BOS、直近2年の平均ERA2.90のシュライバーをトレード
現地2024年2月17日、レッドソックスは思い切ったことをしましたね。2023年は怪我で出遅れたのがあったのですが、2022年に至っては最も信頼できるリリーバーとなっていたサイド・ワインダーのジョン・シュライバー(John Schreiber)をロイヤルズにトレードすることとなりました。
トレードの用意はケンリー・ジャンセンにあるとばかり思っていたのですが、まさか実戦で頼りになるシュライバーを出すとは思いませんでした。
トレード概要
このトレードは1:1の関係で成立しています。
ロイヤルズGet
- ジョン・シュライバー(John Schreiber/30)RHP/SP
レッドソックスGet
- デービッド・サンドリン(David Sandlin/23) RHP/SP
リリーバーと先発の交換ということになりました。
ジョン・シュライバーとは?
前CBO(Chief Baseball Officer)のハイム・ブルームがもたらした最も効果的なディールは何か?と聞かれれば、筆者はこのジョン・シュライバーの獲得であったと答えます。
ジョン・シュライバーは、なんとタイガースからウェーバーで競り落として獲得したのです。ゆえにサプライズ・ディールでもありました。
ジョン・シュライバーは、2016年のアマチュア・ドラフトのタイガースの15巡目指名の投手。
ドラフト・イヤーの2016年にルーキー・レベルを経ずにクラスAマイナスでプロデビュー。2017年にはクラスAにおいて、27試合に登板して、ERA 0.54と素晴らしい成績を残しました。
2018年はダブルAで49試合に登板して、ERA 2.48。ただ、この年の秋のアリゾナ・フォール・リーグでは打ち込まれてERA は7.00。
やや乱れたのはこのAFLの登板のみで、2019年もダブルA、トリプルAでいずれも2点台のERAを叩き出し、2019年8月9日のロイヤルズ戦でついにメジャー・デビューを果たしました。
ただ、メジャーに上がってからは2019年、2020年ともにERAが6点台と結果が出ず、頭打ちのような状態になります。リリーフの場合、一度の登板で打たれればすぐにERAが悪化しますから、真贋を数字で判断するのはなかなか難しいです。
2021年2月、タイガースは開幕前のロスター調整でジョン・シュライバーをDFAにし、ウェーバーにかけたところをレッドソックスがクレームオフ。これがレッドソックスに入るきっかけとなりました。
レッドソックスに移籍
ジョン・シュライバーを獲得したレッドソックスでしたが、なんとその1ヶ月後の2021年3月30日にDFAにします。
シュライバーはスプリング・トレーニングで2試合、1.1 IPで自責点2と結果が出なかったのです(ERAは 13.50)。
これによってレッドソックスからもDFAとなってしまいます。しかし、シュライバーはこのままマイナーへアウトライトとなり、トリプルAで開幕を迎え、メジャーへの準備を進めます。
2021年はトリプルAでERA 2.71をマーク。またもやマイナーでは結果を出したのでした。2021年9月に1試合だけメジャーに上がりましたが、3.0 IPで被安打4、失点1、SO 5。2021年はこの1試合のみの登板となりました。
大化けした2022年
そしてジョン・シュライバーがレッドソックス・ファンの心を掴んだのは2022シーズン。
非常に強いボールを投げたシュライバーは64試合、65.0イニングを投げ、ERA 2.22、SO9 は10.2を誇りました。非常に頼りになる存在となりましたが、レッドソックスはポストシーズンを逃し、最下位に。コンテンダーのシーズンであれば、もっと価値が上がる投球でした。
2023年に怪我で出遅れたシュライバーは、調子が今ひとつだったのか、ボール先行の投球が続き、2023年はERA 3.86に。
デービッド・サンドリンとは
レッドソックスが獲得したデービッド・サンドリンは、23才の先発投手。2022年のロイヤルズの11巡目指名で、ロイヤルズ内のプロスペクト・ランクで5位にランクされていた投手。
2023年は広背筋を傷め、クラスAとクラスAプラスで計14試合に投げ、4勝2敗でERA 3.51。SO9が11.7、BB9が2.4と割とまとまっています。デビューが近いか?と言えば、まだマイナーで力を養って行く段階で、ただ、ピッチング・プロスペクトの少ないレッドソックスとしては、後々のお楽しみというところでしょうか。
ロイヤルズは戦う準備が整う
ALセントラルをもぎ取ろうとしているロイヤルズは今オフは非常にアグレッシブでした。
カイル・ライト、セス・ルーゴ、マイケル・ワカと先発を補強しつつ、ウィル・スミス、クリス・ストラットン、そしてジョン・シュライバーと実績のあるリリーバーも整え、現場としては非常に指揮し易い体制になったと思われます。
BOSはリリーバーをどうする?
上述のようにレッドソックスは、ケンリー・ジャンセンを喜んでトレードする用意があり、噂では2023年に活躍したクリス・マーティンもそのリストに入っているとか。
現状のリリーバーでその二人とシュライバーを除けば、ブレナン・バーナディーノ(L)、クーパー・クリスウェル、ジャスティン・スレイトゥン、ブライアン・マタ、ザック・ケリー、クリス・マーフィー(L)というところ。FAでいいリリーバーが残っていたのに獲得に至らず、ローテーションから外れる投手がここに入ることになります。
そもそも打撃のチームではありますが、今季も打って勝つ予定のようですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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