ジャイアンツ、また動く!
現地2024年1月13日、サンフランシスコ・ジャイアンツがリリーバー獲得に動きました!元カージナルスで、2023シーズン終了後にブルージェイズからFAとなっていたジョーダン・ヒックス(Jordan Hicks)とサインです。
これでジャイアンツはカミーロ・ドバルとともに強いボールを投げるリリーバーを2人も揃えることが出来ました!・・・と思っていたのですが、契約内容を見るとそうではないことが判明!
契約内容
そのジョーダン・ヒックスとジャイアンツの契約は現時点ではまだ合意の状態ですが、まもなくオフィシャルとなる模様。内容は大筋で下記で間違いなく、後は細かい数字の詰めということに。
- 4 年/$44M (2024-27)
- パフォーマンス・ボーナス
- $2M/年 (100 IPスタートの設定)
- パフォーマンス・ボーナス
ざっとAAVで$11Mという設定で、2024年の開幕を27才で迎えるジョーダン・ヒックスが30才になるまでの契約です。
Pボーナス:100 IP 設定?
ただ、ちょっと注目したいのが、このパフォーマンス・ボーナスの設定です。追加で$2M/年アップすることができるのですが、その設定がなんと100.0 IPからのスタートとなっているのです!
鬼のように登板したな!と言っても、リリーバーはせいぜい70試合。この登板数だとマルチイニングの登板はほぼなくて、1試合1.0イニングの登板になりますから、どう頑張っても70.0 IPが限界で、ボーナスのスタート設定の100.0 IPには到底届きません。つまり、リリーバーでは達成出来ない設定なのです。
ローテーション想定!
そう!ジャイアンツはジョーダン・ヒックスとサインするのに先発ローテーションで起用することを条件にサインしたということになります。
似たようなケースですと、2022年終了後にFAとなり、2023年は先発ローテーションでの起用を条件に契約先を探し、パドレスとサインしたセス・ルーゴがいます。
メッツでのリリーバーから一転、2023年は条件通りパドレスでは先発として登板し、26先発、146.1 IPで8勝7敗、ERA3.57をマーク。先発での実績を作ったセス・ルーゴは(これならFA市場で高く売れると思ったかどうかは定かではありませんが)、パドレスとの契約に盛り込んでいた2年目のプレーヤー・オプションを発動。市場に出て、ロイヤルズとの3 年/$45M (2024-26) + 2026 プレーヤー・オプションの契約を勝ち取ったのでした。
デビュー前は先発で登板
ジョーダン・ヒックスは2018年シーズン途中にカージナルスでMLBデビュー。MLBではブルペンでの起用でした。105mphの豪球を投げ込むのですから、どうしても後ろで使いたくなりますよね。多少荒れていても、捕手にはヤディアー・モリーナがいましたから、うまくリードも出来ます。
しかし、ジョーダン・ヒックスはマイナーでは先発投手として稼働。先発として準備していたのです。
- 2016 (19才):12試合/12先発(ルーキー/A-レベル)
- 2017 (20才):22試合/19先発( A/A+レベル)
先発はマイナーだけでなく、MLBでの実績もあり、2022シーズンは登板3試合目から9試合目まで、そして7月12日のドジャース戦と計8試合に先発。ただ、この時は26.1 IPで0勝4敗、ERA 5..47と結果が出ず、またブルペンに戻りました。残念ながら1度目の先発での試験は結果が出なかったということに。
ジャイアンツ、再生させるか?
さて、ジャイアンツですが、投手再生の実績があります。2019年後半にレッズでブルペンで登板していたケビン・ゴーズマンとオフにサイン。2020年の短縮シーズンに12試合中、10試合を先発で起用し、ERA 3.62。さらに、2021年には、33先発で14勝6敗、ERA 2.81に!強かったジャイアンツの2021シーズンのローテーションの柱の1人に仕立て上げました。その後のケビン・ゴーズマンは、2022年、2023年とサイ・ヤング賞投票の上位に入る活躍。2021年から14勝、12勝、12勝と高品質の投球を披露し続けています。
ジョーダン・ヒックスとは?
上述のようにまだまだ若いジョーダン・ヒックスは、MLBでは主にブルペンでの起用となり、2018年は73試合に登板し、ERAは3.59。1年目から73試合です!IPは77.2ですからイニングまたぎも行っていたことになります。
2019年6月にトミー・ジョン手術後
しかし、2019年は29試合に登板したところで、現地2019年6月24日にトミー・ジョン手術となってしまいました。強いボールを投げることはかなりの負担になっていたようです。
2020年はコロナ・パンデミックとなり、シーズン開始が7月終わりとなり、ジョーダン・ヒックスは5月にはもうブルペンセッションを開始。早期復帰の気配もありました。
しかし、慌ててMLBに復帰したところで7月終わりの開幕時点で術後1年1ヶ月という経過時間だったこともあり、2020シーズンは開幕前にオプトアウトを決め、ゆっくりと無理のないリハビリ・スケジュールに。
2021年は開幕ロスターに間に合い、ブルペンで登板。最初の4試合のERAは0.00だったものの、5月1日に右肘の炎症でIL入りに。シーズン終盤にマイナーで3度のリハビリ登板を果たしたものの、メジャー復帰はならず、このシーズンは10試合で0勝0敗、ERA 5.40に終わりました。
2022年は8先発を含む35試合の登板で、61.1 IPでERA 4.84。
2023年はカージナルスで7月終わりまでに40試合に登板。41.2IPで1勝6敗、ERA3.67をマーク。カージナルスはポストシーズンを諦めたことから「売り」に入り、ジョーダン・ヒックスはブルージェイズに移籍。ブルージェイズでは25試合で ERA 2.63。2023年はトータルで、65試合、65.2 IPで3勝9敗、ERA3.29でした。
2024年1月でMLSが6.000となり、今オフは初FAとなっていたのでした。
BB%改善が鍵
キャリアを通じてのBB%が12.8のジョーダン・ヒックスですが、これはMLB平均の8.5%を大きく上回ります。キャリアを通じたSO%は、24.5でこれはMLB平均の22.8%をやや上回る程度。
2023年は初めてBB%が10.0を切り、8.3%と平均を下回りました。その代わり、2022年に驚異的な31.2%をマークしていたSO%は22.9%に落ちました。
ただ、傾向としてはこれで良いのではないかと思います。先発となれば5.0 IP、6.0 IPをこなす訳ですから、肝心な時だけギアを上げるようになればいいですね。
ジャイアンツのローテーション
すでにトレードでロビー・レイがローテーションに入ったジャイアンツは、ご覧のローテーションに。
- ローガン・ウェブ
- ロビー・レイ:LHP
- ロス・ストリップリング
- アレックス・コブ:股関節の手術でリハビリ中
- ジョーダン・ヒックス
- カイル・ハリソン
- キートン・ウィン
ジョーダン・ヒックスのローテーションはまだ未知数ですが、アレックス・コブ、ロス・ストリップリングらとともにNO.3-4を争うことになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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