まさかのエンゼルス
現地2024年1月19日、このFAのリリーバー市場の中で知名度、実績から最も注目されていた投手がジョシュ・ヘイダーなら、2023年の実績、ボールの質、そしてそれほど高騰していないサラリーから大穴的な存在となっていたのがレイズからFAのロバート・スティーブンソン(Robert Stephenson/31)でした。
そのロバート・スティーブンソンのディールが決定。エンゼルスとサインすることになりました。個人的にはぜひともレッドソックスに!と思っていたのですが、エンゼルスということに。
契約内容
ロバート・スティーブンソンとエンゼルスとの契約は現時点では合意で、大筋の内容は下記の通りです。
- 3年/$33M保証(2024-2026) + 2027 オプションあり
ざっとAAVは$11Mというところで、2027年にオプションがあります。年齢的な要素からクラブ・オプションかと思いますが、エージェントの”Apex Baseball”が強気に出たかどうか。
なお、エンゼルスはこのディールの前ですでに40manロスターがフルだったため、オフィシャルとなった場合に外れる選手が出てきます。
2023年に際立つ投球!
ロバート・スティーブンソンはなんと言っても2023年の投球が素晴らしかったです。
レイズにはシーズン途中で移籍したのですが(詳細は後述)、レイズに移ってからの投球は、42試合で38.1 イニングを投げ、ERA 2.35、SO9が14.1、BB9が1.9と超高品質の投球を披露。
最も重要な時期である8月半ばから9月半ばにかけての1ヶ月は、15試合連続無失点(自責点も0)を記録。この間、13.0 IPで被安打がたったの3、BBもたったの1。そしてSOはなんと23!相手打線のAVG/OPB/SLGは、.071/.093/.095と、全くノーチャンスの無双の投球を披露していたのでした。
ロバート・スティーブンソンが輝くまで
ロバート・スティーブンソンは1993年2月24日生まれで2014年3月28日の開幕時には31才となります。カリフォルニア州出身。今回は地元に帰るということになります。
ドラフトは2011年のレッズの1巡目指名。全体順位は27位。
神童だった高校時代
ロバート・スティーブンソンは高校3年時ですでに98mphを計測。ゲームではノーヒッターを連発していたと言います。その年の成績は7勝2敗、ERA 1.33、64 IPで132 SO、29 hits。200-11の”GATORADE STATE(California) HIGH SCHOOL PLAYERS OF THE YEAR”に選ばれました。
ワシントン大学への進学を考え、入学志願書を揃えていたところ、レッズから1巡目で指名されたのでした。レッズとはサイニング・ボーナスは$2M。
メジャーデビューするまではマイナーで5シーズンを過ごしました。
2013年にはクラスA、クラスA+、ダブルAの3レベルで投げ、7勝7敗、ERA 2.99。2014年にはAAで1シーズン過ごし、先発として27試合、136.2 IPで、7勝10敗、ERA 4.74。2015年はトリプルAにも昇格。
メジャーデビューは、2016年4月7日のフィリーズ戦。先発でのデビューで、5.0 IPで失点4、ER 3、HR 2。チームも勝利して初登板で初勝利をマーク。2戦目の4月19日のロッキーズ戦でも勝利。
しかし、レッズはその後トリプルAにオプション。トリプルAでは24試合に登板して8勝9敗、ERA 4.41。このシーズンは昇格と降格を重ね、MLBでは計6試合に登板し、2勝3敗、ERA 6.08でシーズンを終えました。
その後、2020年まで昇格と降格を繰り返し、レッズでは5シーズンで104試合に登板(そのうち22試合に先発)し、10勝13敗、ERA5.15。BB9が4.8を記録したようにコントロールに課題がありました。
ロッキーズへ
2020年11月25日、ロバート・スティーブンソンはレッズがジェフ・ホフマンを獲得したトレードでマイナーリーガーとともにロッキーズに移籍。
ロッキーズには2022年8月まで在籍。2シーズンで計94試合登板するも、全てリリーフ登板で成績は4勝2敗でERA 4.57。BB9は3.1にまで品質改善しました。
2022年8月27日、ロッキーズはオプションの切れたロバート・スティーブンソンをマイナーに降格する際、ウェバーに公示。この時、パイレーツがクレームオフし、パイレーツに移籍することに。パイレーツでは13試合に登板してERAは3.38。
2023年、パイレーツで開幕を迎えたロバート・スティーブンソンは、18試合に登板し、ERA 5.14。まるで冴えていませんでした。
2023年6月、パイレーツがアリカ・ウィアムズを獲得したトレードでレイズへ移籍。この時、全くノーマークで、誰もこの後にロバート・スティーブンソンが大飛躍するとは思っていませんでした。MLBは本当にこういう漫画的な変化がよく起こります。
カッターでメジャーでの才能が開花
飛躍の最大の要因はコントロールがよくなったということに尽きるのですが、それをやりやすくしたのがカットボールの習得でした。2022年は97Mmphの4シームとmid 80mphのスライダーとのコンビネーションでしたが、レイズに移籍後は変化球の中心はカットボールに。
そのカットボールですが、whiff%(空振り率)がなんと59.9%。打者の打率は.101。自信のあるボールが出来れば心にも余裕が出来、コントロールも改善したというような流れです。
投げ方もきれいです。
ロバート・スティーブンソンに何か懸念があるとしたら、まだ良い実績がレイズでの4ヶ月しかないという点になるでしょう。
8回?
エンゼルスは2024年もカルロス・エステベスを9回に起用すると思われ、そうなるとロバート・スティーブンソンは8回、あるいは7回の難しいタイミングでの登板ということになりそうです。
エンゼルスはベン・ジョイスも機能すればなかなか面白くはなりそうです。
ロバート・スティーブンソンが2023年のレイズでの投球を引き続き見せられるかどうか注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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