マイルストーンの300HRへあと1本
現地2023年12月19日、パイレーツとアンドリュー・マッカッチェンが、1年契約で合意した模様です。
両者の契約はまだフィジカル・チェック待ちではあるものの、正式発表まで時間はかからない見込みです。
ともに相思相愛であることは間違いないところですが、アンドリュー・マッカッチェンは2023年9月にアキレス腱を部分断裂。場所が場所だけにパイレーツ側としては慎重な姿勢も持ってはいるようです。
とは言え、マッカッチェン本人が残りのMLBキャリアをパイレーツで過ごすことを希望していると言われており、クラブ側としてもパイレーツの現役ヒーローという立ち位置のマッカッチェンに対して無下な態度は取らないはずです。
アンドリュー・マッカッチェンは1986年10月10日生まれの37才。花道も考えているかもしれません。いずれにせよ、アキレス腱の回復具合が今後のキャリアも決めそうです。
契約内容
両者の契約は現時点ではご覧の通り。
- 1年/$5M (2024)
前の契約も$1年/$5M (2023)で、オプションもパフォーマンス・ボーナスもついていませんでしたから、今回もこれで決定ということになりそうです。
2023年のアンドリュー・マッカッチェン
2023年序盤、パイレーツが旋風を巻き起こしたことを覚えておいででしょうか?最初の1ヶ月でNLではパイレーツのみが20勝を達成。サプライズとして大きな話題をさらいました。
ただ、この旋風もALイーストのレイズがそれをさらに上回るセンセーショナルな強さを発揮したことと、パイレーツ自体が5月には8勝18敗で急失速したことから、遠い昔のような出来事になってしまいました。パイレーツはその後も8月まで月間成績で負け越しが続き、9月にようやく14勝13敗と勝ち越しました。
そんな中、アンドリュー・マッカッチェンは渋い活躍を見せ続けました。渋いどころか、6月にはさすが元MVPと思わせるほどのインパクトのある成績を残します。
【マッカッチェンの2023 月間成績】
Month | G | H | HR | BA | OBP | SLG | OPS |
3/4 | 26 | 23 | 5 | .256 | .352 | .478 | .830 |
5 | 23 | 24 | 3 | .293 | .390 | .427 | .816 |
6 | 21 | 23 | 2 | .319 | .462 | .458 | .921 |
7 | 15 | 6 | 0 | .115 | .292 | .135 | .427 |
8 | 23 | 18 | 2 | .212 | .323 | .341 | .664 |
9/10 | 4 | 6 | 0 | .667 | .769 | .889 | 1.658 |
開幕後最初の1ヶ月で5HR。チームの負けが先行し始めた5月、6月には一人気を吐いたというような活躍。AVGは5月が .293、6月は.319です。6月のOBP .462は驚異的な数字でした。
ブレーキをかけた2019年のACL断裂
アンドリュー・マッカッチェンは2018年オフの注目FAとなり、フィリーズと3年契約でサイン。フィリーズ・デビューの2019年は開幕から好調で5月には、打率.282、HR 5、RBI 19と攻撃の重要なパートとして機能していました。ところが、現地2019年6月3日のパドレス戦で、初回に1塁ランナーに出た際、ランダウンプレーで左ヒザを負傷。診断の結果、左膝ACL(Anterior Cruciate Ligament)断裂となり、シーズン・エンディングとなりました。
マッカッチェンは短縮シーズンの2020年に復帰し、60試合中、57試合に出場。AVG .253を放ち、復帰は果たしました。
ただ、その後もぱっとしない成績が続き、2021年はAVG .222、2022年はブルワーズでAVG .232にとどまりました。ACLの怪我の影響が大きかったのだと思います。
2023年は古巣パイレーツに復帰し、上記のような活躍を見せました。ただ、7月、8月は振るわず、9月にはアキレス腱の部分断裂で離脱。結局、2023年は112試合に出場し、.256/.378/.397、HR 12、RBI 43、BB 75に終わりました。復活したものの、アキレス腱のこともあり、2024年の継続も危ぶまれていた面もあります。
出場機会
2023年はほとんどDHの出場で、RFについたのは8試合、7先発で64.2イニングのみ。2024年はロウディー・テレーズが入りましたが、彼は1Bにつき、マッカッチェンはやはりDHでの出場になる見込みです。
パイレーツとしては成績が伴うに越したことはないものの、フランチャイズ・アイコンのような存在のマカッチェンとの契約は、ファンとの絆をつなげるにも必要と考えたでしょう。
パイレーツのOFはジャック・スウィンスキー、ブライアン・レイノルズががっちり2つのポジションを確保。あと1枠をエドワード・オリバレス、ジョシュア・パラシオス、コナー・ジョー、そしてアンドリュー・マッカッチェンで賄う計算です。
300HRまであと1本
マッカッチェンはキャリア通算299HRを達成。300HRのマイルストーンまであと1本です。2024年はまずはこの1本でピッツバーグを盛り上げることになりそうです。
マッカッチェンは2005年のアマチュア・ドラフトのパイレーツの1巡目指名。その後2009年のデビューから2017年までパイレーツに在籍。その間、オールスター出場5度、ゴールドグラブ賞1度(2012)、シルバースラッガー賞を4度受賞(2012-2015)。2013年にはNLMVPを受賞しました。
この2012年から2015年までのマッカッチェンのピークは、パイレーツがコンテンダーであった時期と重なります。パイレーツは2013年から2015年まで3年連続でポストシーズンに出場。それ以来、プレーオフには出ていません。
2023年の成績は76勝86敗。勝率5割を下回りましたが、2018年に82勝79敗(161試合)をマークして以来の最高勝率でもありました。2024年はオニール・クルーズが復帰。プロスペクト達が引っ張る状況になり、マッカッチェンが要所で活躍できれば、ポストシーズン復帰も見えてくるかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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