貢献したOBに花道を用意するかのように
現地2024年1月19日、セントルイス・カージナルスはOBのマット・カーペンター(Matt Carpenter)と1年契約でサインしました。
マット・カーペンターはこのオフはパドレスからブレーブスに移籍し、ブレーブスからすぐにリリースされるなど翻弄されましたが、カージナルスがOBを拾い上げたという形になりました。マット・カーペンターは38才。カージナルスは今季も貢献したプレーヤーに花道を用意しているように思えてなりませんね。義理人情を見せたディールではないか?と思われます。
契約内容
カージナルスはマット・カーペンターに対し、MLBミニマムの$0.74Mの日割りのみの支払いで良いことになります。その理由はまだ直近の契約が活きているからです。
直近の契約
そのマット・カーペンターの直近の契約は2022年12月にパドレスとサインした以下の内容です。
- 2年/$12M (2023-24)
- サイニング・ボーナス:$3M(2023年に3度に分けて)
- $3.5M(2023)
- 2024 $5.5Mプレーヤー・オプション
- パフォーマンス・ボーナスの設定あり(省略)
- 11/3、カーペンターはプレーヤー・オプションを行使
マット・カーペンターは2024年のプレーヤー・オプションを2023年11月に行使。パドレスで$5.5Mでプレーすることになっていました。
2023年オフのディールと支払い
ところが、パドレスのAJ・プレラーは2023年12月にマット・カーペンターをブレーブスにトレード。下記のようなディールとなっていました。
- 【ブレーブスGet】12/15
- マット・カーペンター(38)DH or 1B/RL
- レイ・カー(Ray Kerr/29) LHP
- 【パドレスGet】
- ドリュー・キャンベル(26)OF/LL
.5Mの支払いの内訳
この時、2024年のサラリー$5.5Mのうち、パドレスが$1.5Mを負担。ブレーブスは$4Mの支払いということになりました。
ブレーブスがリリース
さらに、12月18日にはブレーブスがマット・カーペンターをリリース。マット・カーペンターはFAとなっていたのでした。
ブレーブスはM-ミニマムの日割り
リリースしたとしてもブレーブスには$4Mの支払い義務があります。今回、カージナルスは上述の通り、リーグミニマムの日割り(マット・カーペンターがMLBロスターに入った日数)で良いことから、ブレーブスの最終的な支払いは、$4Mからそのリーグミニマムの日割り分を差し引いた分になります。カージナルスと合計して$4Mになれば良いと(すでにパドレスは$1.5Mを負担しているので)。
マット・カーペンターとは
マット・カーペンターは上述の通り、2024年は38才のシーズン。テキサス州の出身で2009年のアマチュア・ドラフトのカージナルスの13巡目指名でプロ入りしました。大学に4年いたので23才でのプロ入りです。
2012年にはすでにトリプルAまで昇格していのたのですが、メジャー・デビューとなったのは2011年、25才の時です。この時は7試合のみの出場で、お試し昇格という意味合いでした。
翌2012年からほぼレギュラーで出場する形になり、114試合で、AVG .294をマーク。オフのROY投票では6位に入りました。
輝いた2013年!
すごかったのが2013年。157試合に出場し、安打数は199をマーク。打率.318、OBP .392、SLG .481、HR 11、二塁打 55、三塁打 7、RBI 78、RUN 126と素晴らしい活躍を見せます。このシーズンはMVP投票で4位、そしてシルバー・スラッガー賞も受賞。オールスターにも出場しました(初)。
2014シーズンはPA 709、安打数 162、AVG .275で、BB数がなんと95! もう相手投手からすれば完全に嫌なバッターになりました。
2015年は156安打を放ち、HRが28に。RBI 84はキャリアハイの数字です。
HR量産の時期
2016、2017と2年連続で20HR以上をマーク。2017年のBB数は109 !
そして2018年には安打数145で、HRを36に伸ばすという進化を見せます。RBIは81で、BBは102。MVP投票では9位に。
2019年から翳り
2019年から翳りが見え始め、2019年の安打数は99でAVGは.226。60試合シーズンの2020年はAVG .186、この傾向はまだ続き、2021年は130試合に出たものの、AVG .169。先発出場は44試合で、このうち9イニングまで出場したのはわずか25試合に。
2021年11月にFAとなり、2022年3月にレンジャーズとサイン。直近3シーズンの数字が悪く、マイナーディールでのサインでした。レンジャーズからは5月半ばにリリースされ、再びFAに。
ヤンキースでは絶好調も・・・
その後、2022年5月26日にヤンキースとサイン。ヤンキースに加入後はすぐにメジャーに上がり、5月終わりから8月8日までの47試合で15 HR、.305/.412/.727と大活躍。
ところが8月8日のゲームで自打球が足を直撃し、骨折。ちょっと不運でした。
ただ、この活躍が認められ、パドレスと2年契約を結んでいました。
2023年は76試合の出場で、33安打、.176/.322/.319と前年のヤンキースでの活躍のようには行きませんでした。
決断は?
カージナルス・ファンは2024年も長年在籍した選手たちとエモーショナルな時間を過ごすことになるかもしれません。
2022年はアルバート・プホルスがクラブに戻り、この年を最後に引退。同年はまた、将来のHOF候補と言われているヤディアー・モリーナも最後のシーズンに。
そして2023年はアダム・ウェインライトがキャリア通算200勝を達成して、現役を引退。ウェインライトの場合は、カージナルスがコンテンダーで無くなったがゆえに200勝を達成することが出来たような状況でした。
マット・カーペンターは現時点では去就を明らかにしていません。ひょっとしたら、今季はまた復調するかもしれませんが、そういう希望も持ちつつも、カージナルスは花道を用意したようなディールですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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