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【MLB移籍2024】エンゼルスのデービッド・フレッチャーとマックス・スタッシがトレードでブレーブスに

フレッチ&スタッシがエンゼルスを離れる!

 現地2023年12月8日、エンゼルスとブレーブス間でトレードが成立。エンゼルスの人気選手、デービッド・フレッチャーが移籍することとなりました。それにしてもこのディール、ブレーブスはちゃっかりしてますね!

トレード概要

 このトレードは2:2で計4名が動きます。年齢は2024年の開幕時の満年齢です。

ブレーブスGet

  • デービッド・フレッチャー(David Fletcher/29)2B/右投げ右打ち
  • マックス・スタッシ(Max Stassi/33)C/右投げ右打ち

追記:ブレーブス、スタッシをCWSに

 ブレーブスはマックス・スタッシを獲得してすぐにホワイトソックスにトレードに出しました。その詳細は下記記事をご参照ください。

エンゼルスGet

  • エバン・ホワイト(Evan White/27)1B/左投げ右打ち
  • タイラー・トーマス(Tyler Thomas/28)LHP

フレッチはINF/UTLバックロール

 さて、ブレーブスがデービッド・フレッチャーを獲得した背景は、やはり内野のユーティリティー・バックロールということになります。ブレーブスは2023年にトレード・デッドラインでロイヤルズからニッキー・ロペスを獲得。

 しかし、ニッキー・ロペスはすでにアーロン・バマーを獲得したトレードでマイク・ソロカとともにホワイトソックスへ移籍。ブレーブスにはコーナー・スポットにマット・オルソン、オースティン・ライリーという強い選手がおり、2Bにはオジー・アルビーズで、これまたリーグを代表する選手がおります。唯一、SSだけはやや弱い面があるものの、FAで抜けたダンスビー・スワンソンの穴は元ブルワーズのSSのオーランド・アルシアがしっかりとカバーしています。NLDSでのフィリーズ戦で余計なことを言って、ハーパーに睨まれましたが。

 またケースによってはボーン・グリッソムもおります。そんな中、フレッチャーを獲得したのは、やはりバックアップ・ロールということに。フレッチャーはSS、3B、2Bと非常に守備が良いだけにこういう選手がダグアウトにいれば首脳陣は助かります。

フレッチャーの契約

 デービッド・フレッチャーは2018年にデビューし、80試合に出場して.275/.316/.363をマーク。翌2019年はさらに期待に応えて、154試合に出場し、右打者でありながら173安打を放ち、.290/.350/.384、HR 6、RBI 49、Run 83をマーク。

 さらに短縮シーズンの2020年は 60試合中、49試合に出場し、.319/.376/.425という高水準の数字をマークし、MVP投票にも票が入るほどの活躍。

 これでフレッチャーに信頼をおいたエンゼルスは2021シーズンの開幕時に、調停を避けた契約を上書きする延長契約を結びました。

  • 5 年/$26M (2021-25)+2026-27 クラブ・オプション
    • $2M(2021)、$4M(2022)、$6M(2023)、$6M(2024)、$6.5M(2025)、2026 $8M クラブオプション ($1.5M バイアウト)、 2027 $8.5Mクラブオプション ($1.5M buyout)

 2021年にも164安打を放ち、.262/.297/.324の成績を残したフレッチャーでしたが、2022年からは成績が落ちます。

直近2年は苦戦

 2022年に極度のスランプに陥り、2Bの座を失い、61試合の出場でAVGは.255、OPS+76。AAAでも13試合で、打率.204と苦戦しました。

 翌2023年はWBCでイタリア代表でプレー。成績は.200/.238/.250でした。メジャーで開幕をスタートさせたものの、最初の8試合の打率が.125にとどまり、4月11日に再びAAAソルトレイクに降格される事態に。6月24日には復帰し、ロッキーズ戦で4安打を放ったものの、7月半ばにはまたしてもAAAに。なお、MLBに残っていた6月30日には、Dバックスでメジャーデビューした弟のドミニク・フレッチャーと対戦しています。

 果たしてブレーブスで本来の輝きを取り戻すのか、注目です。

スタッシもバックアップ・ロール

 大谷選手から信頼を得ていたキャッチャー、マックス・スタッシもブレーブスに移籍することに。

 ブレーブスにはトラビス・ダーノーとショーン・マーフィーというリーグでも指折りの捕手が2人もおります。ブレーブスとしてはショーン・マーフィーをメインに使いたいのでしょうが、トラビス・ダーノーの勝負強さは捨てきれません。ブレーブスは2023年7月の段階でダーノーと2024シーズンの1年の延長契約を結んでいます。

 どう考えても強すぎる2人がいる中、マックス・スタッシはNO.3捕手という位置づけに。シーズン中に捕手3人体制で臨むかどうかは現段階では不明です。マーセル・オズーナがいる中、DHでダーノーというオプションも考えているかもしれません。

 いずれにせよ、打撃の劣るスタッシは守備メインのバックアップ・ロールということに。

スタッシの契約

 マックス・スタッシは2022年3月に調停を避けてサインした契約を上書きスル形でエンゼルスと延長契約を結んでいました。

  • 3 年/$17.5M (2022-24) + 2025 クラブオプション
    • $3M(2022)、$7M(2023)、$7M(2024)、2025 $7.5M クラブオプション ($0.5Mバイアウト)

2023年のスタッシ

 2023年は左股関節を傷めてILで開幕を迎えたマックス・スタッシ。大谷選手も正捕手がいない中、苦労していましたね。シーズン半ばに傷は癒えたものの、今度はファミリー・イシューが発生し、休んでおりました。シーズン終了後に明かされたところによると、4月中旬に息子が3ヶ月の早産で生まれ、数ヶ月を集中治療室で過ごしていたということでした。

 シーズン終盤、ポストシーズンが無くなったエンゼルスは贅沢税対策に翻弄することなり、マックス・スタッシは9月2日にリストリクティッド・リストに入り、その対策に利用されることに。エンゼルスはシーズン最後の30日間はサラリーを支払うことを回避出来、約$1,130Mをセーブしました。

ブレーブス、贅沢税計算のサラリーがアップ

 2023年に贅沢税の基準額を超えたブレーブスは2024年も超える見込みです。その中で贅沢税上のサラリーのAAVとしてフレッチャーの$5.2Mとスタッシの約$5.8Mがさらに加算されることになりました。2024年は$237Mが基準額です。

ブレーブス、E・ホワイトをLAAに

 さて、エンゼルスが獲得する選手ですが、ブレーブスは先日のマリナーズとのジャレッド・ケルニックを獲得したトレードに入っていたエバン・ホワイトをトレードに出すことに。

 エバン・ホワイトは1Bの選手ですが、マット・オルソンを脅かすことは不可能。トレード・チップとして使われることは予想されていて、早速そのように使われました(言葉は悪いですが)。

 ブレーブスはそのケルニックを獲得したトレードで肘に不安を抱えるマルコ・ゴンザレスもすでにパイレーツにトレード済み。見事にケルニックだけを残しました。

【LAA】タイラー・トーマス

 エバン・ホワイトとともに移籍するタイラー・トーマスはマイナーなので、エンゼルスの40manに今のところ、影響を与えません。

 タイラー・トーマスは28才で2024年の開幕を迎える左腕で、もともとは2017年のカブスの7巡目指名でプロ入り。

 現地6日のウィター・ミーティング最終日に行われたルール5ドラフトでメッツのマイナーからマイナーリーグ・フェーズで指名した投手。マイナーリーグでは2017年から計6シーズンに登板。2022年、2022年、2023年と3度トリプルAに昇格しています。最も登板の多いダブルAでは計67試合、104.2 IPでERA は4.30。

 2023年は独立リーグのアトランティック・リーグで所属した後、メッツとマイナー契約。2023年のAFLにも参加し、ERAは3.72。

 実績はありませんが、エンゼルスのスカウトはAFLでの投球で何か中もするところがあったのかもしれません。

大谷選手に縁のある2人がATLへ

 とにかく、エンゼルスはサラリー削減の足下を見られたかな?というディールのように思います。

 いみじくも大谷選手由来の選手が2人、ブレーブスに動くことに。大谷選手の争奪戦にブレーブスも参加していたという報道がありましたが、現時点ではフロントランナーではないように思いますが、離脱したかどうかははっきりとはわかりません。ただ、優勝を狙えるクラブということならブレーブスは条件に一致。ただし、大谷選手が入れば、ブレーブスの贅沢税上のサラリーは$300Mを優に超え、しかも向こう5年以上はそれが続くことになるでしょう! 

 お読みいただき、ありがとうございました。

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