レッドソックス、かつて34HRを放ったOFを補強
現地2023年12月8日、レッドソックスのディールが決まりました。カージナルスからトレードでOFのタイラー・オニールを獲得しました。
野手では2B、Cの補強が噂されているレッドソックスですが、まずはOFの補強となりました。
トレード概要
このトレードは計3名が動きます。年齢は2024シーズンの開幕時の年齢です。
レッドソックスGet
- タイラー・オニール(Tyler O’Neill/28)LF/右投げ右打ち
カージナルスGet
- ニック・ロバートソン(Nick Robertson/28)RHP
- ビクター・サントス(Victor Santos/23)RHP
背景
OFのタイラー・オニール獲得の背景は、やはり先日ヤンキースへのトレードが決まったアレックス・ベルドゥーゴの代わりということになります。
アレックス・ベルドゥーゴは2023年、最終的には打率が.264に落ち着きましたが、6月には.316/.377/.484をマークし、非常に頼もしい活躍を見せ、打線が沈黙している状況でも一人気を吐いて、チャンスの風穴を空けるという場面が何度もありました。
果たしてタイラー・オニールにそのような役割を期待できるのかどうか?というところになります。
BOSのOF
RFのベルドゥーゴが抜けたレッドソックスのOFは、吉田選手(LHB)を筆頭に、CF候補のジャレン・デュラン(LHB)、プロスペクトのウィリャー・アブレイユ(LHB)、セダン・ラファエラ(RHB)がおります。左打席にいいバッターが多いレッドソックスにおいて右打者のタイラー・オニールが力を発揮するかどうかで対戦相手への圧を高めるかどうかを考える上で重要です。
タイラー・オニールとは
タイラー・オニールは1995年6月22日生まれの28才。シーズン途中で29才になります。カナダ出身でもともとは2013年にマリナーズから3巡目指名を受け、プロ入りした選手。
デビュー前の2017年3月のWBCではカナダ代表としてプレー。この大会はアメリカがプエルトリコを8-0で破って優勝した大会でもありました。
2017年7月のトレード・デッドラインでマリナーズがマルコ・ゴンザレスを獲得したトレードでカージナルスへ移籍。デビューはトレード翌年の2018年。この年、タイラー・オニールは61試合に出場。打率.254、OBP .303、SLG .500、9 HR、23 RBIをマーク。期待された2019年でしたが、60試合の出場に留まり、5HR。
パンデミックで短縮シーズンとなった2020年は前年よりも苦戦。60試合中、50試合に出場したものの、打率.173、HR 7、RBI 19でOPS+は70まで落ちました、ただ、明るい材料としてLFでの傑出した守備が光り、ゴールドグラブ賞を受賞しました。なお、ポストシーズンではパドレスとのワイルドカード・シリーズではすべて守備固めかピンチランナーの出場に留まりました。
大躍進の2021
しかし、2021年、タイラー・オニールは大躍進を見せます。138試合に出場してAVG.286、二塁打 26、HR 34をマーク。ようやく成績が期待に追いついたという活躍を見せました。Run 89、RBI 80、OPS+ 150と文句なしの圧倒的な成績でもありました。
【YOUTUBE】11 homers in September! Tyler O’Neill is ON FIRE for the Cardinals!
この年、カージナルスは9月に17連勝というクラブ・ウィニング・レコードを打ち立てましたが、タイラー・オニールはまさにその中心となった選手で、9月と10月の32試合でAVG.328、HR 13、RBI 30と打ちまくりました。同期間はNL POM(Player of the Month/ 2021-9&10)も受賞。センセーショナルでしたね。また守備ではLFとして2年連続でゴールド・グラブ賞を受賞しています。MVP投票では8位に。
直近2年は低下
しかし、その後の直近2シーズンの成績は芳しくない状態が続いています。その要因は怪我。過去2シーズン、タイラー・オニールは右肩のインピンジメント、左ハムストリングの張り、腰、右足の捻挫等でIL入りを経験。この2シーズンは計168試合で、HR 23、.229/.310/.397に終わっています。また、カージナルスはラーズ・ヌートバー、ジョーダン・ウォーカー、ディラン・カールソンなどの若手OFが台頭。怪我のフラストレーションもあり、ダグアウトでオリバー・マーモル監督と口論になった場面も。
ライバル打線を見ていたブレスローCBO
果たしてタイラー・オニールは本来の力を発揮できるか?レッドソックスのCBOのクレイグ・ブレスローは前年まではカブスのピッチング・コーチ。ライバル、カージナルスの打撃を投手目線で見ていたと思われ、今回のディールはカージナルスからという割と珍しいルートとなりましたが、これはブレスローの視点が大きく反映されていると言って良さそうです。
【STL】ニック・ロバートソン
さて、カージナルスに移籍するニック・ロバートソンですが、26才の右腕でシーズン途中の7月の誕生日で27才になります。ドラフトは2019年のドジャースの7巡目指名。2023年のトレード・デッドラインでレッドソックスがドジャースにキケ・ヘルナンデスをトレードした時の交換要員です。
デビューは2023年。ドジャースでは9試合、10.1 IPでERAは6.10。レッドソックスでは9試合、12.0IPでERA 6.00。まだメジャー未勝利です。
【STL】ビクター・サントス
Santos ➡️ Cardinals
— Milb Central (@milb_central) December 9, 2023
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The Boston Red Sox have traded Victor Santos and Nick Robertson to St. Louis for Tyler O'Neill. pic.twitter.com/QZMuWLuNQO
カージナルスに動くビクター・サントスは、ドミニカ共和国出身の23才。2024年7月の誕生日で24才になります。もともとはフィリーズとサインしてプロ入りし、2021年にレッドソックスに移籍。マイナーでは最初はスターターとリリーフの双方をやっていましたが、レッドソックス移籍後はスターターとして経験を積んでいます。2023年はAAとAAAの両レベルを併せて10勝12敗、ERA 5.34。SO9は7.8、BB9は2.1。
タイラー・オニールの抜けたカージナルスはますますラーズ・ヌートバーに対する期待が高まりますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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