す可能性があり、現状、2024年のブルペンをどう整えるのか、あまり見えてきていませんね。どうするのか?!
この2人を残しておかないと結構、大変なことになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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