2023ワールドシリーズMVPが手術(済)
現地2024年1月30日のこととなりますが、2023年のワールドシリーズMVPのレンジャーズのコーリー・シーガー(Corey Seager)がスポーツ・ヘルニアの手術を受けたことが明らかになりました。手術と同日の発表です。
PS中に発症
レンジャーズのクリス・ヤングGMによると、コーリー・シーガーが最初に腰に違和感を感じたのはポストシーズン中のことだったと言います。
腰に関する怪我は、疲労の蓄積により発症することが多く、シーガーもチームドクターと相談してそのような処置を取ることは合意していたものの、さすがに状況がそれを許さず、今回の手術に繋がったと言っても過言ではありません。
シーガーありきのWS制覇
レンジャーズの2023年は、コーリー・シーガーありきのシーズンでもありました。しかし、コーリー・シーガーはずっとヘルシーであったかというとそうでもありませんでした。
1度目のIL:左ハム
シーズン開幕をスムーズに迎えたコーリー・シーガーでしたが、2023年4月12日のロイヤルズ戦で左ハムストリングスを傷めて10 Day ILに。これが思いの他重症で、グレード2の損傷でした。ゆえに、復帰したのは1ヶ月後の5月17日のブレーブス戦。
復帰後(ハムストリングスの怪我の前の分も含めて)は、7月21日のドジャース戦まで打ちに打ったりで、打率.350、OBP .413、SLG .631で、OPSは1.044。HR 15、RBI 58、二塁打29、RUN 47をマーク。このタイミングでは規定打席に入っていなかったので、ランキングには入っておりませんでした。
シーガーの活躍とネイサン・イオバルディーの好投もあり、レンジャーズは開幕時から首位を走ります。
2度目のIL:右手親指を捻挫
ところが、現地7月21日のドジャース戦の8月裏に、2塁打を放った際に2塁ベースで右手親指を捻挫。シーズン2度めのILとなってしまいます。
シーガーは8月1日に早期復帰を果たしましたがその間、レンジャーズは7試合で2勝5敗。いかにシーガーの存在が大きいかがわかった離脱でもありました。WSを制覇したレンジャーズでしたが、7月は11勝13敗と負け越し。
その後、レンジャーズのシーズンの流れとしては、トレード・デッドラインでマックス・シャーザーとジョーダン・モンゴメリーを補強したことで、息を吹き返し、8月に入った途端に8連勝をマーク。この間、コーリー・シーガーは5HRを放っています。
ところが、8月半ばには投手陣に疲れが出て8連敗。同時期にマリナーズはフリオ・ロドリゲスの神がかった活躍もあり8月27日に一気に首位に躍り出ます。また、この頃にはアストロズも自力を発揮。
レンジャーズはさらに9月に入っても投手陣の苦戦が続き、最初の7試合で1勝6敗、このうち3試合連続で二桁失点という非常に苦しい戦いを強いられ、3位にまで転落。さすがのコーリー・シーガーは9月は少しだけ落ちました。
シーズンの月別成績です。9月のAVGは.267。落ちたと言っても.267ですから、いかに打ちまくっているかがわかりますね。
Month | G | H | HR | BA | OBP | SLG | OPS |
April/March | 11 | 14 | 1 | .359 | .469 | .539 | 1.008 |
May | 13 | 16 | 4 | .291 | .305 | .582 | .887 |
June | 26 | 39 | 5 | .368 | .442 | .642 | 1.083 |
July | 16 | 23 | 5 | .365 | .414 | .714 | 1.129 |
August | 24 | 33 | 10 | .337 | .407 | .704 | 1.111 |
Sept/Oct | 29 | 31 | 8 | .267 | .320 | .535 | .855 |
そして終盤に持ち直したレンジャーズはアストロズと同率首位でフィニッシュとなりましたが、直接対決の勝敗で地区優勝を譲ることに。
そしてポストシーズンではご覧の活躍です。
Series | PA | AB | H | HR | BA | OBP | SLG | OPS |
ALWC | 10 | 8 | 5 | 0 | .625 | .700 | 1.000 | 1.700 |
ALDS | 15 | 6 | 2 | 1 | .333 | .733 | .833 | 1.567 |
ALCS | 33 | 31 | 8 | 2 | .258 | .303 | .516 | .819 |
WS | 24 | 21 | 6 | 3 | .286 | .375 | .762 | 1.137 |
ずっと打線が良かったレンジャーズですが、アドリス・ガルシアなどインパクトのある活躍をする選手が多数出たものの、シーズンを通してずっとチームを支えてきたのはコーリー・シーガーで、彼がゲームから離脱することはレンジャーズにとっては致命的とも言っていいくらいの選手です。
本人は開幕へ意欲
そんなコーリー・シーガーがスポーツ・ヘルニアの手術を受けたということで、大きなざわめきが起きましたが、クリス・ヤングによると、シーガー本人が開幕日にプレーできるようになることを「希望している」と語り、心配のレベルはそれほど高くないと付け加えています。
具体的なタイムテーブルは出ていませんが、長期離脱する症状ではないことは確かです。場合によっては開幕もあり得るかもしれませんが、養生からチューンナップの期間を入れるとさすがに開幕は厳しいかもしれません。どうせなら、ちゃんと治して戻ってもらいたいですね。よって、4月のいずれかに復帰くらいの見通しの方が良さそうです。
補強はない見込み
レンジャーズにはSSが出来るエジキエル・デュランがおり、さらにジョシュ・H・スミスも控えております。特にデュランは、シーガーのバックアッププランとしての経験があり、2023年は122試合に出場して106 OPS+をマーク。十分かと思います。
コーリー・シーガーは2024年、レンジャーズと10年/$325M契約の3年目を迎えますが、過去2シーズンはASGに出場、2023年はシルバースラッガー賞を受賞。さらにALMVP投票では大谷選手に次いで2位。レンジャーズとしてはこの補強は大成功となっています。
ちなみにALMVPの投票ではチームメイトのマーカス・セミエンが3位に入っています。セミエンはレンジャーズの精神的なリーダーという位置づけでしょうね。シーガーとセミエンは本当に素晴らしいコンビです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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